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８月１日（ブルームバーグ）：米証券大手メリルリンチのデービッド・ローゼンバーグ氏やモルガン・スタンレーのスティーブン・ローチ氏など、ウォール街のエコノミストの間では、グリーンスパン米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長は、米住宅市場の過熱を懸念せず、追加利上げによって市場を沈静化させようとしないとして、心配する声が広がっている。
米連邦準備制度は行動する必要があるとエコノミストらが指摘する理由は単純だ。米国が不動産や建設事業に強く依存して経済成長や雇用を促進しているため、その結果として起こる厳しい調整が経済全体を落ち込ませる可能性があるためだ。
ローゼンバーグ氏は先週のインタビューで、「今、行動して小指を切るにとどまるか、先送りして手を切り落としてしまうかということだ。いずれにせよ痛みを伴うが、今行動して小指を無くしても、まだ９本の指でキーボードをたたくことはできる」と語った。
グリーンスパン議長は７月21日、住宅価格は米国の一部地域で「維持できない」可能性もあると述べたが、同議長が座長を務めた６月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）では「不適切な価格形成」に対応するために政策金利を利用しない方針を決めたことが、７月21日に公表された議事録で判明した。
ローゼンバーグ氏は、米国の６割は住宅バブルに直面しているとみており、「米連邦準備制度は、ある意味で進退窮まっている。住宅市場はほぼすべてのものを動かす巨大なけん引力になっている」と指摘した。同氏は、2001年のリセッション（景気後退）以降生み出された230万人の雇用の約４割は住宅価格上昇のおかげだとみる。
リーマン・ブラザーズも先週、顧客向けリポートで、住宅関連産業が３月までの４四半期の米経済成長の約３分の１強に寄与したと指摘した。リーマンのシニアエコノミスト、ドリュー・マタス氏はインタビューで、住宅ブームが終われば米経済成長率は「潜在成長率を大きく下回る」との見方を示した。
グリーンスパン議長は７月20日と21日の議会証言で、「一部地域の住宅市場ではフロス（あぶく）」がみられるとし、５月と同様の表現を繰り返した。住宅価格上昇に依存して住宅ローンを抱える個人には「大きな損害をもたらす」リスクがあるものの、地域的な価格下落が米経済全体に打撃を与える可能性は低いとの認識を示した。
ＵＢＳセキュリティーズのチーフエコノミスト、モーリー・ハリス氏は、「米金融当局による予防的措置が必要になるリスクは十分にある」と指摘し、市場の力によって住宅ローン金利が最大0.75ポイント上昇するまで、米連邦準備制度は利上げを継続すべきだとの見解を示した。ローゼンバーグ氏も住宅価格の上昇率が長期平均まで減速するよう、当局は少なくともあと３回利上げが必要になるとの見方を示し、年末の政策金利予想を先週0.5ポイント引き上げ４％とした。
原題：Greenspan Housing View Seen Hazardous by Wall Street Economist（抜粋） {NXTW NSN IKIZ7Z0UQVI9
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先：
東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo
kshugo@bloomberg.net Editor:Kobari
記事に関する記者への問い合わせ先：
ニューヨーク Andrew Ward Award1@bloomberg.net
ワシントン Alison Fitzgerald Afitzgerald2@bloomberg.net
更新日時 : 2005/08/01 14:39 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=ap8oHx6F8pZI&refer=jp_us
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。