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(回答先: 【外国人買いは売り圧力へ転化、97年アジア金融危機の勃発】 外国人投資家の買い越し最大に 解散の8月第2週 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 19 日 21:22:17)
【郵政解散 市場はどうみる】国債格付け反転なるか 財政再建…構造改革カギ
来月の衆院選を控え、米国の格付け会社が、次期政権と構造改革の行方に強い関心を寄せている。長期国債の格付けは日本政府の信用力に直結するが、金融不安や財政赤字拡大に伴って繰り返し格下げされ、先進国の最低水準に落ち込んだままだ。景気が復調している中、国債の格付けが反転するかどうかは、衆院選の結果を受けて、財政再建など構造改革が強いリーダーシップのもとで実現されるかどうかにかかっている。(渡辺浩生)
国債の格付けは、財政の健全性や金融システムの安定度などから、民間企業における経営破綻(はたん)のリスクを判定したもので、世界の機関投資家が投資判断の基準にする。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の日本国債の格付けは「ダブルAマイナス」。先進七カ国ではイタリアに次ぐワースト2の水準。平成十四年四月に「ダブルA」から格下げしたままだ。
最も評価が辛口とされるムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債格付けは「シングルA2」。十四年五月、「ダブルA3」から一気に二段階格下げしたまま、今もポーランドや南アフリカと同格の扱いが続く。二段階格下げの際には、「政府の経済政策では、国内債務状況の持続的悪化に十分歯止めをかけることができない」と、日本政府の財政規律に強い不信感を突きつけた。
だが、その後、政府の金融再生プログラムで不良債権処理が加速。リストラで民間企業の財務体質も改善され、「残された課題は政府部門の構造改革」(福井俊彦・日銀総裁)という状態にまでたどりついた。
衆院解散の翌九日、S&Pは「日本経済は数年前に比べ良好な状態にあり、一時的な政局不安をしのげる」と日本国債の格付けを据え置いた。
しかし、日本国債の格付けが底から浮上するには、国と地方を合わせた長期債務残高が国内総生産(GDP)の170%という先進国最悪の財政状況を立て直す以外ない。S&Pが「次期政権は誰が担っても改革の方向性が維持される」とみるわけも、政権政党の違いにかかわらず、日本再生の「選択肢は限られている」と考えるからだ。
◇
≪S&Pディレクター・小川隆平氏に聞く≫
■改革の方向占う選挙に
−−来月の衆院選の結果は日本国債の格付けにどう影響するか
「小泉政権が続くにせよ、民主党政権になるにせよ、財政再建が必要との認識は共通しており、ペースに違いはあっても構造改革は継続されるだろう。かつて『トリプルA』だった日本国債の格付けは今下げ止まりの状態。将来の方向を占う重要な選挙だと思う」
−−格上げの条件は
「財政再建をしやすい経済環境をつくるには、特に教育や育児、医療といったサービス業での規制緩和を戦略的に進め、民間の成長力を促進するべきだ。財政再建自体については、自民党も民主党も打ち出した目標を実現可能なものにする具体的計画を示すべきだ」
−−最大の争点、郵政民営化は
「業務拡大に走るのが民営化された国営企業の常識。だが、現状では民営化の方向に走り出すことに意味があると思う。今やらないことによる損失の方が大きいからだ」
−−郵政をめぐる自民分裂を海外はどう見る
「党のリーダーが掲げた政策に反対する議員に厳しい処分を下すことは当然。政権が問われるのは結果責任で、党内の人間関係や義理人情の方が優先されてきた自民党政治は不可解だった。今度の選挙で政策中心の政党政治に流れが変われば画期的なことだ」
−−次の政権を占うと
「小泉政権発足後に『小泉改革は期待できない』という内容のコメントを出した。政策は官僚や党内調整を通って中身が骨抜きにされ、時間もかかる。ドラスティックな改革は難しい、という認識は変わっていない」
「民主党は、かつて金融制度の改革でいい案を出したころと比べると、提案力が劣り、郵政民営化の対案も出せなかった。政権に近づくにつれて、労組との関係など内部の矛盾が出てきて政権獲得の最大のチャンスを生かしていない。政権政党に堪えられる政策の一貫性が試される」
−−格上げの鍵はリーダーの改革実行力?
「五年前なら誰も信じられなかった郵政民営化を法案が否決されるまで進めたことで、国民が政治にあきらめていた『変えられるものは変えられる』ことを小泉さんは身をもって示した。この変化は大きい。構造転換のときこそ、リーダーが方向性を示して国民を引っ張ることが大切だ」
◇
おがわ・たかひら スタンダード・アンド・プアーズ アジア・パシフィック ソブリン・公共部門格付けグループディレクター。平成10年から日本国債の格付けを担当。51歳
http://www.sankei.co.jp/news/morning/19kei001.htm