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「為替」 米利上げ継続観測の再燃でドル買い戻し110.30円、原油一時63.90ドル／ニューヨーク外国為替市場概況
「米利上げ継続観測の再燃でドル買い戻し110.30円、原油一時63.90ドル」ニューヨ
ーク概況 2005年9月8日（木曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:35JST 「米利上げ継続観測の再燃でドル買い戻し110.30円、原油一時63.90ドル」
*07:01JST「米利上げ継続観測の再燃でドル買い戻し110.30円、原油一時63.90ド
ル」
【ロンドン市場概況】
7日のロンドン外為市場では、ユーロ・ドルで1.2540以降のストップロストライに
失敗、来週初に大きなユーロ債の償還があるとの噂もあったことから全般的にユー
ロ売りが優勢になり、ユーロ・ドルは1.2520ドルから1.2457ドルまで下落、ユー
ロ・円も137円31銭から136円96銭まで下落した。ポンド・ドルは1.8449ドルから
1.8393ドルまで下落、ドル・スイスは1.2332フランから1.2394フランまで上昇、ド
ル・円は109円65銭から110円01銭まで反発した。
【経済指標】
英・8月の住宅価格：前月比+1.6％（2004年9月以来最大）
独・7月の鉱工業生産：前月比+1.2％（予想-0.2％、6月+1.6％）
【要人発言】
独キール大学世界経済研究所
「独GDP見通しの2005年を0.7％に据え置き、2006年を1.3％から1.1％に下方修正」
「新たな原油価格の高騰で、ドイツ経済の見通しが悪化」
「来年末までは原油価格は1バレル＝65ドル近辺で推移すると予想」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：110円07銭、ユーロ・ドル：1.2456 ドル、ユーロ・円：137円09銭、ポン
ド・ドル：1.8396ドル、ドル・スイス：1.2392フラン
【ニューヨーク市場概況】
7日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は強い米Q2労働費用でインフレ上昇懸
念が高まり、米債利回りの上昇を受けて堅調に推移した。シカゴ連銀総裁のタカ派
的な発言や米ベージュブックが堅調な景気拡大を示した事から一段とドル買いが強
まり109円88銭から110円30銭まで上昇した。本邦輸出筋や米ファンド筋の売りに上
値を抑えられ110円10銭前後に軟化して引けた。
ユーロ・ドルは“ロンドンFIXにかけて大量売りがある”との噂や原油価格の一段
安、米利上げ継続観測の再燃で1.2470ドルから1.2407ドルまで下落した後、1.2400
ドル手前の買いに支えられ1.2420ドル前後まで戻して取引を終えた。ユーロ・円は
本邦機関投資家の買い主導で137円13銭まで上昇するものの、ユーロ・ドルの下落に
連られる形で反落し136円65銭前後で引けた。ポンド・ドルは1.8423ドルから1.8354
ドルまで下落した。ドル・スイスは1.2377フランから1.2444フランまで上昇した。
【原油市場】
NY原油相場は大幅に続落。米国や国際エネルギー機関の戦略備蓄の放出やメキシコ
湾地域で停止していた製油所生産の再開を受けて供給懸念が後退し売りが先行し
た。メキシコ湾での石油生産は8/30時点で全体の約10％しか操業が出来ていなかっ
たものの、本日はハリケーンの直撃を受ける前の約40％の水準にまで回復している
ようだ。
明日発表予定の在庫統計はハリケーン・カトリーナの襲来後初めての統計となるた
めに市場の注目は非常に高い。事前予想では原油やガソリン在庫の大幅な減少が見
込まれているものの、どの程度の減少になるかは見当がつかず、取引終了にかけて
ポジション調整を進める投資家も多かったようだ。NYMEX原油先物価格（10月限）は
下落基調を強めて一時3週間ぶりの安値63.90ドルまで売り込まれ、結局64.37ドル
（前日比-2.4％）で取引を終えた。
米週次在庫統計の予想（9/2時点）
原油在庫：前週比-770万バレル、前回-152万バレル
ガソリン在庫：同比-625万バレル、前回-51万バレル
蒸留油在庫：同比-190万バレル、前回+275万バレル
【オプション動向】
本日のドル・円スポット相場は米4-6月期の単位労働費用改定値が予想以上に上昇す
ると同時にモスコウ米シカゴ連銀総裁のタカ派的な発言により米利上げ休止観測が
後退しドルが買い戻されている。しかしながら、結局“108円50銭‐112円50銭のレ
