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「為替」 かなり強いPPIでインフレ懸念、米金利上昇でドル高、原油4％超の急落／ニューヨーク外国為替市場概況
「かなり強いPPIでインフレ懸念、米金利上昇でドル高、原油4％超の急落」／ニュ
ーヨーク概況 2005年8月18日（木曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善
博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:42JST 「かなり強いPPIでインフレ懸念、米金利上昇でドル高、原油4％超の急落」
*07:01JST「かなり強いPPIでインフレ懸念、米金利上昇でドル高、原油4％超の急
落」
【ロンドン市場概況】
17日のロンドン外為市場では、8月3-4日の英中銀金融政策委員会議事録が公表さ
れ、利下げが5対4の僅差の賛成多数で決定されたことが判明（予想は少なくとも7対
2）、英国の追加利下げ観測が後退したことからポンド買いが優勢になり、ポンド・
ドルは1.8047ドルから1.8106ドルまで上昇し、ユーロ・ポンドは0.6812レベルから
0.6797レベルまで下落した。ユーロ・ドルは1.2276ドル〜1.2306ドル、ドル・スイ
スは1.2590フラン〜1.2622フラン、ドル・円は109円75銭〜110円01銭、ユーロ・円
は134円98銭〜135円19銭で小動きとなった。
【経済指標】
英・7月の失業率：2.8％（予想2.8％、6月2.8％）
失業者数増減：前月比+2800人（予想+7300人、6月+7100人）
英・4-6月の平均所得伸び率：前年比+4.2％（3-5月+4.1％）
仏・6月の貿易収支：-11.9億ユーロ（5月-11.4億ユーロ）
【要人発言】
英中銀金融政策委員会の議事録（8月3-4日分）
「利下げは5対4の賛成多数で決定」
「キング総裁、ロマックス副総裁、ラージ副総裁、タッカー委員が、インフレ圧力
が薄れたと結論づけるのは時期尚早と、据え置きを主張」
「ビーン理事（チーフエコノミスト）：金利を引き下げなければ信頼感を損ない、
早期に行動すれば、後になってから大きな行動をする必要がなくなる」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：109円76銭、ユーロ・ドル：1.2299ドル、ユーロ・円：134円98銭、ポン
ド・ドル：1.8102ドル、ドル・スイス：1.2594フラン
【ニューヨーク市場概況】
17日のニューヨーク外為市場では、かなり強い生産者物価指数（PPI）を受けてイ
ンフレ懸念が高まり、米金利が上昇した事からドルが堅調に推移した。ドル・円は
109円83銭まで上昇した後に米インべストメントバンクなどの売りに押されて一旦
109円49銭まで下落したが、下値での買い意欲が強く110円00銭まで反発してほぼ高
値で引けた。
ユーロ・ドルは極東筋の買いで1.2315ドルまで上昇するものの、米雇用創出法絡み
の米企業の売りや原油価格の下落を受けた売りが強まり、またユーロクロスの売り
も加わる事で1.2261ドルまで下落し安値圏で引けた。ユーロ・円は原油価格の急落
や8/19のドイツ国債利払いに絡む売りに押されて135円05銭から134円65銭まで下落
した。ポンド・ドルは1.8117ドルから1.8045ドルまで下落した。ドル・スイスは
1.2568フランから1.2638フランまで上昇した。
【原油市場】
原油相場は米国の需要鈍化観測やOPECが「今後1年半に生産能力を拡大させる」との
考えを示した事から需給懸念が和らぎ大幅に下落した。また9/19にウィーンで行わ
れるOPEC総会で生産枠が引き上げられるとの思惑も売り材料になった模様。
注目された週次の在庫統計では原油やガソリン在庫が共に予想以上に低い水準にと
どまった。原油価格が急伸してもおかしくない程の低調な統計内容であったにもか
かわらず、価格は一時的な上昇後に急反落。この動きを受けて、市場の一部では
「ついに原油バブルが弾けた」との見方が広がった。
NYMEX原油先物（9月限）価格は在庫統計発表後に一時66.60ドルまで上昇したが、そ
の後急反落し63.25ドル（前日比-4.2％）で取引を終えた。
【オプション動向】
ドル・円スポット相場は夏枯れ相場の様相が濃く、米ファンド筋の売りに上値を抑
えられているものの米金利上昇に伴うショートカバーも強いため109円50銭から110
円00銭の狭いレンジ内の動きに終始している。この動きを受けたオプション市場で
