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中国国有石油企業CNOOCがユノカル(米国メジャー)買収に再び王手 裏側にうごめく国際金融筋 【宮崎正弘の国際ニュース】
http://www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/205.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 24 日 12:44:08: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 英フィナンシャル・タイムズ紙ヘッドライン(24日付) (ロイター) infoseekニュース 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 24 日 12:37:32)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成17年(2005年)6月24日(金曜日)
第1163号  
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なお執拗に米国メジャーを標的
 中国国有石油企業CNOOCがユノカル(米国メジャー)買収に再び王手
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 いったんは勝負がついたはずだった。
 CNOOC(中国海洋石油、中国メジャー第三位の国有企業)は米国メジャーのひとつ「ユノカル」を標的として買収を仕掛けたものの四月には敗退、結局はシェブロン・テキサコに買収されることで決着がつき、六月には米国連邦通商委員会(FTC)の承認がでた。

 6月22日、またもやCNOOCはユノカル買収を再提案した。

 米シェブロン・テキサコが提示した金額を上回る185億ドルもの天文学的買収金額を示し、双六を振り出しに戻そうと躍起なのである。
 要するにCNOOCはユノカルが鉱区を持つ東南アジアの油田、ガス田を一気に獲得する戦略にでたことになる(ちなみにユノカルの27%の石油鉱区、73%のガス田はアジアに集中している)。

 ユノカルは例のアフガニスタン・パイプラインでタリバンともコネクションがあり、カルザイ現大統領は米国亡命中、このユノカルの顧問を務めて糊口を凌いでいた。
ユノカルは115年の歴史を誇る老舗、カリフォルニア・ユニオン・石油(UNION OIL OF CALIFORNIA)から現在の社名は由来する。

 しかし米国メジャーでは傍流に属するのも、主流のメジャー各社がメキシコ湾から中東を向いてビジネスを拡大していたときに、ユノカルはひたすらアジア鉱区を開発、同社の埋蔵鉱区を中国に隣接するアジアに集中させていた。

 それゆえにCNOOCは一貫してユノカルを標的としてきたのだ(CNOOCの既得鉱区を加え、もし買収が成功すると新会社の85%がアジアからカスピ海に集中することになる。この戦略には中国の”国家意思”が存在する)。

 四月の買収攻防戦ではシェブロンが一株あたり65ドルを提示し、株式およびシェブロンの株式と交換などの方法を提示した。合計166億ドル、あまつさえユノカルとシェブロンの役員会も、この案件を承認している。

 加えてブッシュ政権は「ユノカルが外国企業に買収されることは国家安全保障上の理由からも好ましくない」としており、米国議会も反対してきた。

 にもかかわらずCNOOCが懲りずに買収を仕掛け、米国の神経を逆撫でするほどに、ユノカル買収に拘るのは、それほど石油が払底している証拠でもある。

 だが他方で、あまりに無謀な中国の石油戦略は、コストという商業主義的文脈からは破滅的行為に映る。

日本の主権海域から盗掘をしようとする東シナ海の開発からユノカルが撤退したのは政治的理由ではなくコストが理由だった。
 新彊ウィグル自治区から上海まで4000キロを繋いだガスパイプラインからも欧米メジャー三社が撤退したのは国際コストを無視した開発だったからだ。


 ▲米国の安全保障戦略と対峙するが。。。。

 中国は何故に、こうした無謀行為を続けるのか。
 第一にスーダン、ナイジェリアなどアフリカの未開地の石油鉱区にまで手を広げて開発し、その鉱区を守るために中国は軍隊を派遣している(スーダンに400名以上のPKOを派遣)。

 第二に中東諸国には武器と交換で大規模な石油利権を確保した。
 1980−88年のイラン・イラク戦争中には両方にシルク・ワームミサイルを供与、サウジには長距離ミサイルを供与して死の商人ぶりを際立たせたが、さらに米国と戦争中のイラクに武器を追加供与、タリバンには軍隊の通信施設工事を人民解放軍のダミー会社が請け負っていた。
 
 第三に中央アジアへも触手をのばし、とくにカザフスタンと新彊ウィグル自治区との間に1800キロのパイプラインを敷設中。ロシアの一部権益とも衝突している。

 第四は、民主化へのうねりをみせたキルギスに巧妙に介入し、隣のウズベキスタンへ資源開発で異常接近、世界が非難するカリモフ独裁体制を擁護している。これら両国と周辺国家にはアメリカ軍が駐留している。

 第五に核武装を急ぐイランへも、ブッシュ政権の反対を袖にして資材を投入し、2000億ドル(長期契約)でガスの権利を取得する。
 ことほど左様に無謀極まりない突出を世界各地で展開中だが、こうした中国の霍乱的行為で石油価格は過去二年間で二倍以上に跳ね上がってのだ。
 一バーレル59ドルという暴騰の元凶は、中国である。 


 ▲裏側にうごめく国際金融筋

 さて、単眼的分析はこのくらいにして、CNOOCの買収作戦を別の角度から検証してみよう。

 まず純粋なM&A(企業合併、買収)としてみると、たしかに中国パソコン大手企業のレノボは17億5000万ドルを投じてIBMパソコン部門の買収に成功、これでデル、HP(ヒューレットパッカード)につぐシェアを確保した。米国はこの買収を承認した。

 中国電器メーカー大手のTCLはフランスのトンプソンRCAを買収し、世界のテレビ市場に殴り込み、上海汽車は英国の名門ローバーを買収した。
 海爾(ハイエール)は米国大手電機メーカー「メイタグ」を13億ドルで買収にのりだしたばかり。
 また「華為技術」(中国最大の携帯電話メーカー)は英国通信企業マルコーニを買収完了。一方でチャイナ・モービル(中国移動通信)は、パキスタンの通信企業買収に14億ドルを提示したが失敗。
 この文脈からはシェア拡大の手段としてM&A戦略の行使にでた、と見ることは可能だろう。

 だが、もうひとつ穿った見方が欧米の株式市場で囁かれている。

 このユノカル買収への再挑戦をCNOOCに助言しているのは、なんと米国ゴールドマンサックス、JPモルガン・チェース、そして英国のロスチャイルドなのだ。
 裏で蠢く国際金融の魑魅魍魎。
買収発表のその日、ユノカルの株価は急騰した。。。。。

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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

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