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50年後、日本はこうなっている!
政府の出す経済シミュレーションは、あまりにご都合主義だ。前にも書いたが、内閣府の「経済財政諮問会議」が、2012年にプライマリーバランスが回復すると喧伝する一方で、財務省の「財制審」は、2015年までに消費税を19%に上げるか、歳出を3割カットする必要があるという。構造改革がうまくいっていると言うときは内閣府、サラリーマン増税のためには財制審の数字を使う。完全な二枚舌だ。
さらに、内閣府が出した「21世紀ビジョン」の将来予測はもっとお粗末。生産性は上がるわ、成長は続くわ、市場原理主義の構造改革を行うのに格差は縮まるというのである。そんな夢のようなことが、あるわけない。
政府がこんなシミュレーションを平気で出してくるのは、国民が現実を直視していないのをいいことに、いくらでもだませると思っているからだ。本当に人をバカにしている。
では実際のところ、日本の未来はどうなのか。一番簡単な方法でシミュレーションし、その結果を「2050年のわたしから」(講談社)という本にまとめた。使った方法は線形のシミュレーションで、90年代以降の平均傾向をとって、それを直線にして、ただ未来に延長するという簡単なものだ。つまり鉛筆ナメナメの政府のシミュレーションに対して、直線勝負を挑んでみたってわけ。
すると、恐ろしいことに、高齢化のピークである2050年に向かって、すべての数字がゼロに近づいていく。
政治では2020年に閣僚は全員、世襲議員になり、衆議院選挙の投票率は2050年過ぎにゼロになる。
経済的には、衰退の一途だ。2017年、GDPは中国に抜かれ、「プロジェクトX」は終わる。合計特殊出生率は2054年に0.01まで低下し、誰も子供を産まなくなる。その頃、財政赤字はGDPの5倍に膨張。フリーターの比率は7割に達し、農家も商店も労組の組織率もゼロになる。ちなみに、下がり続けている巨人戦の視聴率は2016年、とうとうゼロになる。
もちろん、現実の社会は、もっと複雑な要因で動くから、シミュレーション通りになることはないだろう。しかし、この線形シミュレーションで分かる重要なことは、ただ一つ。いまの状態が続いたら、社会が持たないということだ。そんな異常な状態なのに誰も怒らず、日本をぶっ壊している小泉政権を支持している。これでは、若い世代は可哀想だ。私たちは親の責任さえ果たしていない。中学生でも分かる易しい内容になっているので、ぜひ、読んで欲しい。【金子勝】
【2005年6月30日掲載】
2005年07月03日10時00分 ゲンダイネット
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1257558/detail?rd