は短期中心に低下しており1週間は8.25％から7.75％、1ヶ月物は8.30％から
8.25％、3ヶ月物は8.275％から8.175％へそれぞれ低下した。一方6ヶ月物は8.225％
で昨日と同水準となっている。
109円が支えられた事や対欧州通貨でドル買い戻す動きが先行している事などから更
なる円高観測が後退しておりリスクリバーサルでの円コール買い意欲も停滞してい
る。25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+0.8％から+0.7％、3ヶ月物は+0.85％
から+0.8％とそれぞれ縮小したが6ヶ月物は+0.975％で昨日と同水準での取引となっ
ている。
【株式市場】
NY株式相場は上昇。7月の生産者物価指数が予想以上に上昇した事が嫌気される一方
で、一部企業の決算が下支えし、朝方はもみ合いで始まった。その後原油価格が大
幅下落となった事が好感され堅調に推移した。セクター別では、テクノロジー・ハ
ード機器や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で、エネルギーや不動産が軟
調。ヒューレット・パッカード（HPQ）は、昨日発表した決算が事前予想を上回った
ことで13.2％高。またアプライド・マテリアルズ（AMAT）も好決算を発表して上
昇。自動車部品のビステオン（VC）はプルデンシャルが投資判断を引き上げたこと
で買われた。また小売のコールズ（KSS）は2010年までに店舗数を1200店に拡大し、
売上240億ドルを目指すとの計画を発表して上昇した。ダウ構成銘柄では、ヒューレ
ッド・パッカード（HPQ）のほか、ハネウェル（HON）やマクドナルド（MCD）が上
昇。結局ダウは37.26ドル高の10550.71、ナスダックは8.09ポイント高の2145.15で
取引を終了した。デル（DELL）やシスコ（CSCO）など、冴えない決算が続いていた
ハードウェアセクターだが、ヒューレッド・パッカード（HPQ）の好決算を受けてひ
とまず懸念が後退する形となっている。
【経済指標】
米・7月の生産者物価指数
全体：前月比+1.0％（予想+0.5％、6月±0％）前年比+4.6％（予想+3.9％）
コア：前月比+0.4％（予想+0.1％、6月-0.1％）前年比+2.8％（予想+2.4％）
カナダ・6月の卸売売上高：前月比+0.5％（予想+1.0％、5月+0.5％）
米週次の原油在庫報告（〜8/12）
原油在庫：前週比+24万バレル、（前回+280万バレル、予想+125万バレル）
ガソリン在庫：同比-497万バレル、（前回-209万バレル、予想-150万バレル）
蒸留油在庫：同比+119万バレル、（前回+260万バレル、予想+190万バレル）
【要人発言】
グラムリッチ米FRB理事
「連銀のインフレ対策の努力が原油高による消費者物価の急上昇を抑えている」
「赤字の拡大は長期的な経済成長や国民貯蓄率に悪影響を与える事から長期的な問
題である」
「2004年度時点から原油高騰によるインフレや失業率の上昇を予測していたもの
の、悲観的過ぎた」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 109.83 110.01 109.49 109.93
ユーロ・ドル 1.2296 1.2315 1.2261 1.2271
ユーロ・円 135.04 135.20 134.65 134.89
ドル・スイス 1.2609 1.2638 1.2568 1.2620
ポンド・ドル 1.8053 1.8117 1.8045 1.8059
株式市場：
NYダウ 10505.60 10588.93 10503.37 10550.71
ナスダック 2138.76 2153.04 2137.18 2145.15
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.418 4.476
米国債10年物 4.207 4.269
先物市場：
NY金先物 449.2 450.0 443.4 445.2
NY原油先物 65.80 66.60 63.15 63.25
シカゴ日経平均先物 12255 12350 12255 12320
（フィスコ） - 8月18日6時49分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050818-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。