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「為替」 米利上げ打ち止め観測後退でドル買い戻し109.84円、原油続落65.96ドル／ニューヨーク外国為替市場概況
「米利上げ打ち止め観測後退でドル買い戻し109.84円、原油続落65.96ドル」ニュー
ヨーク概況 2005年9月7日（水曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:19JST 「米利上げ打ち止め観測後退でドル買い戻し109.84円、原油続落65.96ドル」
【ロンドン市場概況】
6日のロンドン外為市場では、ポジション調整のドル買い戻しの動きが一服し、ド
ルは全般的に反落気味になった。ユーロ・ドルは1.2442ドルから1.2478ドルに上昇、
ドル・スイスは1.2404フランから1.2375フランまで下落し、ポンド・ドルは、イギリ
スの7月鉱工業生産の低下を受けて一時ポンド売りが強まり、1.8430ドルから1.8373
ドルに下落後、1.8452ドルまで上昇した。ドル・円は109円79銭から109円53銭に下落
後、経済協力開発機構（OECD）が「日本の政策金利は実質インフレ率がプラスになら
ない限りゼロ％に維持すべき」としたことから109円78銭まで反発した。ユーロ・円
は136円53銭から136円78銭で取引された。
【経済指標】
英・7月の鉱工業生産：前月比-0.3％（予想ゼロ、6月-0.2％←ゼロ）
英・7月の製造業生産：前月比+0.1％（予想ゼロ、6月+0.2％）
ユーロ圏・7月の小売売上高：前月比-0.5％（予想-0.3％、6月ゼロ←+0.4％）
【要人発言】
経済協力開発機構（OECD）の2005年経済成長率見通し
米国：3.6％据え置き
日本：1.5％→1.8％
ユーロ圏：1.2％→1.3％
フランス：1.4％→1.6％
イタリア：-0.6％→+0.2％
ドイツ：1.2％→1.0％
イギリス：2.4％→1.9％
「原油高やハリケーン・カトリーナによる経済的な影響を判断するのは時期尚早」
OECDチーフエコノミストのコティス氏
「米FRBは引き続き政策金利を中立に向けて戻すことができる」
「日本の政策金利は実質インフレ率がプラスにならない限りゼロ％に維持すべき」
「大規模な石油ショックがみられる、トレンド終了の兆候はない」
「ECBは利上げの必要なし、FRBは利上げペースを緩やかにできる」
独IW経済研究所
「ドイツが原油価格高から受ける影響は他国より小さい」
「石油輸入コストがGDPに占める割合は、他の国の方が格段に大きい」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：109円65銭、ユーロ・ドル：1.2478 ドル、ユーロ・円：136円84銭、ポン
ド・ドル：1.8449ドル、ドル・スイス：1.2373フラン
【ニューヨーク市場概況】
6日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は米系ファンド筋の売り主導で一旦109
円35銭まで下落したがアジア筋の買いで反転し、予想外に上昇した8月のISM非製造業
景気指数や利上げ打ち止め観測後退に伴う米国債利回り上昇で109円84銭まで上昇し
た。しかしながら110円台手前での本邦輸出筋や米ファンド筋のドル売り意欲は強
く、109円47銭まで弱含み109円65-70銭で引けた。
ユーロ・ドルはドル安の流れを受けて1.2516ドルまで上昇したがファンド筋やアジア
中銀からの強い売り圧力や原油価格の下落を受けて1.2463ドルまで売られた。ユー
ロ・円はモデル系ファンド筋の買いで137円02銭まで上昇したが、戻り売りに押され
て136円63銭まで弱含んだ。ポンド・ドルは1.8470ドルから1.8402ドルまで下落し
た。ドル・スイスは1.2320フランから1.2389フランまで上昇した。
【原油市場】
NY原油相場は大幅に下落。国際エネルギー機関やヨーロッパなどが相次いで石油供給
支援を表明した事やメキシコ湾地域で停止していた製油所の生産が一部再開されたと
のニュースを受けて先週強まった供給懸念が後退し、売りが優勢となった。
また一部メディアによれば、サウジアラビアが世界的な規模での原油価格の値下げ
