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 < だから私は嫌われる >
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/556.html
投稿者 ×× 日時 2005 年 9 月 29 日 23:52:43: QVkkDEqqKcOUw
 

古い記事なのかもしれませんが…

http://www.tokyo-outlaws.org/takarada/mori.html
 < だから私は嫌われる >

 森鴎外の名作に「山椒大夫」があります。
安寿 恋しや ほうやれほ。
厨子王 恋しや ほうやれほ。
鳥も生ある ものなれば、
疾う疾う 逃げよ 逐わずとも。

山椒大夫を丸暗記するほど読まされた子供は、大きくなって「外資は人さらい」と絶叫するのでしょう。

先般の郵政民営化選挙で喧伝された「外資はハゲタカ説」は凄まじいものでした。
* 日本をしゃぶり尽くすユダヤの陰謀 人が良すぎる日本人を騙すモルガンの魔の手。
* 新生銀行の取締役に顔を並べる3人の日本人は ルシファーズ・チャイルド(悪魔の子)
* アメリカのユダヤ金融資本は巨大なデリバティブ・パワーで 世界中から詐欺的に資金を略奪する。

明治維新から137年経った此の国で「牛肉を食べると頭から角が生える」と、未だに信じている人がいるようです。
ですから長銀がリップルウッドに買収され、新生銀行に生まれ変わった光景は「人買いや女衒を思わせる許しがたい蛮行」

なぜ旧長銀 ⇒ 新生銀行は嫌われ、罵られるのか、ちょっと調べてみました。
外資系会社のエッソやシティバンク日本代表などを務めた、新生銀行社長の八城政基氏はユニークな発想の方です。
新生銀行社長となって2004年2月に同社を東証上場させ、あっという間に退任されました。
高齢(76歳)を理由にするよりも“日本的なイチャモン”へのリスポンスが馬鹿馬鹿しくなり、「もう、や〜めた。後は勝手にしろ!」と“ケツ割り宣言”を出したのではないでしょうか?
つまり日本の社会の「だから私は嫌われる」を自覚したうえで、実践躬行されてきたのかも知れません。
新生銀行がなぜ嫌われるのか?スタートから追ってみましょう。

6年前の大パニック  1999年9月28日

金融再生委員会は28日、特別公的管理(一時国有化)している日本長期信用銀行を米投資会社のリップルウッド・ホールディングス(本社・ニューヨーク、ティム・コリンズ会長)グループに譲渡する方針を正式に決めた。リップルウッド側と長銀などが同日、「最優先交渉契約」を結んだ。年内に最終合意し、リップルウッド側は国が持つ長銀株を10億円で買収し、来年1月にも「新生長銀」として営業を始める。初の国有銀行の再生には、不良債権処理や資本注入などのために公的資金など総額4兆5000億円程度の国民負担が必要になった。
リップルウッドはシティグループやABN−アムロ銀行GEキャピタル、ドイツ銀行などの金融機関と共に持ち株会社「ニュー・LTCB・パートナーズ」(オランダ)を設立。この会社を通じて1200億円を出資して「新生長銀」をこの持ち株会社の100%子会社にする。
新生長銀の会長・社長兼最高経営責任者には、前シティコープ在日代表の八城政基氏が就く。

そもそも8兆円の損金補填をした旧長銀を僅か10億円でハゲタカファンドに買収されて、濡れ手に粟……という風評が間違いの元です。
“ユダヤの陰謀論者”は、新生銀行は全ての希望を山椒大夫に奪われ、入水自殺した安寿に感情移入して悔し涙に溺れてしまうんですね。

                  新生銀行の優先株の名義人と株数(千株)
第二回甲種優先株式
預金保険機構
74,528

第三回乙種優先株式
株式会社整理回収機構
600,000

普通株
一般株主
1,358,463

普通株の上位大株主は以下をご覧下さい。http://www.shinseibank.com/investors/about/company/shares.html

