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7月25日(ブルームバーグ):米連邦準備制度の当局者らは、堅調な成長の勢いが失われることよりも、これから年末にかけて米国のインフレが加速することの方をはるかに懸念している。
景気拡大が労働市場と製品市場の双方で余剰を縮小させた現在、当局者らはインフレ加速の芽がインフレ期待を押し上げ、これを反転させるためには経済への負担となるほどの大きな引き締めが必要となることを懸念している。
グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が先週の議会証言で、いつになく単刀直入な物言いで利上げ継続を示唆したのはこのためだ。
議長は「米経済に対するわれわれの基本的な見通しは、成長が続きインフレ圧力は引き続き抑制されるというものだ。当局は、このような結果をもたらすには、緩和的政策の解消を継続することが必要だと考えている」と語った。
インフレに対する当局者らの懸念の一端は、21日に公表された6月30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に記載されている個々のメンバーの経済見通しに表れている。これは、グリーンスパン議長が先週議会で説明した金融当局の半期金融政策報告にも含まれている。これらの見通しを見ると、過去1年で2.25ポイントの利上げにもかかわらず、当局者の大半が緩やかなインフレ加速を予想していることが分かる。
当局者の多くは、個人消費支出(PCE)価格指数のコアが2005年、1.75 −2%上昇と、5月までの1年間の1.6%上昇から加速すると予想している。インフレの横ばいを予想する声も1つか2つある一方で、2006年は2.5%のインフレとの悲観的な予想もあった。
FOMC議事録には、インフレが短期的に加速した後で2006年には落ち着くとの見通しも記されている。インフレ見通しがさまざまなことを反映し、議事録では当局の見方を「まだら模様」としている。
怖いのはインフレ期待
しかし、真に懸念されるのは、インフレがたとえ一時的にせよ加速した場合にインフレ期待が高まることだ。
議事録は、資源の余剰が縮小しインフレが幾分高まりつつある現段階において、議決権を持つFOMCメンバーは一段のインフレ加速の兆候を特に警戒する必要があるとした上で、「そのようなインフレ加速はインフレ期待を高進させる恐れがあり、これを反転させるコストは高い」と述べている。
グリーンスパン議長は議会証言で、インフレ懸念の理由をエネルギー価格上昇と生産性の伸び鈍化、単位労働コストの上昇と説明した。
追加データ
同議長はインフレの重要要因の1つである単位労働コストについては、相当の不明な点があると述べた。29日に米商務省が発表する国内総生産(GDP)統計の修正で追加情報が組み込まれることによって、不明な点のいくつかが明確になるかもしれない。商務省は過去にさかのぼって統計を修正するほか、2005 年第2四半期(4−6月)GDPの速報値も発表する。
しかし、どのような内容にせよ、29日に明らかになる追加データによって当局者のインフレ懸念が消え去ることはないだろう。景気が力強い拡大を続けている限り、インフレ警戒を怠ることのツケは大き過ぎるからだ。
(ジョン・ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Fed Is More Concerned About Inflation Than Growth: John M. Berry (抜粋) {NXTW NSN IK60GD07SXKX 更新日時 : 2005/07/25 13:36 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html