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増え続ける一人暮らし 20年後、全都道府県でトップ
二十年後の平成三十七年の日本は、全都道府県で一人暮らし世帯が主流になる−。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が二十五日まとめた将来推計で、こんな寒々しい“家庭”の姿が浮かび上がった。これまで核家族化の問題が叫ばれた時代は去り、全国でさまざまな形の独居化が進み、深刻な問題となりそう。専門家は「独居世帯の増加に備え、いまからきめ細かい施策を打つ必要がある」と指摘する。
平成十二年の国勢調査などを基に、四十七都道府県別の一般世帯数を三十七年までの五年ごとに推計した。
推計では、全国の一般世帯総数は二十七年の約五千四十八万世帯をピークに減少。三十七年までに宮城、滋賀、沖縄を除く四十四都道府県で減少に転じる。
一世帯あたりの家族数は二・六七人(十二年)から二・三七人(三十七年)まで減少し、東京では三十七年に二人を下回り一・九八人。もっとも多い山形でも二・九一人で、三人を下回ると推測した。
家族の形態は変化し、三十七年までに、一人暮らし、夫婦のみなどの割合が上昇し、逆に、夫婦と子供という、いわゆる核家族などは減少。三十七年には、全都道府県で単独世帯が、世帯のほぼ三分の一を占め、最大になるとした。
同研究所は「長寿化により、高齢者の単独世帯が増え、同時に六十五歳未満の単独世帯も増える」とみている。だが、家族社会学が専門の山田昌弘・東京学芸大教授は「地方と都市部では独居の形態が異なるはず」と指摘する。
単独世帯になるケースはさまざまだ。核家族だった家庭が、子供の独立で夫婦だけになり、その後夫婦いずれかが亡くなるケース。別居志向と晩婚化が進み、親から独立し一人暮らしをしている若者が家族を持たないケース。離婚により独居になるケースも増えるとみられている。
山田教授は、地方では、子供が独立し残された老夫婦がいずれかの死別で独居化するのに対し、都市部では「親に寄生して暮らしてきたパラサイトシングルが、親と死別しついに一人になるケースが増える」とみている。
また、人口減少問題に詳しい大原財政経済研究所代表の大原一三元農水相は「一人暮らしが増えれば、防犯対策や人間のつながりの維持、自殺の増加などさまざまな問題が懸念される」とし、新たな対策の必要を指摘する。
「住人が互いの生活に干渉しすぎず自警できる集合住宅のシステムや、民間警備会社と契約するなどの対策、テレビ電話など通信インフラの整備、スウェーデンのように高齢者の住まいに地域の子供が日常的に訪問するなどの工夫などが必要になる。行政はいまから手を差し伸べる必要がある」と対応策を示す。
だが、根本的には、一人暮らし世帯が増えることによる社会問題は大きいと予想し、「まずは、今回の推計が現実のものにならないよう、家族が複数いる世帯が維持されるように手を尽くすことが先決」という。
同研究所の推計では、世帯主が六十五歳以上の高齢世帯の割合は、三十七年にかけてすべての都道府県で増加。三十二年には全都道府県で世帯の30%が高齢世帯となり、三十七年には二十県で40%を超えると推計している。二十年後の日本は高齢化と独居の二つの問題を抱えることになる。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26iti001.htm