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趣旨説明
本日は全国からたくさんの方々がお集まりいただきありがとうございます。
農政改革が進む中、地域のために農業参入された建設会社の経営者による現場の生の
声をお届けしたいと考えています。時間が限られた中の短い発表となりますが、事前に配布
したレジュメや各社の資料を参考にしながら話をお聞き下さい。各社の詳細な取り組みにつ
いては、先般ご紹介いただいた『建設帰農のすすめ』をご参照下さい。
では趣旨説明を始めます。
日本経済は回復してきたと言われますが、地方は本当に厳しい状況にあります。この背景
には、地方を支えてきた産業、つまり農業と建設業の両方が衰退してきたという現実があり
ます。地方に行くと、勤め先は建設会社と農協と役場しかないようなところが多いのですが、
厳しい財政状況と少子高齢化の中で、これまでのように公共依存の強い地方経済を続けて
いくのはもう限界。やはり地方では、ものを生み出す力、特に農林水産業の役割に目を向け
なければならないのではないのでしょうか。
いま、「建設帰農」という新しい動きが出てきました。これは、戦後、農業から建設業に入っ
てきた人々がただ農業に戻るのではなく、新しい農業、つまり自立する農業を目指して進ん
でいくという意味を込めています。
仕事が減り、厳しい状況にある建設会社が、逆に高齢化が進み担い手不足になっている
農業に入っていく時、いままで通りのことをやっていてもなかなか収益は上がらない。そこ
で、新しい農業で地元の企業として根を下ろし、培ったノウハウを携え挑戦することが大切で
す。
「農業は儲(もう)からない」と言われますが、方法を変えれば成長産業に変身する可能性
があります。農家単位では難しかった農業の革新を、企業であれば実現できます。例えば、
分散農地の耕作に工程計画のノウハウを導入し生産効率を向上させる、農業土木で培った
土壌改良の技術を生かして、良い土作りを行い、安全・安心な農業を行う、耕作放棄地を重
機で開墾する、生産だけでなく加工・販売までのアグリビジネスに取り組む、観光とのタイア
ップを図るなどです。また米作りや野菜作りの名人の技を企業の力で広めるといった取り組
みもあります。
農政改革の中、これから日本の食文化とともに食品を世界に輸出できる日も近いと思いま
す。
また「自治体を介した農地リース方式による企業の農業参入」が全国展開する方向で検討
が進んでいます。そうなれば、食品会社や外食産業とともに、建設産業の参入にも弾みがつ
くでしょう。その際にお願いしたいのは、そうした形で農業に入っていく企業を農業者と同じ立
場で農業補助金や融資制度を使わせてほしいのです。
農業参入にはさまざまな可能性がありますが、実際に参入した建設会社は現在とても苦労
しています。さまざまな障壁に加えて、本業が半減する苦境の中で、新しいことに挑戦するの
はいばらの道でもあります。しかし、農業を捨てるわけにはいきません。
食料自給率は4割、農業者の過半数が65歳以上で、外国からは貿易の自由化を迫られて
います。しかし、環境保全、食料防衛、地球全体の食糧問題のいずれから見ても、農業を衰
退させるわけにはいきません。どんなに苦しくても、新しい農業を切り開く必要があります。
建設帰農は、日本にとっても重要な取り組みなのです。
ここにお並びの方々は、地域のために、農業のためにという思いで参入している方々。皆
さんの温かいご支援をお願いします。