ちゃんと日本政府は筆頭株主の地位を確保し、配当金も受け取っているのですよ。
もちろん株価652円で平成20年3月31日までに、普通株に転換する権利も保有しております。

< 第五期の配当政策 >
普通株
甲種優先株
乙種優先株

2円58銭
13円
4円84銭

優先株( Preferred stock )とは利益配当や残余財産の分配などについて、普通株より優先的地位を認められる株式をいいます。
ただし株主総会における議決権がありません。
つまり、出資証券(株式)に比べて借入金の性格が強い資金調達手段です。
出資者の立場で言うと「金は出すが口は出さん。そのかわり分け前だけはキチンと寄こせ」

以下は八城氏の咆哮で全日本の「外資はハゲタカ論者」を激昂させたスローガンです。

日本経済の再生のために何が必要か
           新生銀行  八城政基     (2001 年9月25日)  
1960年代から80年代の経済の高度成長期を通じて、日本企業は事業を拡大し続け利益の絶対額を増大させることには成功したが、経営効率を示す使用総資本に対する利益率や総資産に対する利益率は低い水準に留まった。
その結果、規模だけ大きく中身の悪い水脹れしたバランスシートを抱えることになってしまった。会計原則が緩やかで時価会計や連結決算が求められず、公認会計士による監査も厳しさに欠けていたため、含み損を抱えて純資産がほぼゼロである会社でさえ存続することができた。政府による規制が強かった業界では、市場での自由な競争が政府の規制によって制限されたため、業績の低迷が続き実質的には債務超過になっている会社であっても、破産することなく事業を続けることができた。

ほとんどの日本の会社は株主価値の増大を主要な企業目標としていない。
企業経営者は、株式の額面の10%に当たる配当、すなわち額面50円で5円(多くの場合、その株式の市場価格に対しては1%以下に相当)を支払うために必要な利益さえ上げていれば、自分達は経営を上手にやっていると考えてきた。
経営者の多くは、株主へ支払う配当金は外部へ流失してしまうものだから、できるだけ少なくするのが望ましいという考え、できるだけ多く内部に留保すべきだとしてきた。さらに、企業経営者の間では、「株の持ち合いをすることは良いことだ」という考えが一般的に受け入れられていたため、「お互い様だ」という気持ちもあって、敢えて利益率が悪いとか配当が低いと言って相手企業の経営方針に反対する人もほとんど現われなかった。

米国の企業が80年代の停滞期を経て90年代に活力を取り戻したのは、業績不振の企業トップは、彼が業績を回復し市場の期待に応えられなければ、市場からのプレッシャーと取締役会の過半数を占める社外取締役によって解任されるからだ。
業績に対する責任は企業トップにあり、他の誰の責任ではない。
会社は、将来的に成長の可能性がない、または利益の上がらない既存事業のいくつかを大胆に整理すべきだ。一方、大いに成長の可能性がある事業に新たな投資を積極的に行うべきである。収益力が向上することにより、企業はより競争力のある高い賃金・給与を支払うことができる。株式の持ち合いや、銀行幹部が得意先企業のCFO に就任するなどの従来の関係を、銀行が顧客と互いに対等な立場で取引を行う関係へ変えなければならない。

