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8月30日の海外金融・株式・為替市場 (ブルームバーグ)
2005年8月31日(水)07時15分
○米国株:米国株式相場は下落。ハリケーン「カトリーナ」の影響で原油先物相
場が連日の高値更新となったほか、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、
米連邦準備制度はエネルギー価格上昇が消費価格に影響を及ぼすとみていること
が明らかになり、売りが優勢になった。
シアーズ・ホールディングスなど小売株やユニオン・パシフィックなど運輸
株が安い。原油高で消費が抑制されるほか、原油相場が高値を更新するにつれ、
エネルギー価格が押し上げられるとの見方がこれら小売りや鉄道株を圧迫した。
イーグル・アセット・マネジメントで110億ドルの資産運用に携わるエドモ
ンド・コワート氏は、「今回のハリケーンはエネルギー価格に影響を与え、米国
の産業や消費にも影響を及ぼしかねない。エネルギーコストの上昇は、景気押し
下げにつながる」と話した。
S&P500種株価指数の終値は前日比3.87ポイント(0.3%)下げて
1208.41。ダウ工業株30種は同50.23ドル(0.5%)安の10412.82ドル。ナスダ
ック総合指数は同7.89ポイント(0.4%)下げて2129.76。
午後2時にFOMC議事録(9日開催分)が発表されると、主要株価指数は
下げ足を速め、この日の安値を付けた。議事録によると、米連邦準備制度理事会
(FRB)の調査スタッフは、原油高騰を一因に来年の見通しを引き下げた。た
だ、需要拡大を理由に今年の成長率見通しは引き上げられた。一部のFOMCメ
ンバーからは、「金融市場で投資家のリスク度合いが不適切に高まっている」と
の指摘があった。
ニューヨーク原油先物相場は上昇、連日の最高値更新となった。ハリケーン
「カトリーナ」の影響でメキシコ湾(ガルフ)の石油生産が約92%落ち込んだ
ことが手掛かり。ランド・フィナンシャル・サービシズのトレーダー、フラン
ク・レシュ氏は、「現在の原油相場とそれが景気に与える影響を考えると、これ
までのような企業業績は期待できないかもしれない」と話した。
原油が連日の高値更新
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI(ウエスト・テキサス・イ
ンターミディエート)原油10月限は前日比2.61ドル(3.9%)高の1バレル=
69.81ドルと、1983年の取引開始以来の最高値で引けた。一時は、バレル70.85
ドルと、取引時間帯の最高値を付けた。
S&Pエネルギー株指数は1.5%上昇し、S&P業種別24指数のなかで値
上がり率トップだった。
ウォルマートが3年ぶり安値
S&P小売株指数は1.7%下落、S&P産業別指数のなかで値下がり率2位
だった。シアーズやターゲットが下げた。小売り最大手のウォルマート・ストア
ーズは下げ、3年ぶりの安値に落ち込んだ。ガルフ沿岸の州では、80カ所以上
のウォールマート店舗が閉鎖された。ホーム・デポも安い。
コワート氏は、「原油高騰で何かしらの影響を受ける企業は多くなりそう
だ」と話した。
運輸株が安い。ユニオン・パシフィックのほか、ノーフォーク・サザンが下
落。ユニオン・パシフィックは「カトリーナ」の影響で、ニューオーリンズ付近
のサービスを運休にした。
公益のエンタジーは下落。同社は昨夜、ルイジアナとミシシッピー州にある
発電所2カ所の操業を停止にした。
ガソリン先物は急伸し、一時、21%高くなった。利ざや拡大で恩恵を受ける
との見方から、米北東部で事業展開するスノコが高い。S&P構成銘柄のなかで
値上がり率トップ。バレロ・エナジーやフロンティア・オイルも高い。
午前中に発表された8月の消費者信頼感指数は予想外に上昇したものの、原
油高が重石となり、相場を押し上げるのに至らなかった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高は概算14億6000万株となり、
8月10日以来の最高となった。
アイカーン氏
メディアのタイム・ワーナーは上昇。資産家のカール・アイカーン氏は、タ
イム・ワーナーの株式10%を対象に公開買い付けを実施する方向で検討してい
る。事情に詳しい関係者が30日、明らかにした。公開付けによってタイムワー
