★阿修羅♪ > 国家破産41 > 652.html
 ★阿修羅♪
人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク 購買力平価で比較すると、人民元はドルより40%も低く設定されている
http://www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/652.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 7 月 27 日 18:21:49: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu99.htm
--------------------------------------------------------------------------------
人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク 購買力平価で
比較すると、人民元はドルより40%も低く設定されている

2005年7月26日 火曜日

◆購買力平価で見る人民元の実力 2003年3月20日 関志雄
http://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/ssqs/030320ssqs.htm

最近、塩川財務大臣をはじめ日本の政策当局者は、中国に対して人民元の切り上げを求めている。その理由の一つとして、現在の人民元のレートがその購買力平価(Purchasing Power Parity, PPP)から大きく乖離していることに象徴されるように、中国経済の真の実力を反映していないということが挙げられる。では、PPPから見た人民元の理論値はどのぐらいで、現在の水準はそれとどの程度乖離しているのであろうか。また、PPPを基準にすると、中国のGDPはどのぐらいの規模になっているのであろうか。

PPPは「一物一価の法則」が成立するように為替レートが決まる、または決められるべきだという考え方である。財が一つしかない世界ではその計算は極めて単純である。実際、毎年4月にイギリスの『エコノミスト』誌がビックマックの価格に基づいて各国通貨の購買力平価を計算している。例えば、日本ではビックマックの値段が130円、米国では1ドルと仮定すると、円の購買力平価は1ドル=130円となる。名目上の為替レートが1ドル=120円であれば、購買力平価と比べて10円の割高となる。

しかし実際には、財の数は万単位にも上り、また直接国際競争にさらされないサービスも多く存在するため、計算の対象をどこまで広げるかによってPPPの理論値は大きく違ってくる。最もよく引用される世界銀行の『世界開発報告』(2002年版)の推計によると、1ドル=8.28元という現行の為替レート換算では、中国の物価水準は米国の21%にしか過ぎず、PPPが成立するためには人民元を1ドル=1.74元(8.28×0.21)まで切り上げなければならない。言い換えれば、中国の場合、米国の物価を基準とすれば、PPPの均衡レートは1ドル=1.74元になり、実際のレートとの間に4.7倍ものギャップが生じていることになるのである。

しかし、中国に限らず所得水準の低い発展途上国であるほど、自国の為替レートがPPPよりずっと割安であるという現象が観測されている。これは、工業製品などの貿易財に関しては一物一価の法則が概ね成立しても、非貿易財である多くのサービスに関しては、賃金水準の格差を反映して、低所得国であるほど安いというBalassa-Samuelsonの法則に沿ったものである。これによると、実際の為替レートとそのPPPの理論値からの乖離幅は、経済が発展すればするほど小さくなり、先進国のレベルに到達すれば大体PPPに見合うレベルまで下がることになる(図)。

したがって、人民元の名目レートのPPP基準の理論値からの乖離は、発展段階に比例する部分と、中国独自の要因を反映する部分に分解することができる。実際、中国と同じ発展段階にある国々(1人当たりGDPが840ドル)の平均で見ると、物価水準は米国の31%に当たり、実際の為替レートとPPPの理論値との乖離は3.2倍(1/0.31)である。これと比べても、中国の物価はさらに32%(1-0.21/0.31)ほど安くなっている。つまり、米国とではなく、同じ発展段階にある発展途上国の間でPPPが成立するためには、人民元の理論値は1ドル=8.28元×(1−0.32)=5.63元でなければならない。

PPPという概念は、国内総生産(GDP)の国際比較においてよく使われている。名目の為替レートに基づく計算では、中国のGDPは1.06兆ドルに留まり、日本の4.34兆ドルには遠く及ばないが、PPP基準では中国が4.97兆ドル、日本が3.35兆ドルとなり、すでに逆転しているのである(2000年現在、世界銀行2002年『世界開発年報』による)。しかし、中国の人口が日本の10倍であることを考えれば、一人当たりGDPで見て、中国が3,940ドルであるのに対し、日本が26,460ドルと、依然として大きくリードしていることは言うまでもない。


◆人民元切り上げ問題がはらむ中国リスク 5月16日 アサヒコム
http://www.asahi.com/business/aera/TKY200505170152.html

 中国バブルは崩壊するか?

