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「為替」 堅調な米経済指標でドル上昇112.38円、原油急落57.25ドル／ニューヨーク外国為替市場概況
「堅調な米経済指標でドル上昇112.38円、原油急落57.25ドル」ニューヨーク概況
2005年7月15日（金曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:41JST 「堅調な米経済指標でドル上昇112.38円、原油急落57.25ドル」
*07:01JST「堅調な米経済指標でドル上昇112.38円、原油急落57.25ドル」
【ロンドン市場概況】
14日のロンドン外為市場では、米国の消費者物価指数や小売売上高の発表待ちで
ポジション調整中心の取引となった。ユーロ・円はショートカバーとみられるユー
ロ買いがスイス系などから出たことで135円04銭から135円40銭まで上昇、ドル・円
も連れて111円82銭から112円乗せとなり、112円10銭まで上昇した。ユーロ・ドルは
1.2074ドルから1.2094ドルまで強含んだ後1.2070ドルに下落、ポンド・ドルは
1.7607ドル〜1.7627ドルで小動きの後1.7572ドルに下落、ドル・スイスは1.2900フ
ランから1.2878フランまで弱含んだ後1.2903フランまで上昇した。
【経済指標】
独・6月消費者物価（確報値）：前年比+1.8％（予想+1.9％、5月+1.7％）
ユーロ圏・1-3月期GDP（改定値）：前期比+0.5％、前年比+1.4％（予想+0.5％、前
回+0.5％）
【要人発言】
ECB月報
「中期的なインフレ圧力は抑制されているが、今年は（インフレ率を2％以下に抑え
る）目標達成できない恐れも」
「総合的には、経済成長に対するリスクは下向き。リスクは特に、根強い原油高、
ユーロ圏内のコンフィデンスの低さ、国際不均衡に関連している。」
欧州委員会
「ユーロ圏のGDP見通し、第2四半期前期比+0.1％〜+0.5％、第3四半期+0.2％〜
+0.6％を維持」
パラモECB理事
「ユーロ圏の経済成長が予想を下回り、企業倒産件数が予想を上回った場合、ユー
ロ圏銀行セクターの貸倒引当金が現在の水準では不足する恐れがある」
「ユーロ圏の金融の安定に対するリスクは均衡がとれている」
イッシングECB理事
「現在の金利は適切、ECBはバイアスのシグナルを送っていない」
「物価見通しは6月以来悪化しているが、インフレ率は06年には2％を下回る」
「弱い第2四半期の後で成長加速へ、リスクは引き続き存在」
「弱い労働市場、原油高による2次的インフレリスクを低減」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：112円03銭、ユーロ・ドル：1.2076ドル、ユーロ・円：135円27銭、ポン
ド・ドル：1.7587ドル、ドル・スイス：1.2907フラン
【ニューヨーク市場概況】
14日のニューヨーク外為市場では、米6月の消費者物価指数や同月の小売売上高を受
けてインフレ無き強い経済成長への見方が広がりドル買いが先行した。ドル・円は
指標発表直後に利食いやオプション絡みの売りで一旦111円76銭まで下落したもの
の、その後債券利回りが上昇に転じ、リアルマネー主導の買いで112円38銭まで上昇
しほぼ高値で引けた。
ユーロ・ドルは指標発表後に一旦1.2058ドルまで下落するがオプション絡みの買
い、CTAやヘッジファンド筋の買いで1.2125ドルまで反発した。その後ドイツ政権へ
の不安や欧州シンクタンクによるユーロ圏成長予想の下方修正で1.2085ドル前後ま
で軟化して引けた。
ユーロ・円はロンドンFixにかけて買いが強まり135円17銭から135円95銭まで上昇し
た。その後ユーロ債満期に絡む売りの噂で135円43-45銭まで反落し135円75銭前後で
引けた。ポンド・ドルは1.7639ドルから1.7548ドルまで下落した。ドル・スイスは
1.2930フランから1.2856フランまで下落し、1.2900フラン前後まで戻して引けた。
【原油市場】
原油相場は大幅続落。米原油在庫の大幅減少が続くものの、昨日IEA（国際エネルギ
ー機関）月報において今年の世界石油需要の伸び率見通しが下方修正されたほか、
先日モルガン・スタンレーから「アジア経済の景気減速などをきっかけに原油バブ
ルがはじける時期は近い」とのレポートが出されたことなどで現在の原油価格に対
する冷静な見方が広がった。また今年5番目のハリケーン・「エミリー」がメキシコ
湾に到達する軌道から外れたことも売りを強める要因となっていた模様。
NYMEX原油先物（8月限）価格は一時57.25ドルまで下落し57.80ドル（前日比-
3.6％）で取引を終えた。
【オプション動向】
本日のドル・円スポット相場は朝方の堅調な米国経済指標を受けドル買いが先行し
ている。しかしながら前回の高値を抜けるような動きに繋がっていないためオプシ