ナーに対し、自社株買いとケーブルテレビ(CATV)部門のスピンオフ(分離・
切り離し)を求める圧力を高める。
アイカーン氏はヘッジファンドのパートナーと合わせてすでに、タイム・ワ
ーナーの株式2.6%を保有している。同氏は取材に対してコメントを避けた。
若者向け衣料小売りのアバクロンビー・アンド・フィッチが安い。同社はロ
バート・シンガー社長兼最高業務責任者(COO)が8月末付で辞任すると発表
した。シンガー社長の職務は、マイク・クレイマー最高財務責任者(CFO)と
ジョン・ラウ執行副社長(物流・店舗運営担当)が引き継ぐ見通し。
業績見通し
スポーツ用品のフィニッシュラインとハードディスク装置(HDD)部品メ
ーカーのハッチンソン・テクノロジーはそれぞれ業績見通しが嫌気されて下落。
フィニッシュラインは、向こう2四半期の業績見通しを下方修正した。第3四半
期(9―11月)は1株当たり最大3セントの赤字を見込む。従来の予想は5―
7セントの黒字だった。
ハッチンソン・テクノロジーは第4四半期(7―9月)の売上高と利益の見
通しを下方修正した。売上高は1億5000万―1億6500万ドルになる見通し。1
株当たり利益は5―20セントを見込んでいる。従来見通しは売上高が1億6500
万―1億8000万ドル、1株当たり利益が55―65セントだった。
データ管理の回路基盤を手掛けるキューロジックは下げ、S&P指数構成銘
柄のなかで値下がり率トップ。ロバート・W・ベアードのアナリスト、ダニエ
ル・レナード氏は、ハードディスク・ドライブ制御装置などを手掛ける事業をマ
ーベル・テクノロジー・グループに売却したことで、今年の決算は減益になる可
能性があるとした。同氏はキューロジックの投資判断を「アウトパフォーム」か
ら「中立」に引き下げた。
○米国債:米国債相場は大幅続伸。記録的なエネルギー高騰が景気減速につなが
るとの観測を背景に、2年債は今年一番の値上がりとなった。
9日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公開された直後、米
国債相場はこの日の高値に上昇した。議事録によるとFOMCでは、燃料高騰
が経済の3分の2を占める個人消費を抑制する可能性があるとの指摘があった。
これを受けてトレーダーらの間では、今後の利上げに対する見通しが後退した。
プルデンシャル・インベストメント・マネジメント(ニュージャージー州
ニューアーク)で1400億ドルの債券資産運用を監督するピーター・コードリ
ー氏は、「原油高騰が長期的に与える影響として、景気の減速がある」と指摘。
「この見方が米国債相場を押し上げたことに疑問の余地はない」と付け加えた。
キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時
15分現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)
下げて4.10%。7月14日以来の水準に押し下げられた。今月は9日に4.44%
まで上昇していた。2年債利回りは10bp下げて3.93%。
りして101 7/32。2年債(表面利率4%、2007年8月償還)は1/4近く上昇
して100 3/32と、昨年12月以来の高値を付けた。
2年債と10年債の利回り格差は15bpに拡大した。
ハリケーン「カトリーナ」の影響でメキシコ湾(ガルフ)の石油・ガス設
備の約92%が操業停止を余儀なくされ、原油と天然ガス相場は続伸。ニュー
ヨーク原油先物10月限は一時、バレル当たり70.85ドルまで買い進まれ、取
引中の最高値を更新した。
債券と株式
金利先物市場ではFF金利12月限が4.5bp下げて4.03%。年末までに
フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が4.25%に引き上げられる確率を
20%とする市場の見方が反映された。前日の時点ではこの確率は約50%とさ
れていた。現行FF金利誘導目標は3.5%。
午前には消費者信頼感指数の予想外の上昇が伝えられたものの、米国債は
堅調な推移を続けた。消費者信頼感の改善が短命に終わるとの見方が示された。
景気減速は株式のようなリスクの高い資産の売りを促し、一方で政府債の
需要を高める可能性がある。メリルリンチの米国債マスター指数によると、8
