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IBM、「あらゆる積極策」表明
米有力企業で経営者心理が急速に改善している。株主総会の開催はピークを越えたが、株主への利益配分と成長分野への投資の両立を宣言する経営者が相次いだ。空前のカネ余りと足元の好業績を背景に株式市場も経営者に積極策を求めており、M&A(企業の合併・買収)など攻めの姿勢を鮮明にしている。
「二〇〇八年までに最大百五十億ドルの自社株買いを実施する」「今後五年間、技術革新に五十億ドルを投資し、年率八%の増収を続ける」。四月末、ゼネラル・エレクトリック(GE)の株主総会でジェフリー・イメルト会長が「配分も成長も」の中期戦略を披露すると株主は沸いた。
医療機器、放送・娯楽などへの集中投資が奏功して業績は絶好調だ。「〇八年には五百五十億ドル以上の余剰資金が生じる見込み」(イメルト会長)。業績低迷の弁明に追われた昨年までとは一変して余裕の表情だ。
IBMは株主総会で過去最大となる五十億ドルの自社株買いと増配を表明すると同時に、医療機関向けコンサルティング会社の買収を発表した。サミュエル・パルミサーノ会長は「(成長に向けた)あらゆる積極策をとる」という。
シティグループも百五十億ドルの自社株買い付け枠を設定した。チャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO)は「今年末には大型買収を再開できる」と強調。度重なる不祥事で当局から大型買収の凍結命令を受けているが、解除されればすぐにでも買収に乗り出すという意思表示だ。
米企業が抱える金融資産は昨年末で十一兆ドルを超え過去最高を更新した。企業買収だけではなく設備投資にも資金を振り向けようという意欲も強まっている。
ウォルマート・ストアーズは米国で二千七百店を新規出店する計画を株主総会で表明した。米国事業には減速懸念が広がるが、リー・スコットCEOは「思い切った改善策を打つ」と投資拡大に意欲満々だ。エクソンモービルも年百五十億―百六十億ドルの設備投資を同百八十億ドルに増額する。
一方、経営不振の自動車、航空会社などの株主総会では経営者がリストラ計画の説明に終始した。原油価格の動向など業績には下振れリスクもある。資金を成長戦略にうまく活用できるかどうかで企業間の収益格差が広がりそうだ。
(ニューヨーク=篠原洋一)