ョン変動率は低下している。1ヶ月物は7.7％から7.6％へ、3ヶ月物は7.925％から
7.825％へ、6ヶ月物は8.075％から8.025％へそれぞれ低下した。
リスクリバーサルでは円買い意欲は短期物では一旦衰えているものの長期物は昨日
と同水準に留まっている。25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+0.5％から
+0.45％に小幅縮小、3ヶ月物は+0.75％、6ヶ月物は+0.925％でそれぞれ変わらずと
なっている。本日は8月初旬満期の113円50銭、115円00銭、115円40銭などのワン・
タッチオプションの買い意欲が散見された。
【株式市場】
NY株式相場は上昇。4-6月期の好決算が相次いでいるほか、朝方発表された6月の消
費者物価指数が前月比横這いでインフレ懸念が後退したことも好感され、終日堅調
な展開となった。原油価格が下落に転じたことも好材料。セクター別では、自動
車・自動車部品や運輸が上昇する一方で、エネルギーや不動産関連が軟調。昨日、
引け後に好決算を発表したアップル（AAPL）やAMD（AMD）が共に上昇。また、サウ
スウェスト航空（LUV）やユナイテッドヘルス（UNH）も好決算を発表して上昇し
た。ハイテクでは、リーマンブラザーズが目標株価を275ドルから350ドルへと引き
上げたことでグーグル（GOOG）が上昇。ダウ構成銘柄では、同じくリーマンブラザ
ーズの投資判断引き上げを受けてGM（GM）が上昇。一方で原油価格の下落を受けて
エクソンモービル（XOM）が軟調に推移した。結局ダウは71.50ドル高の10628.89、
ナスダックは8.71ポイント高の2152.82で取引を終了した。アップルやAMDが好決算
を発表したことをきっかけにハイテク企業の決算に対する期待が高まり、ナスダッ
ク総合指数は年初来高値を記録している。
【経済指標】
米・6月の消費者物価指数（CPI）：前日比±0％（予想+0.3％、5月-0.1％）、前年
比+2.5％（予想+2.7％、5月+2.8％）
米・6月のコアCPI（食品＆エネルギー除く）：前月比+0.1％（予想+0.2％、5月
+0.1％）、前年比+2.0％（予想+2.2％、5月+2.2％）
米・先週分（7/9まで）新規失業保険申請件数：33.6万件（予想32.5万件、前回32万
件←31.9万件）
米・6月小売売上高：前月比+1.7％（予想+0.9％、5月-0.3％←-0.5％）
米・6月小売売上高（自動車除く）：前月比+0.7％（予想+0.6％、5月±0％←-
0.2％）
【要人発言】
独IFO経済研究所、仏国立統計経済研究所、伊経済分析研究所、ユーロ圏エコノミッ
ク・サーベイ発表
「ユーロ圏12諸国の第2四半期GDP見通しは+0.2％」
「そして第3四半期は+0.3％、第4四半期は+0.4％」
ドッジ・カナダ中銀総裁
「高いカナダドルの影響は本年は弱まった」
「歳入は歳出に見合う水準に増加するであろう」
「世界経済成長ペースは予想のスピードで拡大しないリスクがある」
「更なる中国人民元は重要であるが全ての解決とはならないだろう」
「高い原油価格は短期にはカナダ経済の妨げとなるが長期的には経済成長を助け
る」
「カナダは生産性を上げる必要がある」
スノー米財務長官
「米双子の赤字は順調に縮小するだろう」
「中国人民元に関する決定は最終的には中国の決定となる」
「中国の更なる柔軟な人民元への為替制度移行の時期は予測できない」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 111.83 112.38 111.76 112.36
ユーロ・ドル 1.2077 1.2125 1.2059 1.2083
ユーロ・円 135.07 135.95 135.07 135.74
ドル・スイス 1.2896 1.2924 1.2856 1.2900
ポンド・ドル 1.7624 1.7639 1.7548 1.7565
株式市場：
NYダウ 10559.86 10657.69 10559.86 10628.89
ナスダック 2157.35 2164.18 2148.61 2152.82
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.395 4.415
米国債10年物 4.156 4.177
先物市場：
NY金先物 423.3 425.0 419.2 420.2
NY原油先物 59.80 59.90 57.25 57.80
シカゴ日経平均先物 11810 11830 11780 11820
（フィスコ） - 7月15日6時44分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050715-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。