月の米国債の投資リターンは金利再投資を含めて0.75%。これに対し、S&
P500種株価指数は月初来で2.7%下げている。
ベンチマーク指数
米国債相場上昇の要因のひとつとして、月末にベンチマーク指数のデュレ
ーション(平均回収期間)変更を控え、期間の長い債券への買い志向が強まっ
たことが挙げられる。
リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは29日、米国アグリゲート・
ボンド・インデックスのデュレーションを9月に0.10年延長し、4.47年にす
ると発表した。同インデックスを構成する米国債のデュレーションも0.10年
延長して5.28年になる。1998年までに遡った9月1日のデュレーション拡大
に比べ、平均的水準を0.08年下回る。
RBSグリニッチ・キャピタル(コネティカット州グリニッチ)の政府債
戦略担当マネジングディレクター、デービッド・エーダー氏はこれについて、
「1日限りのテクニカル要因」と指摘。「一連のデュレーション延長で買いを
余儀なくされているだけだ」と付け加えた。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した8月の米消費者信頼
感指数は105.6となり、前月の103.6(速報の速報103.2から上方修正)から
上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では101.0(予想中央
値)への低下が見込まれていたため、上昇は予想外だった。ミシガン大学が先
週発表した8月の消費者マインド指数はこの1年以上で最大の低下となってい
たため、この日の消費者信頼感指数はこれとは対照的な内容となった。
○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では円が下落。7月の日本の個人消費が
予想外に落ち込んだほか、失業率が7年ぶりの低水準から上昇に転じたことで円
が売られ、対ドルではこの1カ月で最大の値下がりを記録した。
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのシニアストラテジスト、
マイケル・メトキャルフィー氏(ロンドン在勤)は、「日本経済に対してはこ
の数カ月、楽観的な見方が高まっていた」と指摘。「拡大ペース減速を示唆す
る材料はどんなものでも、円にマイナスに作用する」と付け加えた。
EBSによるとニューヨーク時間午後4時5分現在、円の対ドル相場は1
ドル=111円27銭。前日遅くの同110円62銭から円安が進んだ。ドルの対ユ
ーロ相場は1ユーロ=1.2220ドル。前日遅くは同1.2234ドルだった。原油価
格が2日連続でバレル当たり70ドル台を付けたことで、ドルは高値から押し
下げられた。
午前に発表された8月の米消費者信頼感指数は予想外に上昇。雇用拡大と
所得の伸びが原油高騰への懸念を打ち消す格好となった。ドルは統計発表後、
対円で堅調な推移を続けた。
クレディ・スイス・ファースト・ボストン(CSFB)の通貨ストラテジ
スト、ララ・レーム氏(ニューヨーク在勤)は、「ここ数日、ドルが堅調に推
移してきただけに、この日の統計は米経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条
件)がしっかりしていることを裏付ける内容だった」と述べ、「堅調な消費者
信頼感は堅調な成長期待を意味する」と付け加えた。同氏は今後3カ月内にド
ルは1ドル=110円、1ユーロ=1.15ドルを付けると予想している。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが30日に発表した8月の米消
費者信頼感指数は105.6となり、前月の103.6(速報の速報103.2から上方修
正)から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では101.0
(予想中央値)への低下が見込まれていたため、上昇は予想外だった。
また9日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、燃料高騰が少な
くとも一時的にせよ他の消費製品に波及し、恐らくは支出を抑制、経済成長ペ
ースの抑制要因になるとの見解が示されていた。議事録は「エネルギー高騰は