 全文は以下に http://www.rieti.go.jp/jp/events/01092501/pdf/yashiro.pdf

このような「だから私は嫌われる」を有言実行したら、いくら株式を再上場させて大成功を演じようと、たいがいの日本人はウンザリしますね。

新生銀行が我が国で嫌われる理由

八城氏は、2000年5月に経営会議の席上で、担当幹部らに前月の収益を問いただした。
すると、以下のような答えが返ってきたという。「正確な数値はわかりません」
実は、旧長銀ではそれまで、半期ごとの決算を行っており、その正確なデータは、決算月の2カ月後に公表されていた。となれば、2000年4月の収益を5月に聞かれたところで、だれも答えられるわけがない。しかし、そのことに、デュイベディ氏は大きな衝撃を受けたという。
「例えば、4月の業績が、11月にならなければつかめないとすれば、経営陣は半年以上も前のデータを基に、経営の舵取りを行っていくことになる。このようなことは、欧米諸国の金融業界ではありえない話で、金融機関の国際的な“ビジネス標準”とはかけ離れたものだった」(同氏)
 (インド人重役の)デュイベディ氏は、その目的を実現するIT基盤に、マイクロソフトの「Windows 2000 Server」と、パッケージ・ソフトウェアの思い切った活用を決断した。より端的に言えば、同氏は、Windowsプラットフォーム上で、インドのi-flexソリューションズの統合銀行業務パッケージ「FLEXCUBE」を核に、複数の既製パッケージ・ソフトウェアを組み合わせることによって、基幹システムの根幹を成すという方針を立てたのである。 日本の銀行では、今日も、基幹の勘定系システムはメインフレーム上で運用するのが“常識”である。

メインフレームの代替としてWindowsプラットフォームを採用したことで、新生銀行には多大なメリットがもたらされている。その1つは、メインフレーム上で行われる夜間のバッチ処理が不要になったことだ。これにより、オンライン・システムを停止させる必要がなくなり、ATMの24時間稼働が実現された。
大川氏によると、「例えば、我々が、今回の新システムの構築に投じた経費は約60億円だった。この額は、一般的な金融機関が、メインフレームを用いて基幹システムを新たに構築した場合の10分の1程度だ。また10カ月という開発期間も、メインフレームで構築する場合の3分の1程度だった」

全文は以下 http://www.ciojp.com/contents/?id=00000153;t=0

ところで週刊文春から滅多打ちされた日興ソロモン証券出身の衆院議員、佐藤ゆかり氏よりも、更に若くて美しい金融ジャーナリストをご紹介しましょう。
( 顔写真は以下の中段 http://www.accj.or.jp/pages/tett_052004 )
ファイナンシャル・タイムズの東京支局長で1967年生まれの38歳、ジリアン・テット氏( Gillian Tett )であります。
業界用語で Plumper (ぽっちゃり)な美人ですが、遠慮のない鋭すぎる分析で日本の読者を敵にまわしてしまったようです。

「セイビング・ザ・サン」 2004.4、日本経済新聞社ジリアン・テット著

大勢のインド人がやって来たとき、行内に大きな衝撃が走った。
行員の中には荒川のように、海外旅行さえ行ったことのない者がいた。
それなのに2000年の秋には、数百人のインド人が行内を歩きまわるようになったのだ。
日本人は英語で話をしてみようとしたが、インド人が話す英語がよくわからなかった。
親しみをこめて、ある長銀の行員が社員食堂には“カレーライス”があると教えたことがある。
でもインド人は食べようとしなかった。
「日本のカレーライスはものすごくまずいっていうんです。

長銀の食堂には暗黙の規律が見えた。“O L” と呼ばれる制服を着た女性のテーブルと、濃紺のスーツ姿の男性のテーブルが、明確に分かれている。女性はみな地位の低い仕事をしているので、階級制度の底辺の者が集まるテーブルで食べることになっている。
ジョーダンは思い返していう。「私は人種分離体制のなかで育ったのだ。南部出身だから。
分離主義については誰よりも知っている。でもあの社員食堂、新しい分割だった。
あんなものは見たことがなかった。
ジョーダンは平等主義の信念から、一番若い女性行員たちが集まるテーブルを選んだ。
長銀の食堂階層制度からいうと底辺の席である。女性たちは凍りついたように沈黙していた。
コリンズとファイトとジョーダンのほうも、日本人の無表情な顔の海を眺めて、いったい何を考えているのだろうと訝った。

