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米ハリケーン被害 政府の対応に高まる批判
http://www.asahi.com/international/update/0904/003.html
2005年09月04日09時35分
ブッシュ米大統領は2日、大型ハリケーン「カトリーナ」による被害者救援の遅れに対する批判に応え、被災5日目で現地を視察した。しかし、洪水被害に対する認識不足による「人災」との見方も出ており、ガソリン価格の高騰と相まって、批判は与党内でも広がっている。大統領は出遅れ批判を意識して7日の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席との会談を延期するなど、外交日程にも悪影響が出始めた。中間選挙を約1年後に迎える大統領にとって、イラクの戦後処理と並んで重荷になりそうだ。
被災州に降り立って初めて現場をじかに見た大統領は言葉を失い、目に涙を浮かべる場面もあった。日頃はめったに誤りを認めない大統領もこの日は「(災害対応は)十分でない」と認めざるをえなかった。
3日朝には、通常は録音放送している毎週恒例の国民向けラジオ演説を、異例の生中継でホワイトハウスから行い、現役兵士7千人を被災地域へ追加派兵する方針を発表するなど、防戦に追われた。
政府の対応については「トゥー・リトル、トゥー・レイト」(内容不足で手遅れ)との批判が日増しに強まっている。特にルイジアナ州ニューオーリンズは、全米で水害の危険が最も高いと指摘されていた。堤防の強化計画もあったのに予算が削られていたことがわかり、批判に拍車をかけている。
大統領は「堤防の決壊はだれも予想していなかったと思う」と強弁しているが、サーベイUSAが31〜2日に実施した世論調査によると、68%が「対応が不十分」と回答。大統領支持率も40%で過去最低になった。
野党民主党は世論の後押しを受けて「対応は適切ではなかった」(ペロシ下院院内総務)と批判を強めている。上院で公聴会を開き、政府の初動の遅れを追及する構えだ。与党の共和党内でも救助活動については「作戦ミス」(ビター上院議員)などの指摘があり、公聴会開催には応じる考えだ。
大統領にとって手痛いのは、復旧にあたる州兵出動の遅れをイラク戦争と結びつけられてしまうことだ。米軍駐留の長期化で、イラクには本土防衛が任務の州兵までかり出されている。ルイジアナ、ミシシッピ両州の州兵は約3分の1がイラクに派遣されている。大統領は2日も「テロとの戦いと被害者救助は両立する。必要ならば他の州に頼めば派遣してくれる」と反論したものの、不信は簡単にぬぐえない。
ボディーブローになっているのがガソリン価格の高騰だ。イラク情勢の混迷などで昨年から高値だったうえ、ハリケーンの被害拡大によるエネルギー供給不安が重なったからだ。ガソリン価格は米国民の最大の関心事の一つ。このままいけば、中間選挙の争点になりそうだ。
92年8月に大型ハリケーン「アンドルー」がフロリダ州を襲った時、父のブッシュ大統領がやはり「対応が遅すぎる」と批判され、再選の足かせになった。被害規模の広がりによっては「カトリーナ」が中間選挙の足かせになるかもしれない。