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「為替」 欧州圏利下げ観測に伴う米金利低下でドル上値重い、ドル・円108.65円-109.15円／ニューヨーク外国為替市場概況
「欧州圏利下げ観測に伴う米金利低下でドル上値重い、ドル・円108.65円-109.15
円」/ニューヨーク外国為替市場概況 2005年6月23日（木曜日）−株式会社フィス
コ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:41JST 「欧州圏利下げ観測に伴う米金利低下でドル上値重い、ドル・円108.65円-109.15円」
【ロンドン市場概況】
22日のロンドン外為市場では、ポンドの下落をきっかけに、全般的なドル買いが
優勢になった。6月8-9日の英中銀金融政策委員会議事録が公表され、政策金利の据
え置きが7対2で決定されたが、反対の二人は利下げを求めていたことが判明したた
めイギリスの金利先安観が台頭、ポンド売りが強まり、ポンド・ドルは1.8332レベ
ルから1.8180レベルまで急落した。ユーロ・ドルは、ユーロ・ポンドが買われてい
たことで1.2190付近で一時底堅く推移していたが、ユーロ金利の先安地合も連想さ
れ、ポンドの下落進行に連れる形で1.2125ドルまで下落した。ドル・円は108円40銭
から108円92銭まで上昇し、ドル・スイスは1.2622フランに下落後1.2708フランまで
上昇した。ユーロ・円は131円99銭〜132円35銭でもみ合う動きになった。
【経済指標】
ユーロ圏・4月貿易収支：+13億ユーロ（予想+30億ユーロ、3月+43億ユーロ）
ユーロ圏・4月製造業受注：前月比+1.5％（3月-0.3％）
【要人発言】
6月8-9日英中銀金融政策委員会
「7対2の賛成多数で政策金利を4.75％に据え置き決定」
「英中銀チーフエコノミストのビーン理事とベル委員が0.25％の利下げを求めた」
「他の7人の委員は、より多くのデータをみてから消費減速の度合いを判断すべきと
の姿勢を示す」
「5月のインフレ報告以降、インフレ見通しは金利変更を正当化するのに十分なほど
変化していない」
カルアナ・スペイン中銀総裁
「上半期のユーロ圏の経済は持続的な弱さが特徴」
「今後数四半期の状況はユーロ圏にとって好ましいものに」
「回復の遅さはユーロ圏経済の構造的な弱さを示す」
「ユーロ圏の金融政策は明らかに緩和的」
「長期にわたる低い市場金利、内需を支援」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：108円88銭、ユーロ・ドル：1.2115ドル、ユーロ・円：131円88銭、ポン
ド・ドル：1.8211ドル、ドル・スイス：1.2731フラン
【ニューヨーク市場概況】
22日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は中国側の人民元切り利上げ否定発言
や急浮上した英利下げ観測に伴うドル高の流れを受けて108円65銭から短期投機筋の
ストップロスを誘発させて109円15銭まで上昇した。その後109円20-30銭の本邦輸出
筋などの厚い売りに上値を抑えられ108円85銭前後まで軟化して取引を終えた。
ユーロ・ドルは米債券利回りの低下を受けてショートカバーが強まり1.2142ドルま
で上昇したが、1.2150ドル前後での戻り売り意欲が強く1.2098ドルまで反落した。
東欧筋の買いが下値を支え安値圏1.2130ドル前後で引けた。ユーロ・円はユーロ上
昇に伴い131円68銭から132円20銭まで上昇するものの、上値が重いことから弱含み
132円00銭前後で引けた。ポンド・ドルは1.8187ドルから1.8238ドルの小幅なレンジ
を推移。ドル・スイスは1.2701フランから1.2748フランまで上昇した。
【原油市場】
NY原油相場は週次の在庫統計において原油在庫の減少量が予想以上に少なかったこ
とから売りが先行した。昨日心理的な抵抗水準60ドルを突破出来なかった上、これ
までの上昇ペースが速かったことから本日の在庫統計をきっかけに短期筋などのポ
ジション調整売りが強まったようだ。NYMEXの原油先物（8月限）価格は指標発表後
に上下した後、軟調に推移し58.09ドル（前日比-1.3％）で取引を終えた。
【オプション動向】
ドル・円スポット相場は昨日再燃した中国人民元切り上げ観測が中国側の否定発言
を受けて後退したことから買い戻しが向かっている。この動きを受けてオプション
市場では短期物変動率が再び低下。1ヶ月物は7.85％から7.75％に、3ヶ月物は