やがて当局の捜査がはじまった。
第一弾は1999年6月10日で、警視庁と地検特捜部が大挙して長銀本店に乗り込み、行員たちを刑務所に送り込むための証拠を探した。
「不良債権を隠したのはだれです?」と検事が質問する。
行員は途方に暮れるが、官僚の指示に従うという習性が身についているので、知っていることを打ち明ける。検事は下から上へとヒエラルキーをたどっていって、管理職を厳しく追及する。
「あなたの部下は、あなたがやったことをあらいざらい話してくれましたよ。だから嘘をつくとためになりませんよ!あなたが協力しなかったら、あなたの部下を告訴するしかありませんね」
春には若手行員の多くが、上司を裏切った″゚の意識に苦しめられていたし、幹部は幹部で、部下を守れなかった挫折感にとらわれていた。

ジリアン・テットが我が国で嫌われる理由

新生銀行が日本の銀行業界で行っていることは、日産が日本の自動車業界でやっていることと同じだ。全社的な効率化を進め、日本にはまだ競争力が残っていることを世界に示している。
メリルリンチ日本証券チーフエコノミストのイェスパー・コールはいう。「新生銀行が、納税者の税金を資本として、より高い収益性を得る基礎を築いたのに、なぜ公的資金を注入した他の銀行は未だにそれができずにいるのだろうか。

長銀に就職したような優秀な経済学部卒で、ノーベル経済学賞受賞者のジョン・ナッシュ( John Nash ) を知らない人はいません。
 ナッシュが受賞した学説は 『 囚人のジレンマ 』
囚人同士が別個に取調べを受けたとき、共に協力して黙秘すれば刑は軽く済むのに、自分だけ助かろうと余計なことを喋ると、お互いが思わぬ長期刑を食う、といったマンガのような喩え話です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%9D%87%E8%A1%A1

 上記の難しい勉強ばかりやっていたからでしょうか?ナッシュさんは精神の病に悩んでおりました。
ところで長銀の従業員は、自分たちがノーベル経済学賞の理論を実践躬行するとは夢にも思っていなかったでしょう。
アカデミー賞4部門受賞の映画にもなりましたので、ぜひビデオ屋さんに走ってください。

ラッセル・クロウ主演 《 ビューティフル・マインド 》
http://www.uipjapan.com/beautifulmind/main.html

外資はハゲタカ論者が目を背けた日本的慣行

(長銀元会長の)杉浦氏はたった一点だが、しかし重要な過ちを犯したと思う。
それは銀行に長く留まりすぎたということである。取締役在職34年というのは、いかんせん長過ぎた。3代後の頭取人事まで決めたというのは明らかにやり過ぎであった。
杉浦氏に限らず日本の企業では、これほど卓越した経営者が、企業にしがみつくのはなぜか。
一般論だが、一つはやはり快適なのだろう。会社に行けば極めて大事に扱われるからである。
杉浦氏の場合も彼だけが唯一ベンツに乗り、また専属のマッサージ師を置いていた。
(「元役員が見た長銀破綻」箭内昇:文芸春秋、1999.7)

以下はご参考

「自分の無知なるを、リップルウッド・ホールディングスや日本政府、日本長期信用銀行、新生銀行の所為(せい)にしてはいけません」
http://www.kachijiten.com/column&news/ripplewood-holdings-llc.html

 「新生銀行」の詳しい顛末記
http://www2.cc22.ne.jp/~hiro_ko/2-44chougin.html

新生銀行有価証券報告書
http://www.shinseibank.com/investors/ir/report/yuho_2004/yuho_2004.html


道に落ちていても拾わないで下さい ⇒ 参考にならない文献”

須田慎一郎「長銀破綻」
http://images-jp.amazon.com/images/P/406264729X.09.LZZZZZZZ.jpg

浜田和幸 「ハゲタカが嗤った日」
http://images-jp.amazon.com/images/P/4797671238.09.LZZZZZZZ.jpg

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