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全国から若者をのみ込み続けてきた東京が今後数十年で急速に老いていく 【朝日新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 19 日 06:46:47: ogcGl0q1DMbpk
 

(幸せ大国を目指して:12)急速に老いゆく東京

東京圏の人口はこれから…

 全国から若者をのみ込み続けてきた東京が今後数十年で急速に老いていく。

 国立社会保障・人口問題研究所の試算によると、2030年までの高齢化のスピードは、東京都に神奈川、千葉、埼玉の3県を加えた「東京圏」が全国で最も速い。東京圏の老年人口(65歳以上)は00〜30年に2倍近く膨らみ、925万人に膨れ上がる。いま最も高齢化が進んでいる島根県の老年人口は00年の約19万人からそれほど増えない。

●予備軍が集中

 東京の高齢化が速いのは、団塊の世代とそのすぐ下の世代、いわば「高齢者予備軍」の世代が集中して住んでいるからだ。07年以降、この世代の大量退職が始まれば、日本の生産人口も本格的な減少時代に入る。

 その時を予感させるような動きが、オフィスが集まる東京都中央区で出ている。サラリーマンやOLでにぎわっているはずの同区で、昼間人口が00年までの10年間に10万人減り、65万人にまで落ち込んだのだ。日本経済の長期低迷や企業のリストラが進んだ影響と見られる。

 もともと同区が迫られていた問題は、地価高騰で住宅が郊外に追い出され、居住人口が減ることだった。ところがこちらは8年前に底を打ち、「今や最大の課題は昼間人口の減少」(吉田不曇・中央区企画部長)だ。これに伴う経済損失は「ざっと500億円」と同区は、はじいている。

 東京23区で働く人の数は約700万人(00年)。ピークだった95年に比べて27万人減った。とくに政治と経済の中枢機能が集まる中央区、千代田区、港区の3区での減少数が多い。

 都は20年までに23区でさらに50万人が減少すると予測する。

●「もはや大規模プロジェクトの場所でない」

 ところが、こうした見通しを無視するかのように都心では再開発ブーム、大型マンションの建築ブームが起きている。今後5年間で「毎年70万平方メートル以上のオフィスビルが新規供給される見通し」(ニッセイ基礎研究所)だ。約17万人が働くスペースに相当する。

 松谷明彦・政策研究大学院大教授はこの動きに警鐘を鳴らす。「東京はもはや白地に絵を描くような大規模プロジェクトをする場所ではない。現在進行中のプロジェクトは、経済成長期の最後のあだ花になりかねない」

●「ミスマッチ」

 少子高齢化と再開発ラッシュ。矛盾する現象がさまざまな場所でミスマッチを起こしている。

 「これ以上、うちの区にマンションはこないで」

 工場跡地への建設ラッシュがあった東京都江東区は昨年1月、大規模マンションが立ち並ぶ豊洲や東雲など7地域でのマンション建設を条例で事実上、禁じた。急増した児童の受け入れ態勢が整わない小学校が続出したためだ。

 区が「異変」に気づいたのは4年前だった。建設が予定されていた千戸規模の大規模マンションの入居者調査をしたところ、5分の1の世帯に小学生の子どもがいた。3分の1の世帯には今後入学してくる6歳以下の子どもがいた。20〜30代の団塊ジュニア世代が一斉に流れ込んできたのだ。

 プレハブ校舎を建てるとしても敷地が狭い小学校が多く、児童の増加に対応する余裕はほとんどなかった。区の措置で約5千戸分のマンションが計画の中止や変更を迫られた。

 多くの地域で子どもが減っている中で、子どもを伴う若い世代が増加することは本来なら歓迎すべきことだ。ところが区にとって悩ましかったのは「無理に校舎を建てても、15〜20年後には少子化で学校施設が余ってしまうのが確実」(佐瀬慎一郎・江東区住宅課長)ということだった。

 一足先にその懸念を証明したのが東京・多摩ニュータウンだ。高度成長期の70年代初期に入居が始まった多摩市では、この10年余でニュータウン人口が1万7千人減り、7万1千人になった。

 初期の団地はエレベーターのない5階建て、広さ約50平方メートル・2DKの間取りが多かった。このため、広い家を求めて住み替えたり、子が親から独立したりするケースが増えている。

 街はお年寄りから子供まで多彩な世代、階層がいるからこそ、代替わりを続けても街として生き続ける。開発初期の多摩ニュータウンは、団塊の世代とその上の世代が一斉に入居したため、いびつな人口構成となり、多くの住民が一斉に高齢化し、小学校は統廃合を余儀なくされた。

 NPO「多摩ニュータウンまちづくり専門家会議」の秋元孝夫代表はその反省から、70代の一人暮らしや30代の若夫婦などさまざまな人が入居できるマンションづくりを進めている。

 1階にはデイケアの託老所も入れ、その家賃をマンションの管理費や修繕積立金にあてる。入居する25世帯とは間取りから話し合い、将来のリフォームの時に簡単に変更できる構造にする。「3世代・百年使い続けられるマンション」をめざす。

●本格的人口減

 オフィスや住宅、道路などの都市基盤が不足していた時代には、まず供給量を増やすことが求められた。急激な高齢化とその後にひかえる本格的な人口減少は、その政策の前提を崩す。小学校が不足する地域が一部にある一方で、統廃合が必要な地域が増えている現象はその一例だ。

●保全や再利用、重視を

 東大先端科学技術研究センターの大西隆教授は、今後、需要がなくなって見捨てられる土地や建物が増える恐れがある、と指摘する。

 「それを防ぐためにはデフレ型都市政策に転換すべきだ。これからは新しい建物を造ることより、都市に残る農地保全や水辺の確保などの方が重要になってくるのではないか」

 「使い捨て」でなく「リサイクル」。モノだけではなく、老いる巨大都市・東京にも、そんな工夫が求められる時代がきている。(田中郁也)

 
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