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人民元再切り上げへ攻防 いら立つ日米 時機探る中国
月内にAPEC財務相会合、G7
日米両政府は、今月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合や先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など一連の国際会議の場で人民元の一段の弾力化を求める見通しだ。中国が七月二十一日に人民元切り上げを発表して以降、変動幅が小幅に止まっているためで、日米両政府は人民元改革について「不十分」とみている。再切り上げ圧力が高まりつつある中、人民元改革は第二ラウンドを迎える。(吉田憲司)
「もう少し制度の趣旨を生かした円滑な運用ができるのではないか」。財務省のある幹部は、七月二十一日に中国人民銀行が対ドルで2・1%の人民元切り上げを発表して以降の人民元の動きに不満を隠さない。
過去最高値を更新した五日時点でも上昇幅はわずか0・23%程度。じりじりと上昇はしているものの、市場関係者の間では「実質的なドル固定相場に近い為替政策」との見方が大勢を占める。
財務省幹部は「日々の取引をみると、人民元高に振れていた取引終了直前に人民元を売ってドルを買う市場介入で人民元安に戻すケースがみられる」と指摘。同省が水面下で中国側に対し「極端な為替介入」は避けるよう進言する場面もあったという。
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もともと、日本政府は、人民元切り上げに伴う日本経済への悪影響を避けたいとの思いから急激な切り上げは望んでいなかったが、あまりにゆっくりとした引き上げに「慎重すぎる」(財務省幹部)と感じている。
それ以上に対中貿易赤字の急増に気をもむ米国はイラ立ちを隠さない。現在の人民元の切り上げ水準は「米議会や米産業界が要求する20−30%の切り上げからは程遠い」(日本総研の湯元健治調査部長)とされ、夏休みが明けた米議会を中心に対中強硬論が台頭するとの観測は強い。
ライス米国務長官も米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで人民元改革について、「政策を構造的に変更しない限り国際経済の問題児であり続ける」趣旨の手厳しい発言をしている。
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今月は八、九日に韓国でAPEC財務相会合、二十三、二十四日に米ワシントンでのG7が控える。人民元の上昇が小幅な状況が続けば、一連の国際会議の共同声明に一段の弾力化を求める文言が盛り込まれる可能性は大きい。
また、十月には輸入品に高関税を課す対中制裁法案の米議会採決の実施や、米財務省が為替報告書の中で中国を「為替操作国」と認定する可能性も否定できない。
中国人民銀行の周小川総裁は八月二十九日付の英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、「(七月二十一日の人民元切り上げは)一回限りの調整ではない」と、さらなる切り上げの可能性を示唆した。圧力に屈した形での再切り上げを避けたい中国は「切り上げ第二弾」でも「意表をつくタイミング」(市場関係者)を狙っているとみられ、その出方が注目されている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/06kei002.htm