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7.5坪、リフォーム2000万円 79歳男性「家に愛着、押し切られ」
東京の下町に立つ建坪7・5坪(約25平方メートル)の家で、詐欺容疑で警視庁に摘発されたサムニンイーストが9カ月間に7回のリフォーム工事を繰り返していた。塗り替えたばかりの屋根を12日後にふき替えるなどして工事を重ね、代金は2千万円を超えた。被害男性(79)の蓄えが底をつくと最後にはローンを組ませた。現場をみた建築士は「でたらめな工事ばかり。この金額で2回は新築できる」と指摘する。
●塗装の屋根、即交換 居座り説得7時間 貯金底つきローン
家は築約70年。6畳2間ほどの敷地に立つ木造2階建てだ。
サムニン社の営業マンが訪ねてきたのは03年7月。詐欺などの疑いで逮捕された橋壁浩二容疑者(29)ら2人だった。
家の中を見回し、リフォームを勧めた。「かなり傷んでいる。生涯ここで暮らすんだから、しっかり直さないと」。壁に板を張る内装工事を契約した。
年内にサムニン社はもう2回やってきた。今度は床下に問題があると言った。
1回目は床下の防湿工事。換気扇を2台設置した。2回目はその2週間後。逮捕された桑原和寛容疑者(26)で、床を支える木材補強の契約だった。
翌04年春には4件の工事が集中した。4月に220万円かけて塗装し直した屋根を、12日後に346万円でふき替えた。
「一生ものの家にしてもらっても、こっちが先に死んじゃうよ」。高い見積額に男性が難色を示したこともある。3千万円あった預貯金がみるみる底をついた。桑原容疑者は正午から午後7時まで居座り、説得を続けたという。
最後の営業マンのお勧めは250万円の太陽光発電システムだった。預貯金はすでに150万円になっていた。「払えない」。男性が断ると営業マンは言った。
「残りの100万円はローンにしましょう」
男性は姉(81)との2人暮らし。月13万円の年金から毎月8万円をローンの支払いにあてることになった。
サムニン社の親会社の前身、エム・エイチ・エスインターナショナルも以前はリフォームに来ていた。
「ずっと住んできた愛着のある家。『修理が必要』と言われ、その気になってしまった。押し切られたところもある」
欠陥住宅関東ネット運営委員の1級建築士・松嶋晢奘(せいぞ)さんがこの家を調べた。
1個24万円の特殊金具は家を支えているはずだったが、実際には基礎に固定されていなかった。値段も原価の十数倍。松嶋さんは「木ネジ1本すら十分には締められていない。プロの工事とはとても言えない」と話す。
男性はサムニン側に代金の一部を返すよう求めた。「金は返す方向」との返事を得たが、まだ返金はない。
東京都消費生活総合センターの相談員は「高齢者は不安や判断力の弱さを抱える一方、プライドや恥ずかしさなどから被害を訴えない面もある。悪い業者はそういう弱点をつけ狙う」と話す。センターは本格的な調査に乗り出す方針だ。
http://www.asahi.com/paper/national.html