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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu102.htm
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金融庁が民間の会計事務所と連携しながら、検査や会計監
査を通じて真綿で首を絞めるように銀行を追い込んで行った
2005年9月5日 月曜日
◆米国の対日要求を日本の内政課題に偽装する小泉政権 9月3日 森田実
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/
『拒否できない日本』(文春新書)の著者、関岡英之氏からメールをいただきました。以下、紹介します。《森田様 本日(9月1日)発売の雑誌『月刊テーミス』に下記のような拙文を寄稿致しました。もし、何かお役に立つようでしたら、どうぞいかようにも引用・転載下さい。
関岡英之 拝(以下本文)
今回の衆議院総選挙は郵政民営化の賛否を国民に問うものとされている。関心が薄かった国民も、有無をいわさず渦中に引きずり込まれ、いまや最終審判の責を負わされることとなった。だが賛否を決める前にぜひとも考慮に入れて頂きたいことがある。郵政民営化には、おおやけにはほとんど語られていない側面がある。小泉総理の個人的執念とされているこの問題の背後には、米国からの執拗な圧力が存在しているのだ。
一九九三年、宮澤・クリントン日米首脳会談で合意されて以来、米国政府は日本政府に対し、毎年『年次改革要望書』という公式文書を提示し、日本の内政課題に干渉してきた。この文書は、在日米国大使館のウェブサイトで日本語版が公開されており、いつでも誰でも無料で閲覧することができる。そのなかに、現在焦点になっている郵政三事業のひとつ、簡易保険に関する部分がある。
いまから十年前、九五年十一月二十一日付の『要望書』の十五頁には、「郵政省のような政府機関が、民間保険会社と直接競合する保険業務に携わることを禁止する」と既に明記されている。以来、米国政府は簡保の廃止を日本に要求し続けてきた。九九年十月六日付の『要望書』では「米国は日本に対し、民間保険会社が提供している商品と競合する簡易保険(カンポ)を含む政府および準公共保険制度を拡大する考えをすべて中止し、現存の制度を削減または廃止すべきかどうか検討することを強く求める」とある。
これらはすべて、保険分野における要求事項として書かれている。米国が一貫して標的としてきたのは、郵政三事業のうちの簡易保険であり、郵便事業と郵便貯金にはほとんど関心を示してこなかった。なぜなら、米国政府の背後で圧力を加えてきたのが米国の保険業界だからである。これは秘密事項でもなんでもない。米国生保協会のキーティング会長は本年二月に来日し、自民党の与謝野馨政調会長と会談し、郵政民営化について陳情している。二月九日の朝日新聞のインタビューのなかで、郵政民営化についてキーティング会長は「米国の生保業界にとって最も重要な通商問題だ」と堂々と明言している。
郵政民営化問題には、日米保険摩擦という重要な側面がかねてから存在してきたのである。しかも米国は、日本に圧力を加えている事実をまったく隠しだてしてはいない。米国政府の公式文書である『年次改革要望書』に公然と記されている。にもかかわらず、どれほどの日本国民がこうした経緯を知らされているだろうか。官から民へ、民にできることは民にやらせろ、というのは『年次改革要望書』の要求そのものだ。日本の郵政事業の民営化、つまり官業としての簡易保険を廃止して民間保険会社にすることを、なぜ米国の保険会社が執拗に要求しているのか。米国の保険会社にとって郵政民営化はどんなメリットがあるのか。民営化されたあとの簡保とその資産一二〇兆円は結局どうなっていくのか。
最新版である昨年二〇〇四年十月十四日付の『年次改革要望書』には、郵政民営化に関して以下のような要求が列挙されている。
「米国政府は日本政府に以下の方策を取るよう求める。
・日本郵政公社の金融事業と非金融事業の間の相互補助の可能性を排除する。
・特に郵便保険と郵便貯金事業の政府保有株式の完全売却が完了するまでの間、新規の郵便保険と郵便貯金商品に暗黙の政府保証があるかのような認識が国民に生じないよう、十分な方策を取る。
・郵便保険と郵便貯金事業に、民間企業と同様の法律、規制、納税条件、責任準備金条件、基準および規制監督を適用すること。
・新規の郵便保険と郵便貯金が、その市場支配力を行使して競争を歪曲することが無いよう保証するため、独占禁止法の厳格な施行を含む適切な措置を実施する。」
これらの記述から、米国側の狙いがおぼろげながら透けて見える。郵政公社の三事業一体のユニバーサル・サービスを解体し、簡保・郵貯の金融事業を、非金融事業つまり郵便事業から完全に切り離す。そして金融事業については政府保証を撤廃させ、政府保有株をすべて市場で売却、完全民営化させる。民間会社となった簡保に対しては、外資系保険会社と対等の条件を要求。所管官庁も総務省から金融庁に移管させて立ち入り検査を受けさせる。さらに独禁法の適用対象とし、公正取引委員会にも調査させる。
金融庁が民間の会計事務所と連携しながら、検査や会計監査を通じて真綿で首を絞めるようにりそなを国有化へ、UFJを身売りへ追い込んでいった経緯は記憶に新しい。一方、公正取引委員会は、検察当局と連携しつつ、いままさに道路公団を追い詰めている(公取と米国との深いつながりについてはいずれ本欄でも採りあげたい)。米国の要求事項から、民営化後の簡保の苦難に満ちた行く末が見えてくる。これが日本の国益になるのか。
