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NY原油67ドルは2004年にオイルピークが来た証明である 2015年には石油減耗で人類社会はパニックに襲われる!
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/186.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 8 月 28 日 14:21:42: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu101.htm
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NY原油67ドルは2004年にオイルピークが来た証明である
2015年には石油減耗で人類社会はパニックに襲われる!

2005年8月28日 日曜日

◆NY原油、終値の高値更新=67.49ドル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050826-00000009-jij-int

【ニューヨーク25日時事】25日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、熱帯低気圧の進路がメキシコ湾岸の石油生産施設をそれる見通しとなったことからいったん大きく値を下げたものの、一部施設で避難の準備が行われているとの報に買い戻しが入り、小幅続伸して引けた。米国産標準油種WTI10月当ぎりは前日終値比0.17ドル高の1バレル=67.49ドルと、終値ベースでの高値を更新して終了。同限月は前日夕の時間外取引で過去最高値の68.00ドルをつけた。 
(時事通信) - 8月26日7時1分更新

◆2004年オイルピークの衝撃 2005年8月13日 荒 岱介
http://www.bund.org/opinion/20050905-1.htm

石油高騰の原因は何か

 お配りしている資料は、『理戦』の81号に「高く乏しい石油時代が来る」と題した論文を書いている石井吉徳さんが、メールで紹介してくれた英文資料を翻訳したものです。石井さんは、国立環境研究所の所長だった人で、今は退官して東大の名誉教授です。イデオロギー的にどうのこうのではなくて、石井さんは日本有数の石油の専門家として、オイルピーク=石油減耗を警告しています。それをどう受けとめるのかが、私たちに問われている。  

 ここ山梨県石和では、ハイオク・ガソリン、リッター143円と表示されていたガソリンスタンドがありました。今、石油価格は物凄く上がっています。ニューヨークのマーカンタイル取引所の原油価格は、先物取引で1バレル65ドルを記録したと新聞に出ていました。  

 石油に関連して最近、もう一つ注目すべきニュースがありました。中国海洋石油という中国の石油会社が、アメリカのユノカルという石油会社の買収をめぐって米系石油メジャー・シェブロンと争った。買収資金としてシェブロンが170億ドルを提示したのに対して、中国海洋石油はそれよりもはるかに多い185億ドルの巨額を提示した。しかしアメリカの議会は、中国海洋石油によるユノカル買収をできなくさせる条項を盛り込んだ包括的エネルギー法案を可決して、これを阻止するといったことがありました。アメリカと中国の間で石油争奪が強まっているわけです。  

 現在の石油価格の高騰に関して、70年代に2回あったオイル・ショックと同じように考えている人がいます。しかしそれとは違うということを、まず押さえる必要があります。70年代に石油が値上がりしたのは、OAPEC(アラブ石油輸出国機構)などのアラブの産油国が、アメリカのメジャーによる石油独占に反旗を翻し、石油の生産・輸出を制限したことの結果でした。つまり人為的に生じた石油危機でした。  

 しかし、今後起きるであろう石油価格の高騰は、そうした人為的なものではありません。地球上に資源として存在する石油の産出量が基本的にピークを過ぎ、石油生産の低下が原因となった石油の高騰が始まっているのです。  

 石井さんは『理戦』で、「地球は有限、いつまでも安く豊かな石油があるのではない。石油価格の乱高下は、これを反映するであろう。ところがエコノミスト、そしてエネルギー専門家すら、中東が不安定だから石油が高騰する、というのである」と書いています。世界の石油生産はピークを過ぎた、これからは石油が高く乏しい時代がやってくるということです。  

 日本では、こうした石油ピーク論はあまり問題になっていませんが、世界では大問題になっている。日本は消費する石油のほとんど100%を輸入に頼っています。日本の場合、石油の産出には関係ないからピンとこない。「どうせ輸入する以外ないのだから、同じだろう」と、みんな思っていて危機感がないわけです。  

 ところが、アメリカや中国は違う。アメリカも中国も石油の生産がピークを過ぎたという事実を、重大な問題として受けとめています。すでにアメリカは、1970年代に石油輸入国に転換し、中国も現在、需要の40%を輸入に頼っています。その位置から、サウジアラビアをはじめとする中東アラブ地域の石油生産が頭打ちだ、ではどうするのかと必死になっているのです。  

 石油減耗といいますが、その結果ものすごい転換点がやってきます。なぜなら、産業革命以降の現代文明は、石炭あるいは石油といった化石燃料・エネルギーを無尽蔵に消費することを前提に成立してきたからです。石油生産が低下し、石油の大量消費ができなくなれば現代文明は立ちゆかなくなる。最終的には、2015年から2020年ぐらいには石油価格が一挙的に高騰し、人類社会は未曾有の恐慌に襲われると言っている人達もいます。  

 21世紀の世界は「成長の限界」に直面すると言われてきたわけですが、一番最初、どこから「成長の限界」が顕在化するのか。資源エネルギー問題からです。もちろん温暖化や汚染の問題もあります。だけど、そもそもの大本である石油資源が無くなってしまう。そんななかでノホホンとしているのは日本人だけです。

