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 元郵政大臣小泉純一郎氏   「この問題も時期が来れば、いずれ全部賛成に回ると思います。」  1995/10/15
http://www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/750.html
投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 06 日 22:53:52: HWYlsG4gs5FRk
 

(回答先: 【郵政法案】意地の張り合いの中で全てを失うな 投稿者 蚊取犬 日時 2005 年 8 月 06 日 18:27:55)


 民間金融機関が不良債権処理で苦吟し続ける一方で、肥大化する郵便貯金をはじめ公的金融のあり方が改めて問われている。自由化時代にふさわしい新たな金融システムの中で、郵貯あるいは財政投融資計画はどうあるべきか。自民党総裁選挙で郵政事業民営化を訴えた小泉純一郎元郵政相に火ぶたを切ってもらった。
 ――自民党総裁選挙で郵政事業民営化論を訴えた手ごたえはどうでしたか。
 今回、推薦人が三十人集まったのは大成果です。今までの自民党政治では考えられなかった。一つの壁を打ち破った、タブーを天下の前で議論したという感じです。国民の方からの激励もたくさん頂いた。まだ永田町の中では私は少数意見だが、国民全体の中では必ずしもそうではない、逆にこちらが多数意見だ、と確信させるに足る反響でした。
 私の言っているのは郵政の問題だけではないんです。財政投融資制度全体にかかってくるし、省庁再編成にも、九十二の特殊法人全部にも、財政構造の大転換にもつながってくる。日本の経済構造全体の革命的変化をもたらす元の元を言っているんです。その一番の根本的な切り口が郵政事業の民営化です。
 ――郵貯だけでなく、郵政三事業全体の民営化を提唱されていますね。
 貯金だけでなく、簡易保険も郵便も、そもそも民営化できるのに、そうしないところに問題があります。「官業は民業の補完」というけれども、これからはむしろ、民間が官業の分野に進出するような環境を整えないと、役所の仕事や役人の数を減らせない。ある時期においては、民間が出来ないところを官がやらなければだめだが、民間が育てば手を引くのが官のはず。
 例えば、阪神大震災でも、民間ボランティアが従来なら役所の分野だった仕事を随分やりました。そういうことを考えた場合、あらゆる分野に民間の力をどう生かすか、公共的な分野へ民間企業にどう入ってもらうかを考えることが重要です。郵貯や簡保の分野はすでに民間がやっています。郵便事業でも小包は、宅配便がやっています。封書やハガキは「信書の秘密」を理由に民間にやらせないというが、小包だって中身は大事。それを民間は過疎地を含めて立派にこなしており、封書やハガキも配達出来ると言うのに、官は信用しない。「大事な仕事」は官がやり、そうでないものは民間でという官尊民卑の思想が抜け切れていない典型的な例です。
 ――郵政事業の民営化を考える時、三事業を一体でみるのでしょうか。
 それはまさに民間人なり、役人なり、学者なりの知恵を借りればいい。政治がやることはまず(民営化の)方針を出すことです。地域分割となった場合、過疎地、離島は残そうという案も出ると思います。あるいは民間で過疎地までやる場合、そこでは法人税をとらないなどの政策的な優遇も出てこよう。基本は民営化するということで、その方法についての知恵は民間に出させればいい。
 財投制度にとって郵貯や簡保の資金が(民間になって)なくなれば、あとは年金資金しかありません。となると、本当に必要なモノにしか財投の資金は使えない構造にならざるを得ません。ここが行政改革の一番大事なところです。財投が肥大化したのは集まり過ぎて、必要のないところにまでおカネが行っているからです。
 ――財政と財投の関係を見直すわけですね。
 財投の資金は有償資金です。それが不良債権を抱え込んだからと言って、国民が税負担をしてくれますか。そう出来ないからツケを先に回す。これを繰り返していると、後の世代はどうするのか。例えば、二十六兆九千億円の債務を抱える国鉄清算事業団をどうするのか。政治も今までは、あれも使え、これも使えと言ってきたが、どれが本当に必要かという点では逃げてきたんです。厳しいことは大蔵省にやらせようとね。政治が責任をもってやらないと、一番迷惑がかかるのは税を負担する一般国民なのです。
 この点を根本的に見直すことが、経済財政構造の見直しにつながり、省庁再編成にもつながります。「小泉は銀行の味方」だとか「大蔵省の味方」というのは論外。矮(わい)小化する議論です。大蔵省にとっても財投が縮小すれば、財政政策のほうも思い切って変えざるを得なくなる。特殊法人も半分以上がなくなるならば、天下り先も減ってしまう。それは全省庁が嫌がることなのです。
 ――民間金融機関の中には郵貯民営化が具体化すると、競争激化につながることを懸念する声もあります。
 私に対する最初の誤解は、「小泉は郵便局をなくせと言っている」というものです。そうじゃない。国鉄を民営化して鉄道がなくなったのか、NTTを民営化して電話がなくなったのか、あるいは情報産業がなくなったのか。そうではないでしょう。同じように私は郵政事業をなくせと言っているのではなく、役人ではない民間人に経営をまかせよ、と言っているのです。
 民間金融機関が(郵貯民営化を)嫌がるのは当然でしょうね。新たに競争が入るのだから。郵貯の預入限度額(現在一人一千万円まで)や簡保の保険金額(同千三百万円まで)も撤廃される。民間にとって脅威です。これは、やる気のある郵便局にとってはいいことです。これまで規制されていたのが自由になるわけですからね。実際、特定郵便局の人などからも民営化賛成の声が届いています。
 ――民営化の前に、郵貯の公的な枠組みを維持しながら、規模を縮小する方向に持っていっては、との議論もあります。
 大蔵省が一番望む案でしょうが、それでは既存の勢力を温存するのが関の山で、抜本改革につながりません。既得権をどう維持しようかという勢力に使われるだけです。国民にもどこまでが必要なのかということが説明しにくいでしょう。そうした案の根底には、民間は信用できないという不信感があるということだと思います。
 私はもっと民間を信頼したほうがいいと思います。民間が、競争によって公共的な責任を自覚する方向に持っていったほうがはるかに効率的です。金融機関の内部の情報公開を促進し、預けるほうも、貸すほうも、自己責任をもっと明確に打ち出すべきです。
 ――現実に改革に着手するまでにはハードルはまだ高そうですが。
 難しい。しかし、日本というのは、行き詰まればパッと変わります。借金国家になっていいのか、重税国家になっていいのかという問題です。例えば幕末に、当初開国を唱えていた人たちは、全部首を切られました。それで尊皇攘夷の動きが幕府を倒しました。しかし、倒した途端、尊皇攘夷を言ってきた人たちが開国し、明治維新が実現しました。第二次大戦も鬼畜米英と言っていた人たちが敗戦になった途端、親米になりました。小選挙区制では社公民全部が当初は反対でした。それが細川政権下で全部賛成に回りました。
 この問題も時期が来れば、いずれ全部賛成に回ると思います。 (聞き手は編集委員 藤井良広)

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