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労働力人口、10年後410万人減も 厚労省研究会推計
2005年07月13日21時22分
少子化が進み、出産後の女性の職場復帰が難しい現状がこのまま続いて、国が新たな対策をとらない場合、2015年の労働力人口は現状(04年、6642万人)より約410万人減るとの推計が13日、厚生労働省の研究会の報告で明らかになった。経済成長率も年率0.7%程度に押し下げるとしている。研究会は対策として、高齢者や女性の再雇用などの積極的な支援策を提言している。
まとめたのは、厚労省の雇用政策研究会(座長=小野旭労働政策研究・研修機構理事長)。経済、労働分野の学識経験者で構成している。07年に人口が減少に転じ、約700万人の団塊世代が定年を迎える今後10年の社会の変化をとらえ、取り組むべき課題をまとめた。
15歳以上で働いているか、職探しをしている人を示す労働力人口は04年は6642万人。研究会ではこの数が10年後には6234万人まで減るとした。世代別にみると、15〜29歳の若年層は、少子化や働く意欲に欠けるニートの増大で301万人の減、30〜59歳の層では人口減に加え、仕事と育児の両立に難しさを感じて出産を機に退職する女性が多い現状などから、224万人が減るとした。一方、高齢化で60歳以上の労働者は118万人増えるとみている。
こうした労働力の減少と、個々の能力や意欲を生かしづらい状況が続けば、労働生産性も低下するとし、経済成長率は99〜04年の過去6年間での年率1.3%の半分の伸びにとどまり、04〜15年で実質年率0.7%程度と見込んでいる。
さらに2030年では、労働力人口は04年比で約1050万人の減、15〜30年の経済成長率は年率0.6%程度とし、経済の停滞への懸念を指摘している。
報告書ではこうした事態を避けるため、若者や女性、高齢者などへの今後10年間に取り組むべき政策を提言している。
意欲がある限り働き続けられるよう、60歳代後半層への雇用・就業支援の検討、出産・子育てで離職した人への再就職支援、若者には新卒時以外にも採用される機会を設けることなどを求めた。
これらの対策が実を結べば、04年比での15年の労働力人口は約110万人、30年は約530万人減にとどまるとしている。
厚労省は02年にも、雇用対策を講じた場合の推計値をまとめ、15年は約6600万人と試算していた。
労働力人口の減少について、日本経団連は、2025年度までの労働力人口の減少が潜在成長率を押し下げる圧力は年平均0.2%程度と推計しており、技術革新を進めれば克服できると昨年4月の提言でまとめている。
一方、連合総合生活開発研究所は、人口の減少と少子化社会への対応を議論する研究会を今年立ち上げ、議論を進めている。研究会には、マクロ経済学や人口学の研究者約10人が参加。勤労者や生活者の視点で、人口減などに対する有効な施策を探り、来秋にも提言をまとめる方針だ。
◇ ◇
■今後10年間に取り組むべき政策への提言案
・新卒採用に限定されない採用機会の拡大
・フリーターの正社員への登用や常用雇用化
・出産・育児による離職者への再就職支援強化
・60歳代後半層への雇用・就業支援の検討
・障害者の障害の種類や程度に応じたきめ細かな自立支援
・地方へ移住を希望する退職者が住みやすい環境づくり
・若年・壮年・高齢など世代特性に応じた職業能力開発
・パートや派遣など働き方にかかわらない、職務、能力、労働時間などに応じた処遇の均等
・仕事と生活のバランスをとるための長時間労働対策などの環境整備
・働く意欲を持つすべての人が就業に挑めるための募集・採用の促進