消費にとって、大きな抑制要因になる可能性が高いとみられた」としている。
さらに、「インフレが最近のペースから加速すれば、長期的な経済成長に特に
悪影響を及ぼす恐れがあるとの指摘があった」と記されている。
月間ベース
円はこの日の取引で下げたものの、月間ベースでみれば対ドルで1.1%上
昇し、4カ月ぶりの上げ相場となった。日本経済が3四半期連続でプラス成長
を記録し、日経平均が4年ぶりの高値に押し上げられたことが円を押し上げて
いる。
日本の総務省がこの日発表した7月の家計調査によると、サラリーマン世
帯の消費支出額(物価変動を除いた実質)は季節調整をかけた前月比で3.5%
減となり、2月の4.1%減以来最大の減少率となった。また7月の完全失業率
(季節調整値)は前月から0.2ポイント上昇し4.4%となった。
衆院選を控え、円の下げ余地は限定的だとの見方もある。30日付の日本
経済新聞によると、日本経団連が会員企業の役員・管理職を対象に実施した世
論調査では、81%が小泉内閣への支持を表明した。
バンク・オブ・ニューヨークのシニアストラテジスト、マイケル・ウール
フォーク氏(ニューヨーク在勤)は、「現時点での小泉内閣のリードは立派な
ものだ」と評価。「選挙の結果いかんに拘わらず、改革の機運は高まっている
ように思われる。こうした見方が投資家の信認につながっている」と説明した。
○英国債:英10年国債相場は上昇し、利回りは約7週間ぶり低水準に低下した。
この日発表された8月の英小売売上高指数が6カ月連続でマイナスとなったこと
がきっかけだった。
英国産業連盟(CBI)が発表した8月の小売り調査によると、8月の売上
高が前年同月比で減少したとする回答は45%と、増加したとする回答27%を上
回った。両回答の差を基にした小売売上高指数はマイナス18と前月と同水準だ
った。
景気の鈍化を受けて、イングランド銀行が今年2度目の利下げを実施すると
の観測に拍車がかかる可能性がある。最近発表されたデータが、同国景気の低迷
を示唆したことから、英国債相場は過去3週間にわたり上昇している。
RBCキャピタル・マーケッツ(ロンドン)の債券ストラテジスト、リチャ
ード・マクガイアー氏は、「さらなる小売りの弱さ、住宅ローン貸し出しと消費
者信用の減少が今日の強気相場につながった」とし、「最新データが軟調だった
ことから、景気がここから回復する余地は限られている」と指摘する。
英10年国債の利回りはロンドン時間午後4時19分現在、前週末比4ベーシ
スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し 4.17%と、7月7日以来の低
水準となった。
ドイツ銀行によると、同国債(2015年9月償還、表面利率4.75%)の価
格は0.32ポイント上昇し104.69となった。
○欧州債:欧州2年国債相場は下落し、利回りは約2週間ぶり高水準となった。
インフレ加速により、欧州中央銀行(ECB)が利下げを思いとどまるとの観測
が広がった。
ユーロ圏のインフレ率は過去1年4カ月にわたり、1カ月を除く全ての月で、
2%または同水準を上回っている。ECBの目標は2%未満かつ同水準付近。E
CBは9月1日に定例政策委員会を開催する。ブルームバーグが33人のエコノ
ミストを対象に実施した調査によると、全員が政策金利は2%のまま据え置きと
見込んでいる。2年債は金利見通しに最も敏感な債券のひとつ。
ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン(フランクフルト)の債
券ストラテジスト、クリストフ・リーガー氏は、「経済指標の大半が強い数値だ
ったことから、短期債価格の上昇は限定的とみている」と語った。
ドイツ2年国債の利回りはロンドン時間午後4時半現在、前日比1ベーシス
ポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.23%となった。一時は2.24%
と、8月15日以来の高水準を付けた。
メリルリンチによると、同国債(2007年6月償還、表面利率2%)の価格
は0.02ポイント低下し99.60だった。
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext.html?id=31bloomberg34a0ktveGSXedM