を念頭に置き10月分の米国や欧州向けの原油輸出価格を大幅に引き下げる事を決定し
たという。世界最大の原油輸出国による価格引き下げの動きがみられた事で買い意欲
が抑制された模様。
市場全体に売り材料が目立ち、買い手控えムードが強まる事からNYMEX原油先物価格
（10月限）は下落基調を強め、結局65.96ドル（前営業日比-2.3％）で取引を終え
た。
【オプション動向】
本日のドル・円スポット相場はドル軟調地合が継続する中、予想を上回る8月のISM非
製造業景気指数を受けたドルショートカバーでレンジ取引となっている。しかしなが
ら米中首脳会談や衆院選、米FOMCなどの重要なイベントリスクが控えている事から短
期物のオプション買いが目立っており1週間は7.800％から8.525％に、1ヶ月物は
8.250％から8.425％にそれぞれ上昇している。3ヶ月物、6ヶ月物、1年物はそれぞれ
小幅に低下している。
ハリケーン・カトリーナの米経済への影響を懸念し、米利上げ打ち止め観測が強まる
事からドル先安観は強く、また人民元追加切り上げ観測も根強いため、円コール買い
が強まっている。25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+0.70％から＋0.75％、3
ヶ月物は＋0.80％から+0.85％、6ヶ月物は+0.975％から＋1.025％へそれぞれ拡大し
ている。
【株式市場】
NY株式相場は上昇。原油先物価格が65ドル台まで下落しており、終日堅調な展開とな
った。ハリケーン「カトリーナ」に関しても、残された住人の移送がほぼ完了するな
ど、これ以上の被害拡大の可能性が減少したことが好感されている。セクター別で
も、小売と不動産を中心に全面高となった。シスコシステムズ(CSCO)はリーマンブラ
ザーズの投資判断引き上げを受けて上昇。ノバルティス(NVS)から買収提案を受けて
いたカイロン(CHIR)は、取締役会が同提案の拒否を発表して小幅上昇。アップル
(AAPL)は引き続きモトローラ(MOT)との提携が好感されており5.6%高。ダウ構成銘柄
では、バンクオブアメリカが投資判断を引き上げたコカコーラ(KO)が上昇した。結局
ダウは141.87ドル高の10589.24、ナスダックは25.79ポイント高の2166.86で取引を終
了した。株価を抑える二大要因となっていた原油価格と長期金利がともに下落してお
り、ダウ平均は約2ヶ月ぶり上昇幅を記録した。
【経済指標】
米・8月ISM非製造業景気指数：65.0(予想59.5、7月60.5)
【要人発言】
ダラス連銀調査部部長
「ハリケーン・カトリーナの影響に関して連銀はおそらく米経済の減速よりもインフ
レリスク上昇を警戒する事から9/20のFOMCでは利上げを継続させるであろう」
「後に雇用、経済に影響が見えた際には利上げ打ち止めの可能性もある」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 109.75 109.84 109.35 109.68
ユーロ・ドル 1.2445 1.2516 1.2442 1.2465
ユーロ・円 136.61 137.02 136.53 136.72
ドル・スイス 1.2402 1.2402 1.2320 1.2382
ポンド・ドル 1.8378 1.8470 1.8374 1.8426
株式市場：
NYダウ 10447.69 10593.06 10447.69 10589.24
ナスダック 2146.37 2167.10 2147.31 2166.86
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.297 4.359
米国債10年物 4.029 4.092
先物市場：
NY金先物 448.7 450.3 447.0 448.6
NY原油先物 67.25 67.30 65.65 65.96
シカゴ日経平均先物 12635 12725 12615 12705
（フィスコ） - 9月7日7時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050907-00000004-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。