8.025％から7.95％にそれぞれ低下し、6ヶ月物は8.125％から8.15％に小幅上昇し
た。
市場では短期的には円安だが、その後円高に転換するとの見方が多いようであり、
リスクリバーサルは25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物が+0.45％から+0.40％に
小幅縮小、3ヶ月物は+0.70％から+0.75％に、6ヶ月物は+0.875％から+0.975％にそ
れぞれ拡大している。
【株式市場】
NY株式相場はまちまち。原油先物価格の反落が好感される一方で、フォード（F）の
業績下方修正が嫌気されており、上値を抑える展開となった。材料難に乏しい状態
が続いており、全般に小動きに終始した。セクター別では、公益事業やテクノロジ
ー・ハード機器が上昇する一方で、自動車・自動車部品や商業・サービス用品が軟
調。フォード（F）が、SUV車の販売低迷を理由に2度目となる業績下方修正を発表し
て4.4％安。デルファイ（DPH）やビステオン（VC）など自動車部品メーカー各社も
軟調。一方でアメリトレード（AMTD）がトロントドミニオンバンク（TD）傘下のTD
ウォーターハウスの買収を発表、特別配当の実施が好感されて20.6％の大幅上昇。
ダウ構成銘柄では、コカコーラ（KO）がアンチトラスト法違反に関して欧州当局と
合意に達したが、株価は小幅下落となった。結局ダウは11.74ドル安の10587.93、ナ
スダックは2092.03で取引を終了した。ウォーレン・バフェット氏が公共事業への投
資額を、これまでの100〜150億ドルから更に引き上げる可能性があることを示唆
し、本日の同セクター上昇の一因となった。
【経済指標】
カナダ・5月景気先行指数：前月比+0.3％（予想+0.2％、4月+0.3％←+0.4％）
週次原油在庫統計（〜6/17）:
原油在庫：前週比-158万バレル、前回-178万バレル、予想-200万バレル
ガソリン在庫：同比+20万バレル、前回-90万バレル、予想+2.5万バレル
蒸留油在庫：同比+137万バレル、前回+242万バレル、予想+195万バレル
【要人発言】
バローゾ欧州委員会委員長
「至急にEU予算の合意が必要」
「EU予算の合意がない状態ではEU内で混乱が発生するリスクがある」
「EUとトルコの会合内容に制約は無し」
メルシュ・ルクセンブルグ中銀総裁
「現状の政策金利は適正な水準」
「イタリアのユーロ離脱は大きな混乱となりうる」
「原油価格の急上昇は短期的なもの」
「原油上昇の継続は歓迎できず」
「最近のユーロ下落は短期的なものであり、主に政治的要因から来ているもので完
全に分析されていない」
ハバード米国家経済会議（NEC）委員長
「米国経済成長は継続している」
「2005年度の雇用成長は一月あたり15万から20万人増を予想」
「中国は人民元ペッグ制を緩める意欲が強い」
「中国との通商関係はきわめて重要」
「ブッシュ大統領は開かれた自由市場を信じると同時に公正な貿易も信じている」
ウェーバー独連銀総裁
「金融政策が直接に成長を押し上げる事は出来ず、金利下げの意見には反対」
「輸出が引き続きドイツの経済成長を主導する」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 108.49 109.15 108.40 108.82
ユーロ・ドル 1.2183 1.2197 1.2098 1.2129
ユーロ・円 132.17 132.35 131.68 131.98
ドル・スイス 1.2639 1.2748 1.2622 1.2716
ポンド・ドル 1.8310 1.8331 1.8180 1.822
株式市場：
NYダウ 10599.36 10646.24 10578.04 10587.93
ナスダック 2096.81 2102.75 2083.76 2092.03
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.325 4.243
米国債10年物 4.040 3.942
先物市場：
NY金先物 438.6 439.9 438.0 439.7
NY原油先物 59.05 59.55 57.85 58.09
シカゴ日経平均先物 11555 11555 11510 11535
（フィスコ） - 6月23日6時44分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050623-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。