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(回答先: 世界経済へ影響不透明 元切り上げ 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 22 日 06:18:42)
早くも再切り上げ“圧力”
中国・人民元
中国が意表を突いて実施した人民元切り上げ。切り上げ幅が2%程度と小さいこともあり、日本をはじめ世界経済に与える影響は軽微にとどまるとの観測が強い。だが、これで終わるとの見方は少なく、この先中国が人民元を自由化するまで二段階、三段階の切り上げもあり得る。中国発の“激震”が日本や世界経済へどう波及するのか、探った。 (経済部・人民元取材班)
■まだ終わらず
日本企業は電機メーカーを中心にこれまで多数進出、現地生産した製品を日本に輸出している。一部のアパレル企業が中国の安い人件費を生かして日本に輸出し、大きな利益を得るビジネスモデルを確立して急成長。大手スーパーでは安い中国産の野菜が並び、百円ショップも繁盛している。
人民元の切り上げで、一元の一ドルに対する価値が上がる。これまで一ドル以上の価値がある商品を中国から一ドルより安い値段で買えていた“利点”がなくなる。日本向け製品を中国で作っている日本企業にとっては、利幅が縮小することになり、野菜類も価格が上がる可能性がある。
逆に、中国に輸出している鉄鋼メーカーなどは、元の価値が上がることで、輸出量が増えると期待する。これまで中国産に押されてきた日本の農業や繊維業界も中国製品に対する価格面での対抗力を高めることが可能。総じて人民元の切り上げを評価する声が強い。
問題は、切り上げがこれで止まるかどうかだ。人民元は50%程度割安とみられており、追加切り上げ観測は市場で必ず出てくる。中国が国内経済の過熱で再切り上げを余儀なくされる事態になれば、中国経済が急減速し、世界経済に暗い影を落とすのは間違いない。
野村証券金融経済研究所の木内登英シニアエコノミストは、今回の人民元切り上げを受け、中国の経済成長率が今年は約0・5%低下すると試算。日本の中国向け輸出も約1・5%減る可能性があるとみている。
■為替介入も
二十一日のニューヨーク、ロンドン市場では円がドルに対して急伸した。
欧米の一部投機筋が、円と元を同じアジア通貨として、一緒にとらえる動きを見込んだとみられる。
国際金融市場や日米欧の先進国は、中国に対し一段の為替の弾力化を求めるのは確実。国際金融筋は「一度切り上げれば、自由化まで国際的な圧力は続く」とみる。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「中国がドルとの固定相場から、通貨バスケット方式を採用したことで、影響が見極めにくくなった」と先行きの不透明さを強調する。
日本政府は海外市場の円高を「一時的な動き」とみているものの、投機的な動きで極端な円高ドル安になれば、昨年三月以来実施していない為替介入に踏み切ることもありそうだ。
■とりあえずは
経済界の多くは切り上げを中国の「パフォーマンス」と見ている。世界貿易機関(WTO)に加盟以来、中国は知的財産や税制面などで、世界的なルールを守ろうとしてきただけに、日立製作所の庄山悦彦社長は「2%という数字は『とりあえず改革します』ということを世界に示すためのパフォーマンスにすぎない」と断言。
住友商事の宮原賢次会長も「人民元改革の形をちょっとつけたという感じ。今後さらなる切り上げの可能性も感じられ、もう少し様子をみないと何とも言えないが、現時点では影響はない」と冷静にみている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050722/mng_____kakushin000.shtml