石油代替エネルギーは存在しない

 資源エネルギー問題に関して考える場合、前提的に押さえておかなければならないのは、「石油にかわる代替エネルギーなど存在しない」という問題です。天然ガスがあるじゃないか、オイルサンドがあるじゃないか、あるいはメタンハイドレートがあるじゃないか、という人がいます。しかしそれはエネルギー問題の本質が分かっていない議論なのだと、石井さんなどのエネルギー問題の専門家は指摘します。  

 『理戦』81号の石井さんの論文の24ページを開いてください。そこに「エネルギーの出力/入力比:EPR」という考え方が出てきます。このEPRを理解しないと、エネルギー問題はちゃんと理解できないのです。  

 「エネルギー資源を理解するには、その評価基準としてエネルギーの出力/入力比が本質的である。EPR(Energy Profit Ratio)、EROI(Energy Return on Investment)などだが、残念ながら、日本では殆どしられていない。これから説明するが、この指標はエネルギー資源を評価するに、欠かすことの出来ない重要性を持っている。殆どの巨大油田はEPR60と高い。オイルピーク時1970年頃のアメリカの油田は20と低い。それも1985年は10を下回る。今では3程度に落ちているそうである。同じ石油資源もこのように、EPRの値は大きく異なる。同じ油田でも生産とともに、EPRは変化する。勿論低下する」  

 エネルギー問題は、EPRというエネルギーの入力と出力の比率で考えなければならないのです。EPRが大きければ大きいほどエネルギーとしては価値があり、EPRが1より小さいようでは、エネルギーとしては全く意味がない。  

 EPR60という巨大油田、具体的には中東の大油田というのは、地球上に存在するエネルギー資源のなかで最も良質なエネルギーであり、これに替わりうるような代替エネルギーは現時点では全く存在しないのです。このことがまず押さえられるべきです。EPRで考えると、代替エネルギーはみなコストが高すぎて、普通の人が普通のエネルギーとして使うようにはならない。ここに現代の資源エネルギー問題の本当の深刻さがあるわけです。  

 例えばカナダのタールサンドのEPRは1・5にすぎません。オイルサンド類は、石油と比べようもないぐらい「異質」で「低品質」なエネルギー資源なのです。日本で話題のメタンハイドレートも「資源と言えるかどうかすら疑問」。海水ウランについても、海水に溶存するウランの濃縮には膨大なエネルギーが必要で、とても代替エネルギーなどにはならないといいます。  

 「低品位の希薄な物質を量の大きさのみに着目し、未来の資源という話が日本には多すぎる」と石井さんは書いています。  「流行のバイオ、エネルギー農業だが、既に述べたように、現代農業は大量の石油に支えられている。このためサトウキビからのエタノールはEPR0・8〜1・7と低く、トウモロコシも1・3である。またトウモロコシの残渣からのEPRも0・7〜1・8と低いようである」  

 原子力発電はEPRからみてもダメです。「別の例では4・0という数字もあるが、これに対して、原子力関係者の言うEPRは、50と高いのである。この一桁の違いを説明することは、今後大きな意味を持つと思われる」  

 日本の電力会社は、原発のEPRを一桁も高く算出して、原発は有効だと国民を騙そうとしている。それらから、石油代替エネルギーなど存在しないとなります。(以下略)

(私のコメント)
時事通信の記事を見てもわかるとおりNY原油先物が1バレル67ドルをつけましたが、いよいよ1バレル100ドルの時代がすぐそこまで来ている。昨日は新聞テレビの質の低下が著しいと書きましたが、最近の石油高の原因を中国が石油を大量に輸入しているとか、どこどこの製油所が火災を起こしたとかいい加減な解説をしていますが、本当の理由は去年の2004年にオイルピークが来ていたことを証明するものだ。だから世界中で石油の奪い合いが始まっているのだ。

現在のところは価格の高騰だけで収まっているが、いずれは近いうちに武力による奪い合いが始まるだろう。アメリカによるイラクの侵攻はその先駆けですが、そのようなアメリカの意図をオイルピークに結び付けて解説している人は少ない。荒岱介氏はその一人ですが、現在の石油の高騰は70年代のオイルショックとは性格が異なり本物のオイルショックがやってきたと言うことだ。

「株式日記」では石油文明の終焉を以前にも書きましたが、一番問題なのは石油に代わる代替エネルギーはいまだに発見されていないという事だ。こんなことを書いても多くの読者は「石炭があるじゃないか」とか「オイルシェルやタールサンドがある」とか「メタンハドレードが有望だ」とかの反論がありましたが、EPRから見るとエネルギー源としては意味がないようだ。

最近ではガソリンの値上がりで日本でも石油高の影響が現われ始めていますが、ハイオクガソリンがリッター143円もしている。1回満タンにするたびに一万円札が飛んでゆく時代となってはモータリゼーションも終わりが近いことを予言しているようだ。だからトヨタの省エネカーが飛ぶように売れているのですが、月にガソリン代が数万円もかかるようになっては車社会もおしまいだろう。

これは車社会の崩壊のみならず産業革命以来の前提条件が崩れるわけだから、欧米型の産業構造や生活様式が出来なくなるという事だ。それが10年後には現実化して大恐慌とパニックが同時にやってくる事も考えられる。1バレル67ドルというのはその前兆であり、起伏はあるでしょうが1バレル100ドルとか200ドルになった場合のシュミレーションだけはやっておくべきだろう。

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