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一兆円目標へ背水の陣 ユニクロ柳井氏、社長復帰
社長に戻る柳井正会長(左)と辞任する玉塚元一社長=14日午後、東京都中央区で
ファーストリテイリングの業績推移
カジュアル衣料店の代名詞ともなった「ユニクロ」のファーストリテイリングの社長に、実質的な創業者の柳井正会長が兼務の形で復帰する。社内には権限の過度の集中を懸念する声もあったが、「構造改革には独断専行も必要」と押し切った。2010年に売上高1兆円という壮大な目標達成に向け、カリスマ経営者は背水の陣を敷いた。
「今は緊急事態。第二の創業として会社を完全に変える」「目標までに残された時間は少ない」。14日の記者会見で、柳井氏は自らのリーダーシップで経営改革を急ぐ必要を強調した。
3年前に指名した玉塚元一社長を事実上更迭する最大の理由は、業績の伸び悩みだ。売上高は03年8月期を底に増加に転じ、05年8月期もスポーツウエアの投入や積極的な企業買収で2期連続の増収を見込むが、目標の4千億円に届かないのは確実。春物商戦の苦戦で、経常利益は約1割減る見通しだ。
「ユニクロが回復基調だとの油断がある」。柳井会長は今年4月の中間決算発表時から、玉塚社長ら執行体制への不満を口にし始めていた。
業界屈指の利益率は保つものの、かつてのフリースのような大ヒット商品が出ず、在庫処分のタイミングを誤るミスなどにも、柳井氏はいらだちを強めた。関係者によると、柳井氏は今春ごろから、持ち株会社制への移行とともに自らの社長復帰へ動き出したという。
しかし、柳井氏が持ち株会社と中核事業会社の両方で会長と社長を兼ねる方針であることに、幹部の一部から「権力が集中しすぎる」「もとの柳井商店に戻ってしまう」との異論が出始めた。
が、柳井氏には「どんなに意見を言っても最後は押し切られてしまう」(関係者)といい、14日の取締役会でも柳井氏の意向が通ったという。
玉塚氏は会見で「今後は社外でオーナーシップにこだわって挑戦したい」と、志半ばでの退任に悔しさをにじませた。
同社は今後、「世界一のカジュアル衣料企業をめざす」という目標に向け、国内外のファッション企業を積極的に買収していく方針。一方、当初は柳井氏の後継者と目されていた沢田貴司副社長が02年に同社を去ったのに続き、玉塚氏もいなくなることで、社内の人材不足の感は否めない。
あと5年で売上高を2倍以上に伸ばす目標は非常に高い。達成できなかった場合、「経営者は結果がすべて」という玉塚氏の辞任の弁は、柳井氏に向かうことになる。
http://www.asahi.com/paper/business.html