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(回答先: Re: ドイツは真っ当なことをやっていたから資本家やりたい放題の米英と競争できなくなっただけ 投稿者 戦争屋は嫌いだ 日時 2005 年 8 月 13 日 21:07:37)
ドイツ銀行の外貨建て長期優先債務をAApに据置
2004年8月6日
【格付事由】
格付けは、当行が世界最大級の金融グループの一つとしてドイツ・米国を中心とした全世界に強固な営業基盤を有していること、強固な資本構造により比較的良好な財務体質を保持していることを反映している。一方で格付けは、中核事業の一つである投資銀行業務の収益は変動が大きく、改善したとはいえ依然高いコスト構造を有しているなど収益性の低さから制約されている。
1. 当行は、連結ベースの総資産で8,492億ユーロ(2004年6月末、約112.4兆円) とドイツで最大、欧州で第2位、世界でも第5位の銀行である。全世界に1,555の支店網(2004年6月末)を持ち、1,300万人超の顧客基盤を有する世界最大規模に匹敵する金融グループである。当行の事業は総合金融機関として広範なサービスを提供しており、中核事業である「法人顧客対象の投資銀行部門(Corporate and Investment Bank; CIB)」と「個人顧客および資産運用部門(Private Clients and Asset Management (PCAM)」が事業全体を支えている。
2. 2003年の当行純利益は、資産圧縮に伴う業務粗利益の減少にもかかわらず、13.7億ユーロと243.8%の増益を計上し、当行は国内の4大民間銀行において唯一、黒字を計上した。部門別では、「法人顧客対象の投資銀行部門」が景気見通し改善と資本市場の回復を受け、黒字幅を拡大する一方、「個人顧客および資産運用部門」は経費削減にも拘らず、ビジネスボリュームの縮小などから、黒字幅が縮小した。
2003年の増益は、世界的な資本市場の好転を背景にした投資銀行部門の好調に加え、不良債権圧縮に伴う貸倒引当金の減少、人員や店舗数削減などを通じた大胆な経費削減により達成されたものである。2004年上半期の純利益も16.0億ユーロと前期比352.7%の増益となるなど、目下の収益性も改善している。JCRではこうした合理化効果により、当行の収益性は改善傾向にあるとみているものの、トレーディング収益への依存度が高まっていることから、金利変動などの影響を受けやすくなっている点には留意が必要である。
他方、経費率はリストラ推進にかかわる支出増により、2003年には前年の78.8%から81.8%へ僅かに悪化しているなど、その収益性は欧米の大手行のそれらを大きく下回っている。
3. 当行は強固な資本構造により比較的良好な財務体質を維持している。ローン・ポートフォリオは地域的・業種別に分散され、マーケット・リスク管理を始め各種リスク管理も保守的に行われている。また、当行は資産効率化の観点から、非中核事業売却による資産圧縮を進めてきたが、2003年にはグローバル証券管理業務の全てを米State Streetへ、パッシブ運用部門を米Northern Trustに売却、同年1月には国内向け商業不動産金融部門を当行、ドレスナー銀行、コメルツ銀行の3行の合弁で不動産融資専門銀行であるEurohypo AG(当行持分37.7%)へ移管した。
また、不良債権の償却も貸付債権の圧縮を上回るペースで進めたことから、2004年6月末の不良債権比率は4.1%と、ピークであった2002年末の6.3%から改善した。また、2004年6月末のTier1比率は9.4%、BIS基準自己資本比率は13.6%と、国内外の主要行と比しても良好な水準にあり、自己資本の質も高いと判断される。
また、政策保有株式の売却を進めた結果、業績が保有株式の価格動向に左右されにくい体質になったことは評価されるが、保有株式の含み益はほぼ枯渇している。
4. 2005年7月に州立銀行など公的金融機関に対する保証制度の廃止を控え、当行をはじめとする民間銀行は、公平な競争の実現によるホールセールなど収益機会の拡大が期待されている。また、当行の「個人顧客および資産運用部門」における収益性回復が投資銀行業務に比べ相対的に遅れていることから、同部門の強化が課題となっており、独自の業務展開のみならず、他業態を巻き込んだ収益基盤の強化が重要になろう。
【据置】