 「10%程度の人民元引き上げでは市場に打ち止め感は出ない」と先進国の市場関係者はみるが、日本経済にはどう影響するだろうか。

 一般的には競争上有利と見られがちだが、みずほ総研は昨年行った調査で「30%切り上がっても日本のGDP押し上げ効果は0.3%程度」とみる。日本の景気回復を支える中国の高成長が減速するリスクのほうが怖い、という。

 中国製品と市場でぶつかり合う企業はさほど多くない。価格競争を強いられている繊維、家電、機械部品などは、すでに多くが中国に進出。日本企業にとって中国は、生産価格を下げるだけでなく、日米摩擦を回避する迂回の生産拠点にもなっている。

 元の引き上げは、輸出企業にはコスト増となる。末端価格に転嫁できなければ採算は厳しくなる。スーパーやコンビニ、飲食チェーンなどサービス業や内需を見込んで進出した自動車産業などには追い風だ。輸入原材料や部品の価格が下がる。しかし自動車メーカーは、「鉄鋼や銅など原材料価格が急上昇している。少しばかり元が上がっても焼け石に水」という。

 中国製品が値上がりするなど、消費者にとっても多少影響はあるだろうが、相殺すれば日本にとってさほど大きな影響はない。

 ただし、それは通貨調整が中国経済に衝撃を与えなかった場合の話だ。問題はリスク・シナリオが現実化した時だ。都市の不動産バブル、国有企業の赤字、銀行の不良債権など中国には波乱要因が溜たまっている。海外からの投資と高成長が問題の噴出に蓋をしてきた。マネーの逆流が経済の屋台骨を揺るがすことはアジア通貨危機でも経験した。

 中国には約1万6000の企業が日本から進出。「中国ラッシュ」に見えるが、中国の人は「日本企業は慎重すぎる」という。中国の統計では04年の投資額(実行ベース)で日本は4番目。1位香港、2位バージン諸島(実質は台湾)、3位韓国。5位は米国だが投資件数では日本を上回り、「台湾経由で投資している企業がかなりあり、実質的に米国は日本より多い」と言われる。

 日本が慎重になるのは、中国リスクが無視できないからだ。バブル崩壊から、企業のマネジメントまでさまざまな不確定要因がある。「法治より人治」といわれる中国では、危ない時こそ人脈がものをいう。統制経済は行政の裁量が働きやすい。助ける企業と見捨てる企業を当局が選別することもありうる。「反日」が潜在する中国で日本企業は有利な扱いを受けるだろうか。華人ネットワークがある台湾や香港、いざとなったら政府がバックアップする米国のような安全装置が日本企業にはない。

 元がドルと固定され、為替リスクがないことが外国から資金流入を促してきた。人民元の金利がドルより高ければ好都合だ。元の価値が上昇することが確実なら元投資は得だ。国有企業などは香港でドル資金を調達し、持ち込んで元に替える。そうして集めた余剰資金がビルや土地に投資され各地で不動産バブルを起こしている。

 過熱経済を心配する当局は金融引き締めに躍起だが、効果が出ないのは、当局の目をかいくぐって流れ込む資金があるからだ。統計で説明がつかないこの種の資金は年100億ドルを超える。密貿易や、海外の子会社との経理操作で投機資金を動かすことはたやすい。

 統制はモノやカネが足らない所で有効だが、有り余る経済ではコントロールは難しい。目を光らせても、マネーの流動を止められない。日本のバブル崩壊が、不動産融資の総量規制をきっかけに起きたように、当局が強権発動して蛇口を閉めにかかると、マネーの逆流が起こる。投機資金は臆病だ。危ないと見ると途端にとまり、逃げ出す。

 不動産価格の高騰は上海や広州(クワンチョウ)など沿岸部にとどまらず、重慶(チョンチン)、成都(チョントゥー)、西安(シーアン)など地方都市に広がっている。赤字の国営企業まで子会社を通じて投機に走っているといわれる。バブルが弾ければ企業倒産→銀行破綻→経済失速→失業の増大という負の連鎖が始まる。

 中国バブルの崩壊は、きっかけが予測もつかない。元切り上げに当局が慎重なのも、引き金になることを恐れているからだ。

 13億人の中国が混乱すれば世界が揺さぶられる。最大の問題は失業だろう。高成長の現在でさえ3億5000万人の「不完全就労」がある、と推計される。高成長が挫折すれば、億単位での失業の増加も予想される。職を失った人が周辺のアジア諸国に流出し、人口流動に拍車がかかる。

