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世界のマネーゲーム活発化 原油・日本株にも流入 米の景気減速が潮目?
世界的な金余りを背景にしたマネーゲームが活発化している。ファンド勢の豊富な資金が、史上最高値を更新する米原油先物市場に流入。中国の不動産市場は過熱を続け、原油高で潤う産油国のオイルマネーの一部は日本の株式市場にも注がれているという。利益を求め、投機資金は地球規模で駆け巡るが、大型ハリケーン「カトリーナ」に襲われた米国景気の減速が、その潮目を変える可能性もある。(渡辺浩生)
◆原油にファンド勢
天井知らずの高騰を続けるニューヨーク・マーカンタイル取引所。原油先物相場は先月末、一バレル=七〇ドルを突破した。米国や中国などの消費拡大に産油国の供給が追いつかない需給要因に加え、石油関連施設が集中する米メキシコ湾地域を直撃した「カトリーナ」による被害が、原油高に拍車をかけた。しかし、市場関係者には「七〇ドルのうち一〇ドル分は投機筋などの資金流入による」(今村卓・丸紅経済研究所チーフエコノミスト)との見方が根強くある。
投機筋の代表格がヘッジファンド。富裕層や機関投資家の資金を募り、世界の株や債券、為替市場などで高度な金融技術を駆使、高収益を追求する。二〇〇一年のITバブル崩壊後、日米欧の金融緩和がもたらした過剰な資金をのみ込み、全体の資産規模は約九千億ドル(九十八兆円相当)と過去三年で五割増大。一部が原油などエネルギー産品へ流入した。
ゴールドマン・サックスなど欧米の投資銀行が運営する商品指数ファンドも「年金などの長期運用資金の受け皿となって最近の原油高を演出した」(住友商事コモディティビジネス部の佐野慶一氏)という。
◆オイルマネーも
中国・上海では、オフィスビルなど不動産価格の過熱が止まらない。市統計局によると、今年一−六月の同市内の不動産価格は前年同期比12%増。海外の投機筋が、人民元の切り上げを見越して積極的なビル投資を展開した結果だ。
一方、日経平均株価が四年二カ月ぶりに一万二六〇〇円台を回復した東京株式市場。こちらも牽引(けんいん)役は日本株の買い越しを続ける外国人だが、最近「オイルマネーも流れている」(安達誠司ドイツ証券シニアエコノミスト)との観測が広がる。原油高で膨張した中東産油国の資金が、欧米のファンドや金融機関を通じて、割安感のある日本株買いに走っているというのだ。
◆金余りに変調?
値上がり余地のある市場を渡り歩く活発な資金の流れは「金融緩和による金余りが支えている」(小笠原悟クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券ストラテジスト)とみていい。
米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年六月、短期のフェデラルファンド(FF)金利の引き上げに転じたが、長期金利は低迷したままで、グリーンスパン議長が「謎」と指摘したほど。欧州や日本と連動した低金利の環境は続いている。しかし、「カトリーナ」の深刻な被害が先行きを不透明にしている。その余波によっては「マネーゲームの潮目が変わる」(みずほ総合研究所の中島厚志チーフエコノミスト)可能性もある。
資金の流れの源泉は資源国やBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が対米輸出で稼いだ豊富なドル資産だ。米国景気が減速し消費が大きく落ち込めば、蛇口は絞られる。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/05kei002.htm