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国際化恐れてEMと昭シェル潰し策動する資源エネ庁と新日石
国策会社となった石油精製元売り新日本石油を筆頭に、民族系石油精製会社と資
源エネルギー庁が結託して、外資系石油精製会社の力を削ごうとしているのでは
ないか?というお話。
最近流行の「環境」をキーワードとした規制のため、一般論としてなかなか反論
できないという、非常に巧妙な手段を用いている。
新自由主義を支持する方なら、この動きを「とんでもない」というだろうが、
「多国籍大資本に利益を取られるくらいなら、民族系資本の利益にしたほうがま
しだ」と考える方もいるだろう。
かつて石油精製業は売上高経常利益率が1-2%の薄利企業であったが、数年前より
精製マージンをかなり取るようになってきている。原油高騰以外に、元売りの取
り分も相当増えていることに注意すべきだろう。燃料価格高騰は消費者、中小運
輸業者およびそこで働く労働者に打撃となるわけで、エネルギー官僚と元売りの
結託について監視を強めてゆく必要がある。
★概要
・自動車燃料のサルファーフリー(低硫黄分)化によりエクソンモービル(EM)の
精製マージン減少を図る。民族系石油精製会社は大規模な設備投資を実施したた
めEMより低コストで精製が可能。
・昭和シェルグループ抑え込みのために「レギュラーガソリンのオクタン価アッ
プ」を画策。これにより昭和シェルのガソリン精製コストが上がる。
・A重油の新しい品質を企画し、外資系精製会社の精製マージンを削ぐ。
Blog「独立系GS」より
http://diary.jp.aol.com/jtaf3xjxdp/
経団連入りを目指す新日石会長と、小泉政権の政治公約と逆行する官僚統制を強
める資源エネ庁のコラボレーションによる「外資系元売潰し」が進行しているよ
うだ。以下、噂の真相的に。
すでに顕在化したのが、サルファフリーによるエクソンモービル(東燃ゼネラ
ル)の”無力化”。精製プロセス上、KL3000円もコスト高になるという。EM系列
ではここ数年、RIMベースの仕切りに代理店の不満が膨らんでいたが、「高く売
れる時に高く売る」という売り手の合理性はあったのだろう。しかし、サルファ
フリーを契機に、EMは精製構造的に高値ゾーンに追いやられている。
もっとも、規制時代にはPQ枠(ガソリン生産枠規制)のお陰で旧東燃・エッソ・
モービルはこの世の春を謳歌していた。「日本は成熟市場」とうそぶいて、大し
た資本投下も行わず、代理店が抱える市場競争上の問題解決に踏み込まない(込
めない)悪しき標準化による”利益収奪主義”のつけが回ってきたとも言える
が・・・。
さて、民族系元売にとって、前門の虎がEMなら、後門の狼が昭シェル。ガソリン
販売力は新日石とほぼイーブンに追い上げ、”流通玉の囲い込み”によって効率
化実現という石油会社の正道を歩んでいる。アラムコ資本参加を梃子にアラ石の
富士石油を傘下に収め、戦略は一段と加速する。この昭シェルの動きを押さえ込
む策動がある。
1つは、「レギュラーガソリンのオクタン価アップ」。現状90−92オクタンを95
オクタンに引き上げる動きだ。EMと同じく、これをやられると昭シェルの主力FC
Cではプロセス上ガソリンがコスト高になる。
その代わり、A重油の得率が上がって、競争力が増すという。
そこに2つめの楔が打ち込まれる。「A重油の新しい品質」だ。噂話だが、”ホ
ワイトA重油”なる新商品が企画されているという。
資源エネ庁は、2006年度から、灯油、A重油の識別剤を現状のクマリンに代えて
加工(抜き)に手間とコストのかかる溶剤を採用する。不正軽油を一掃するとい
う大義名分とともに、EMや昭シェルをコスト高に追いやる見事な二正面作戦であ
る。EMも昭シェルも日本市場に嫌気がさして、直営子会社などを民族系元売に売
却し、製油所だけ残して撤退させるのが、謀略の理想像となる。
官僚と”民僚”が結託して、環境と不正一掃の大義を掲げて好き勝手に市場を誘
導しているのが昨今の実態だ。
彼ら21世紀の後白河法皇にとって、外資系元売を国内の”内なる脅威”とすれば、
外の敵は日韓FTAに象徴される北東アジア市場の一体化となる。日本の品質を特
殊化することで、国際競争をしたくないのが本音である。今は環境問題の印籠を
出されたら何も言えない時代だが、国際的に流通することで供給の安定化を図る
べき石油製品を鎖国化することが、喫緊の環境課題なのだろうか。
こんな根性で、トヨタ、松下など国際競争を堂々と勝ち抜いてきた一流経済人と
席を並べようと考えるのは、イソップの「牛の真似をしたカエルの話」に等しい。