今回の郵政民営化をめぐる自民党内の攻防で、小泉総理が頑として譲らず、最後まで揉め続けた最大の争点が、郵貯・簡保(金融事業)の完全分離・完全民営化の一点だったことが改めて思い出される。それはまさに、『年次改革要望書』の対日要求事項の核心にかかわる部分だった。だが、真に国益を憂える反対派議員の声はかき消されてしまった。
日本の民間保険分野は、はるか以前から、米国の激烈な市場開放攻勢にさらされてきた。九〇年代の日米保険協議の結果、医療保険やガン保険などの第三分野は外資が優先され、米国系保険会社の独壇場となってきた。加えて二〇〇四年には、本丸というべき生命保険分野でも、業界最大手の日本生命が個人保険契約件数でアメリカンファミリー生命(アフラック)に、新規保険料収入でもAIGに抜かれ、戦後初めて首位の座から転落した。
一方、二〇〇〇年前後に経営破綻した東邦生命、協栄生命、千代田生命などの中小生保は軒並み米国系保険会社に買収されてしまった。これら生保の経営が悪化したのも、もとはといえば八〇年代に米国の財政赤字を支えるために大量購入させられた米国債が、九〇年代にクリントン政権の円高攻勢で減価して甚大な差損を被ったことが原因だった。
日本の民間保険市場は、過去二〇年以上にわたって米国にさんざん食い物にされてきた。そうした歴史を学んだうえで改めて考えれば、郵政民営化の本質は、いまだ米国の手垢がついていない、一二〇兆円にのぼる官製保険の市場開放問題だということがわかる。
「民にできることは民にやらせろ」、「官から民へ資金を流せ」というときの「民」は、日本国民の「民」でも民主主義の「民」でもない。要するに米国民間保険会社の「民」にほかならないのである。
こうした背景を、小泉総理は国民に一度でも説明したことがあっただろうか。解散を強行した直後のあの記者会見で、ひとことでも触れただろうか。郵政民営化の是非を国民に問うてみたいと主張するなら、対米交渉の経緯も含め、すべての背景について説明責任を果たしたうえで、国民の審判を求めるのが筋ではないか。それができないのなら、「郵政民営化は日本の構造改革の本丸だ」という常套句は、米国の対日要求事項を日本の内政課題に偽装して、国会を通すための方便に過ぎないと、判断されてもしかたあるまい。(了)》
(私のコメント)
郵政選挙もあと一週間ですが、郵政民営化の問題点が国民に明らかないならないまま選挙投票日を迎えそうだ。民営化に賛成か反対かと聞かれても国民の多くは問題点を掴んではいないだろう。小泉首相が言う民営化論もデタラメなら竹中大臣の説明も嘘ごまかしが多い。学者などが専門雑誌に記事を載せても誰も読まないし、テレビなどでの解説も表面的な解説だけしか出来ない。
「株式日記」でも郵政問題を解説しているのですが、いくら書いても問題点を理解してもらえない人がいることは仕方がない。郵政の民営化も貯金が増え続けていた時代ならそれなりのメリットがあったのでしょうが郵貯簡保の資金はほとんどが国債や財投債になっており、民営化して国債を資金化しようとすれば債券市場は暴落する。ましてや外資に買占められたら304兆円の債券爆弾をハゲタカに預ける事になる。
バブルの崩壊以来、日本は1000兆円もの資産が失われた。それでも大恐慌を起こさずにこれたのは、国家財政が経済対策を打って経済を何とか回して来たからだ。その国家財政を郵貯や簡保の資金が支えた事になりますが、この最後の虎の子が失われれば国家財政に大きな影響が出てくる。さらに民営化を急ぎすぎれば債券市場にも影響が出てくるだろう。
昨日のNHkのテレビ討論で新党日本の荒井氏が言っていましたが郵政を四分社化するのにも訳がありそうだ。アメリカの保険業界は日本の簡易保険を目の仇にしてそのシェアを奪おうとしている。しかし公社では買収できないから民営化して金融庁の管轄下において、90年代からやってきたように経営を締め上げて破綻させて格安で外資に売り飛ばそうというのだろう。すでに東邦や協栄や千代田などの保険会社は外資に売り払われた。
郵貯なども同じく金融庁の管轄下において100兆円とも言われる不良債権を吐き出させて税金で穴埋めしたあげく外資に売り飛ばすつもりだろう。これらも新生銀行や東京スター銀行などで前例がある。なぜ外資に売るのかというと公表できない闇が隠されているからだ。金融庁がなぜ会計事務所と手を組んで日本の金融機関を追い込んでゆくのかわかりませんが、アメリカからの政治的圧力に日本政府が屈したからだろう。
アメリカはこれを市場開放とか規制緩和とか構造改革とか様々な言い方をしてきますが、要するに日本を韓国のようにIMFの管理下において、日本企業を丸ごと支配下に置くつもりなのだろう。そのために日本の金融庁とアメリカのユダヤ資本は手を組んで金融機関を締め上げているのだ。郵政の民営化はその一環であり目的は明らかなのだ。
今回の衆議院選挙で小泉政権が勝利すれば、国民は小泉竹中内閣に白紙委任状を渡す事になる。最終的にどうなるかわかりませんが主だった金融機関や主要企業はユダヤ外資に買い取られて日本民族は永久的に半奴隷化されていくら働いても豊になれない国家に落ちぶれてゆくのだろう。その半面では国際金融資本は金融と情報を一手に支配して富を独占して行く。18世紀の帝国主義国家のように目に見えない帝国が世界を完全支配しつつあるのだ。小泉竹中内閣はそのほんの末端に過ぎない。
◆我々こそ国際金融資本と手を組んだ勝ち組である。貧民は負け組。
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