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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050916k0000m040164000c.html
明治安田生命保険の保険金不払い問題をめぐり、金融庁が8月上旬に明治安田側に伝えた検査結果通知の中で、「顧客対応に著しく不適切な点があった」と具体的な事例を挙げて悪質性を指摘していたことが15日、分かった。明治安田は苦情に対応するためのマニュアルで「2回苦情を受けたら支払いに応じる」などと細かく規定。これまで明治安田は「営業現場の責任」を強調していたが、保険金支払いを極力抑制しようと組織的に対応していた実態が浮き彫りになった。
金融庁は生保各社を監督する際、保険金不払いの実態に加えて、問題処理に当たっての顧客対応の姿勢を特に重視しており、明治安田の不適切な対応を重く見て、2月の業務停止命令に続き、今年2回目の行政処分に踏み切る方針だ。
金融庁が特に深刻な問題として指摘したのは、「不払いへの苦情対応」と「個人顧客への不払いの集中」の2点。「苦情対応」では、保険金不払いへの苦情に対応するためにマニュアルを作成するなど本社主導でトラブル回避に動いていた。
具体的に契約者から「不払いはおかしい」とクレームのあった場合、マニュアルで「苦情が1回だけなら支払いに応じないこと」「2回苦情を受けたら支払いに応じること」などと規定。結果的に不払いを承諾した契約者だけが泣き寝入りすることになった。また、訴訟に発展しそうなものについては迅速に保険金を支払い、和解に持ち込んでいた。
「不払いの集中」については、大企業の従業員対象の団体保険では不払いはほとんどなく、個人契約者に集中。個人契約者を軽視する明治安田の営業姿勢が明らかになった。
旧明治生命は02年3月、支払う保険金を減らすことで収益拡大を目指す方針を盛り込んだ中期経営計画を策定。同年5月には専務ら役員が主導して保険金の支払い基準を改定し、契約者の過失責任を厳しく問うよう見直した。その後、保険金の不払い件数が、年間10件程度から数百件に急増、過去5年間で1000件以上の不払いがあったとみられている。
毎日新聞 2005年9月16日 3時00分