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英、農業補助削減狙う 「アフリカ支援」の裏で
【ロンドン=稲田信司】6日から始まる主要国首脳会議(G8サミット)の議長国である英国が、主要テーマのアフリカの貧困対策を口実に掲げながら、欧州連合(EU)の流れを自国に有利に進めようとする姿勢を強めている。標的は、英国に恩恵の乏しいEU農業補助金制度の見直しだ。
英国が今回、アフリカ支援で最も力を入れたのは米国の説得だった。ブレア首相が6月、ブッシュ米大統領と会談した際に「債務全額削減」の了解を取り付けた。それが、財務相会合で日本などの慎重派を押し切り、重債務貧困国18カ国について「総額約400億ドル(約4兆3千億円)の債務を帳消しする」との合意を達成することにつながった。
英国によるこうした外交攻勢は、EUの農業補助金への批判につながっている。「EUが域内の農家を保護しているために、競争力の弱いアフリカの小規模農家が圧迫されている」との論理だ。
英国の対アフリカ支援の推進役であるブラウン財務相は6月29日、ロンドンでのユネスコ主催の会合で演説。農業補助金を批判して「先進国の偽善をこれ以上、無視するわけにはいかない」とさえ言った。
農業補助金は独仏主導でつくられ、主にフランスなど農業大国が恩恵を受けている。EU予算の4割を占めているため、英国は自国の財政負担を削減させたいところ。ブレア首相は7月1日のEU議長就任の記者会見でも「EUの競争力アップ」を盾に、補助金制度の見直しを進める姿勢を示した。
英国の今後のアフリカ支援のあり方を示す報告書をまとめたアフリカ委員会(委員長・ブレア首相)のウィックステッド事務局長は「補助金改革と貧困救済をつなげたのは、首相の巧みな戦術だ」と説明する。
英国は今年末に山場を迎える世界貿易機関(WTO)の貿易自由化交渉(新ラウンド)も視野に入れ、アフリカを含む途上国を支える新たなルールを促す考えだ。
http://www.asahi.com/paper/international.html