 08年の北京五輪、10年の上海万博までは成長は持続する、と見られているが希望的観測の域をでない。桁外れに大きな隣国の混乱は他人事では済まない。

(編集委員 山田厚史)

(私のコメント)
私は為替の専門家ではないので人民元がどうなるか、日本円がどうなるかは予想する事は無理なのですが、専門家といわれる解説も横並びでこれでいいのかと考えてしまう。中国は日本の失敗をよく見ているから85年のプラザ合意のような真似はしないだろう。日本政府や大蔵官僚たちはアメリカの圧力を受けると腰砕けになって言いなりになりますが、中国は決してアメリカの言いなりにはならない。

中国にしてもアメリカへの貿易依存度は日本以上なのですが、元の切り上げ圧力に対しては頑強に抵抗している。それは日本がアメリカの言いなりになって円高を容認して経済をガタガタにしてしまった前例を見ているからだ。貿易収支が円高を招くのはしかたがないにしてもプラザ合意のような240円を一気に120円まで持っていってしまったのは経済破壊行為だ。

ではどうすればよかったのかと言うと中国のように外貨の保有を通貨バスケット制にすればアメリカの投機的な円買いをかわす事が出来る。ドルの割合を決めておけば他の外貨にヘッジする事が出来るからだ。もちろんアメリカからの圧力で日本はそんなことは出来ない。しかしこれだけ主要国が通貨バスケット制を導入すれば日本も導入できるのではないかと思う。

これから元切り上げをめぐって米中間で投機合戦が行われると思いますが、日本は真っ正直にドルで外貨を保有しているから為替投機筋のおもちゃにされますが、中国は元買いの投機が入ればユーロや円にヘッジしてしまえばドルの独歩安になる。これはアメリカにとってもマイナスだから露骨な事は出来ないだろう。

このように通貨が強い時は対抗手段があるのですが日本はそうはせずドル残高を積み上げた。それがまたさらに円高を招く原因となっている。このように日本と中国は紙切れに過ぎないドル札を溜め込んでいるのですが、日中が共同戦線を作ってアメリカがドル安を仕掛けてきたら米国債を売り払ってしまうぞと脅してみたらどうだろう。中国ならそうしかねない。

アメリカは元の切り上げをきっかけに中国のバブルを崩壊させて、中国をIMFの管理下において東南アジアや韓国のように銀行をはじめとして主要産業を買い占めるつもりなのだろうか。参考になりそうなのはソ連の崩壊ですが、せっかく国際金融資本が買い占めた石油産業はプーチンに奪い返された。だから中国は東南アジアや韓国のようなわけには中国はいかないだろう。中国やロシアは資本主義の論理が通用しない。

戦略的に見て中国を改革解放で経済を発展させて民主化を進めるというのは幻想であり、アメリカの戦略的なミスだ。資本と技術を持ち込んでもある程度まで来ると内部矛盾が露呈して内乱が起きて全てがオジャンになるだろう。日本は歴史的にそれを知っているから中国への進出は少ない。

中国は海外から資本が流入している間は何とか持つだろう。しかし資本が逃げ始めた時に中国がどうなるかはわからないが、それはすでに始まっているのかもしれない。中国の株式相場を見ればよくわかる。株式こそは経済の先行指標だから中国経済の先行きは暗いと言う事だ。GDPは過熱気味ですが不動産投機のようなバブルによるGDPの嵩上げが起きている。

◆中国、上半期9・5%成長 高水準維持、投資がけん引
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050720-00000084-kyodo-bus_all

【北京20日共同】中国国家統計局は20日、今年上半期(1−6月)の国内総生産(GDP)実質成長率が前年同期比で9・5%に上ったと発表した。4−6月期も同水準の9・5%成長で、1−3月期の伸び率を0・1ポイント上回り、8・四半期続けて9%台を記録した。政府の引き締め策にもかかわらず、投資と輸出が成長をけん引、景気過熱懸念は消えておらず、持続的な安定成長に向けた「軟着陸」は依然難しい情勢だ。
 中国では、投資に比べ消費の伸びが鈍いことが持続的成長確保のうえで課題になっているが、上半期の固定資産投資は前年同期比25・4%増で、昨年年間の前年比25・8%増とほぼ同水準。石炭関連が81・7%、石油・天然ガス関連が36・2%伸びるなどエネルギー関連の伸びが目立ったが、都市部の不動産投資も23・5%増えた。
(共同通信) - 7月20日12時50分更新


 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 国家破産41掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。