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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/p20050609k0000e040086000c.html
米国産牛肉:禁輸から1年半、卸値5倍 牛タン店もう限界
BSE(牛海綿状脳症)による米国産牛肉の禁輸から約1年半。政府は「生後20カ月以下の牛」を条件にした輸入再開を食品安全委員会に諮問し、早ければ9月ごろの輸入再開も見込まれる。品薄による打撃が特に深刻な牛タン関連業界の期待は大きいが、専門店からは「もう限界」との悲鳴が聞かれる。【高橋昌紀】
◆代替メニューで
東京都内の牛タン専門店では今春以降、値上げに踏み切る店が増えている。サラリーマンでにぎわうJR新橋駅近くの「利助 烏森店」は、4月から牛タン定食1000円を1250円に値上げした。「お客さんの不満の声もあるが、ほかのメニューの値下げなどで何とか理解してもらっている」という。18店舗を展開する「新宿・ねぎし」も、03年12月の禁輸に合わせて997円から1197円に値上げした牛タン定食を、今年3月に1680円にした。ランチとしてはためらわれる価格だけに、豚や鶏を使った900円前後の定食も用意している。担当者は「代替メニューで苦境を乗り切りたい」と話す。
一方、都内に4店舗ある「杜の都 太助」では、定食の価格1260円を死守しているものの、昨年12月からは1皿4枚(120グラム)だった牛タンが3枚(90グラム)に。「輸入再開が認められなければ、業態を変えるしかない」と深刻な台所事情を明かす。
◆本場も大打撃
業界を襲っているのは、牛タンの卸価格の急騰だ。仙台市の地元専門店15チェーンでつくる「仙台牛たん振興会」(大川原潔会長)によると、禁輸前の03年末の米国産は1キロ約1000円。禁輸後、代替品となっている豪州、ニュージーランド産は絶対量が不足し、最近は同約5000円に跳ね上がっている。牛タンは食用部分が限られ、1キロのうち半分ほどしか商品にならない。同市内でも多くの店が大幅値上げを避けられず、「最盛期にあった約100店のうち6割以上が店をたたんだ。カツ丼やラーメンなどでしのごうとする店もあるが厳しい」と同会。穀物飼料の米国産に対し牧草で育てる豪州、ニュージーランド産は肉質が硬いという欠点もある。
◆「時期公表を」
政府は米国産について、20カ月以下に限定▽肉質に基づく月齢判別法の採用−−などを条件に、9月ごろの輸入再開を目指す。しかし、安全性を疑問視する消費者団体や研究者、国内の酪農家などが反対している。
一方で、外食業界にも政府の方針は不十分という主張がある。日本フードサービス協会は「30カ月以下の牛も認めないと量的に不足する。安全性については産地表示を明確にし、消費者の判断に任せるべきだ」と指摘。ある業界関係者は「値上がりを見込んで牛タンをため込んでいる卸業者もいるらしい。政府には、輸入再開の時期だけでも公表してほしい。在庫が放出されれば、多くの店が救われる」と訴えている。
毎日新聞 2005年6月9日 15時06分