ンジ相場が継続”とみる向きが多い事からオプション市場では変動率が低下、1ヶ月
物は8.425％から8.375％、3ヶ月物は8.400％から8.3000％、6ヶ月物は8.325％から
8.275％へそれぞれ低下した。
米金利の先行き見通しが不透明である事からドルが下げ止まっており、リスクリバ
ーサルでの動意は乏しい。25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は＋0.75％、3ヶ
月物は+0.85％、6ヶ月物は＋1.025％でそれぞれ昨日比変わらずとなっている。
【株式市場】
NY株式相場は上昇。朝方は小幅下落して始まったものの、原油価格が続落となった
事で引けにかけて緩やかに上昇する展開となった。地区連銀経済報告（ベージュブ
ック）で12地区中10地区で景気拡大が続いているとの認識が示されたことも好感さ
れた。セクター別では、消費者サービスや医薬品バイオが上昇する一方で、不動産
や家庭用品パーソナル用品が軟調。アップル（AAPL）はモトローラ（MOT）と開発し
たオンライン音楽販売に対応した新型携帯電話と、iPodを小型化したiPod Nanoを発
表したが株価は小幅下落。乾電池メーカーのスペクトラムブランズ（SPC）は業績予
想を下方修正して13.3％の急落となった。キャピタルワン（COF）はニューオリンズ
を拠点とするハイバニア（HIB）の買収価額を9％引き下げ、両社とも下落。ダウ構
成銘柄では、マクドナルド（MCD）やヒューレットパッカード（HPQ）がアナリスト
の投資判断引き上げを受けて上昇した。結局ダウは44.26ドル高の10633.50、ナスダ
ックは5.17ポイント高の2172.03で取引を終了した。議会予算局（CBO）はハリケー
ン「カトリーナ」の影響により雇用は40万件減少し、GDPも通年で最大で1％低下す
るとの試算を発表している。
【経済指標】
米・4-6月期の非農業部門労働生産性改定値：前期比+1.8％（予想+2.0％、前回
2.2％）
米・4-6月期の単位労働費用改定値：前期比+2.5％（予想+1.4％、速報+1.3％）
カナダ中銀が政策金利を発表：政策金利0.25％引き上げ2.75％に変更
【要人発言】
米地区連銀経済報告書（ベージュブック）（8/29まで）
「7月、8月の米経済成長は広範囲に及んだ」
「エネルギー価格を除いた消費者価格の上昇は適度にある」
「賃金上昇率は適度で雇用市場は堅調に推移している」
「小売り、サービス、金融、建築が経済成長を主導している」
「ある地域の住宅市場では“軟化”の兆候が現れている」
「自動車販売を主に小売り売上げはほとんどの地域で堅調」
「強弱まちまちとしたボストン地区を除き11地区が経済活動は強いとした」
モスコウ米シカゴ連銀総裁（投票権有）
「インフレ圧力抑制するには連銀の行動が必要となる」
「ハリケーン・カトリーナの米経済への影響の判断をするのは時期尚早」
「雇用コストの上昇がコアインフレに更に影響を及ばす」
「コアインフレが物価安定と一致していると考えているレンジの上限に上昇」
「昨年よりもコアインフレの上昇リスクが増している」
「エネルギー価格やインフレ、住宅市場などがリスク」
「経常赤字は持続出来ず」
「原油価格の上昇は経済成長率を弱める」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 109.66 110.30 109.65 110.1
ユーロ・ドル 1.2520 1.2521 1.2407 1.2416
ユーロ・円 137.30 137.31 136.64 136.7
ドル・スイス 1.2333 1.2444 1.2332 1.2431
ポンド・ドル 1.8445 1.8449 1.8354 1.8366
株式市場：
NYダウ 10588.68 10640.43 10573.95 10633.50
ナスダック 2163.66 2172.39 2158.61 2172.03
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.358 4.423
米国債10年物 4.095 4.139
先物市場：
NY金先物 447.5 450.2 447.3 449.0
NY原油先物 65.65 66.50 63.90 64.37
シカゴ日経平均先物 12620 12670 12610 12670
（フィスコ） - 9月8日6時45分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050908-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。