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http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NBY/RFID/20040421/1/
独メトロの実験店舗システムはこう動いている(上-1)
モノと人の動きを把握する仕組み
独メトロ・グループ(Metro Group)は,ヨーロッパを中心に25カ国に2200店舗,22万人の従業員を有する小売りの大手企業である。メトロ社は2002年,「お客様のショッピング・エクスペリエンス(顧客の買い物体験)の改善」の実現に向け,新しいテクノロジを活用して未来の小売業モデルを追求するFuture Store Initiative(未来型店舗実証イニシアティブ)に着手した。
2002年4月から本格的な準備を始め,実際の店舗での実験を2003年4月に開始した。この未来型店舗実現プロジェクトは,各種の店舗システムを統合し,RFID(Radio Frequency ID),セルフ・チェックアウト,電子棚ラベルなどの新しいテクノロジを実際の店舗営業でどのように実現するか,顧客の新しい体験を現実にできるかを実験し,検証することである。
メトロ・グループには,専門店向け卸売店舗(Metro,Makro),スーパーマーケット(Real,Extra),食品以外の小売業態(Media Markt,Saturn,Praktiker),デパート(Kaufhof)など,6つのビジネス業態がある。今回未来型店舗の実験施設として,Extraのドイツ・レインバーグ店を選んだ。
Extraの未来型店舗では,顧客の買い物体験を改善して売り上げを向上させること,サプライチェーンのプロセスを改善して効率がよく欠品の少ないオペレーションを実現することを目標とした。基盤技術としてRFIDと無線LANを採用し,既存の倉庫管理システムと統合することで,在庫情報と入出庫情報をリアルタイムに入手し,活用できるようになる。そして,入出庫検品作業の合理化,棚卸作業の軽減,在庫レベルの最適化によるコスト低減を狙った。店頭における欠品率を下げることで,Extraに対する顧客のロイヤリティが上がる,という効果も期待している。IBMはシステム・インテグレーション業務を委託され,同社の棚卸管理,店舗情報システム,そしてセルフ・チェックアウトの統合を目指した。
プロジェクトの全体像
このプロジェクトは,メトロの物流センターとExtraレインバーグ店間の物流オペレーション,および店舗内のオペレーションを対象範囲としている。
物流センターから店舗に送る商品(ドライフーズおよび日用雑貨)には,ケース(複数の商品をパッケージしたもの)およびパレット(複数のケースをまとめたもの)単位でUHF帯の無線ICタグ(RFIDタグ)を張り付けた。ケースを載せたパレットは,物流センターの出荷ドックでタグ情報を読み取ったあと,レインバーグ店に向けて出発する。出荷データは自動的に在庫情報システムに送られる。レインバーグ店のマネジャは,どの商品が物流センターから店舗に届くかをリアルタイムに知ることができる。
商品が店舗に届くと,入庫ドックでタグを読み込み,出荷情報明細と突き合わせが行われる。店舗入庫ドックで検品係が物理的に商品数を数えなくても,商品が足りない場合(物流センターを出庫した商品量と実際に入庫した商品量とに食い違いがあった場合),無線ICタグからの情報によって店舗マネジャは異常を知ることができ,物流センターに問い合わせるなどの対応が速やかにできる。