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民営化問題については、4つの問題点があると考えます。   【郵便局ファンの会】
http://www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/768.html
投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 07 日 11:18:36: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.jpu.or.jp/yusei-mineika/fannokai02.htm
 第1に、政策の優先順位が間違っている点です。
 各種世論調査によると、納税者(国民)は失業問題、雇用の安定、年金、福祉などライフラインやセーフティネットワークに関心があり、ほとんどの国民は郵政民営化について考えていません。

 第2に、首相は物事をきわめて単純化する傾向があります。毎日、首相官邸で記者会見が行われていますが、会見は短時間であり、国民への説明が非民主的であると指摘できます。
 民主的政治とは、国民へ十分に情報提供し、政治家としての説明責任を果たすことなのですが、小泉首相は説明責任(=自分のもっている情報を提供して、相手の納得のいくまで説明し、同意を得ること)を果たしていません。

 第3に、国民に知らされていない、日米政府レベルの秘密や取り決めがあるのではないかと思われる点です。ブッシュ大統領との会談内容は、外務省や官房長官が形式的に説明するだけで、国民に内容を説明していません。つまり、国民から見ると日米会談は疑惑だらけと言わざるを得ません。

 第4に、日米経済摩擦が民営化問題の背景にあると考えられる点です。
 この問題は、1980年代半ばから「日米構造協議」で議論され、具体的に表面化したのは1993年7月の宮沢総理・クリントン大統領の首脳会談でした。
 会談で米国は、「日本の規制が高く、自由な経済活動ができにくい」と指摘し、1994年から「年次改革要望書」を提出しています。
 要望書は「個別産業分野に関して日米の不均衡を撤廃するために、農業、自動車、金融、弁護士業、情報通信などについて審議し、米国資本が自由に参画できるよう求める」との内容になっており、「金融」に郵政行政が含まれるのではないかと考えられます。
 また、当時の郵政大臣が小泉首相だったことも何らかの関連があるのではないかと推測することができます。
 さらに、合衆国通商代表部USTR(=大統領権限の直属機関)は「年次改革要望書」を公開していますが、日本は米国ほど国民に公開していません。

 私は、日本と外国の政治制度の比較を研究している関係で、EU諸国を訪れた経験があります。それらの国の特徴は、国民が「これは良い」と判断したことは、「国の基本方針」として決定していることです。すなわち、一国の政治は何よりも自国の利益のために決められているのです。
 しかし日本では、沖縄の普天間基地ヘリ墜落事故や米軍との事件等を見ても、米国に気後れし、自国の利益が後回しになっています。
 その典型が日米構造協議における「外交交渉の弱腰」であり、このことが国民に降りかかっていることを忘れてはなりません。  

   

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   伝統のある公的機関としての郵便局も、国際化により、民間や同種同業との競争が必然化されます。そのため、個の枠内に埋没してしまうのではなく、郵便局業務も新しい視点で改革を進めていかなければならないと思います。

 私たち「郵便局ファンの会」は、郵便局を利用するだけでなく、郵便局を良い方向に変えていくために「良い意味の圧力団体」として機能していくべきではないかと考えます。
 地方でも都市部においても、地域の末端まで結びつく、より温かい郵便局になってもらいたいと思います。
 

   

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   私が小学校へ入るころから、、両親が私の名前の口座をつくってくれ、暮れやお盆に親戚からもらったお小遣いや、親から毎月もらったお小遣いの5割くらいを近くの郵便局に貯金していました。
 当時、貯金して大きなスタンプを押してもらうことがとても楽しみで、通い続ける間に有名となり、局長から「今月は遅いね」とか、「今度は、いつ来るんだい?」と気軽に声をかけてもらったことが想い出に残っています。

 このような庶民生活に直結した、こころ豊かになる金融機関が郵便局であり、日本の伝統・文化のなかでできた金融機関ではないかと思っています。
 

   

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   どの国においても、国営・公営・民間の各機関がうまく機能することによって、活動しています。
 私たちはこれまで、利息を考えながら、老後の生活資金や虎の子のお金を郵便局や銀行に預けてきました。
 しかし、経済構造の抜本的改革をせずに、目先の対症療法をしてきたことが銀行の離合集散につながり、結果的に銀行に貯蓄を預けにくくなりました。庶民の最後の頼みとなったのが、公的機関である郵便局ではないでしょうか。

 小泉首相の「民でできるものは民に」という単純化は、ファシズムにもつながります。複雑な組織の方が壊れにくいのです。
 まず、利用者の社会福祉の視点で活用することに目を向けるべきです。新聞社が読者の会を作っているように、郵便局が地域の利用者の声を集めるミーティングなどを考えていった方がよいでしょう。

 「郵便局ファンの会」は、与党・野党とくらべると、反対は反対でも、政治レベルとお茶の間レベルとしての違いがあります。 
 日常生活に直結し、地域末端にまで至っている郵便局を「みんなが茶の間で語れる」身近な組織となるように地域に訴え、育てていきたいと考えています。
 
 
インタビュー:2004年10月27日(明治大学にて)
 
プロフィール
岡野加穂留(おかのかおる)

1929年 東京生まれ
明治大学名誉教授、明治大学元学長
明治大学元ラグビー部長
臨床政治学者

専攻:比較政治学
趣味:剣道、スキー、山歩き、能楽・歌舞伎・文楽鑑賞
著書:『明日の天気は変えられないが
     明日の政治は変えられる』、ほか多数


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