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前のエッセー「自動車賛歌」で、私は今度買ったプリウスを褒めちぎったが、とんでもない出来事が起こった。車の愛好者に情報を提供する意味でも、ここで体験談を書いておく。
先日、私は買ったばかりのプリウスに乗って初の遠出を試みた。遠出、といっても、中央道をほぼ1時間走って、石和温泉に一泊しようと計画を立てたのである。
ホテルを予約し、お酌にコンパニオンを指定して、3時ごろに家を出発した。中央道に入って、さてどの程度のスピードがでるか試したら、なんと90キロも出すと車が苦しがるのだ。フルアクセルでせいぜい100キロだろうか。「プリウスマニア」というHPがあり、その情報を読んでいると、120〜140は出る、と書いてあったから、私は愕然とした。
仕方なく85キロ平均で高速道路の左車線をノタノタ走り目的地に向かったが、ちょうど勝沼の手前の長いトンネルに差し掛かった辺りである。目には少しも上り坂には見えなかったから、せいぜい傾斜角度3%程度の坂だと思うが、フルアクセルでも70キロが出なくなった。後続の車がどんどん追い抜いていくので、怖くて仕方ない。フルアクセルで60キロ台で必死に頑張っていると、オートマでドライブに入れたギアがガクンガクンとギアチェンジを繰り返す。そのうち、正面のスピードメーターの横に「亀さんマーク」が点灯して、時速15キロしか出なくなった。
私はハザードランプをつけて、必死に停車場所を探し、トンネルの中の緊急避難エリアにどうにか車を納めた。
たまにプリウスはエンストが起きることは中古車の業者から聞いており、そういうときにはトランクをあけてバッテリーの一部を操作すると直る、と教えてもらっていたので、その通りにしたがダメ。ついにキーを回してもエンジンがかからない状態になった。
横は100キロ前後のスピードで車がビュンビュンと走り抜けていく危険な場所での必死の処置にも関わらず、どうにもこうにもならなくなり、私は契約しているロードサービスのJRSに電話をかけて、レッカー移動してもらうことになった。
さて、そのときの経緯を4月26日の東京新聞の朝刊5面の「発言」という読者投稿欄に載せたので、そこから引用する。
「ふに落ちない故障車への対応」八王子市 那田尚史(49歳) 大学講師
先日、私は八王子から石和温泉まで中央自動車道を通って一泊の旅行に出かけた。ところが勝沼の手前まで来たところで車が突然エンスト。あれこれ試したがどうしようもないので契約しているロードサービス会杜に電話をかけ、レッカー移動を要請した。ところが、担当者が言うには、10キロまでなら無料だが、それ以上は自己負担になり、それも、その場で料金を払わないのであれば、レッカー車は出せないというのである。概算してもらうと4万前後かかると言う。
会員として毎年の会費を掛け捨てしているのに、現地清算をしないとどうしてもダメ、後日振り込むといっても受け付けられないというのだ。あまりに非常識な話である。
結局、知り合いの自動車修理業者に連絡を取って、搬送先が代金を立て替えてくれることになって解決したが、こういう緊急時に「とにかく先に金を出せ」、という態度はいかがなものだろう。
後日調べたところ、ほとんどのロードサービス会社が同じ要求をするという。もっと弾力的で良識ある対応がなぜできないのか、この業界全体の反省を促したいと思う。
と、まあ紳士的にこういうふうに書いたが、実情はこんなものではなかった。
高速道路のトンネルのど真ん中で立ち往生しているのに、金を出さないとレッカー車を出さないというJRSに「ホテルを予約しているから、金を出すと今日泊まれなくなる。後日清算できないか?」というと、どうしてもダメ、を繰り返す。そこで私は完全にブチ切れた。
「この野郎、金だせ、金だせ、と、テメエは乞食か。勧誘のパンフレットに、先に金を払わないとレッカー車は出せないと、何故はじめから書かない。俺は学者だが、少しキチガイの気がある。お前の会社の前でマイクで抗議するが、それでもいいか。この三流企業!!!」等々と大声で怒鳴りつけた。この交渉に30 分。結局相手が折れて、後日清算でいいです、となってレッカー車が来るのに30分。結局高速道路のトンネルの中で1時間待ったわけである。
勝沼の高速を出るまでレッカー車の助手席に乗り、そこでタクシーを呼んで3千円ほど払ってやっとホテルに着き、翌日はJRで家まで帰った。
そこで、この教訓を元に結論。
初代プリウスは以上の通り、高速走行には全く向いていない。今私の車はトヨタで修理中だが、モーターが焼ききれていたという。目に見えないような坂道で 60キロ運転でモーターが焼ききれるとは、とても自動車とはいえない。現行のハッチバック(5ドア)のプリウスは、高速と坂道の弱さをメインに改良されたというが、業者の話ではまだ構造的な部分に不安感があり、またリコールも起きている。トヨタからは未発表だが、次のプリウスの設計図は出来ているそうなので、今年の暮れか来年辺りには売り出されるだろう。プリウスに興味のある人は、車の構造部分が安定するまで、もう少し待ったほうがいい。
次に、ロードサービスの問題である。ほとんどの業者が10キロを超えると有料で現地清算方式をとっているから、遠出をしてに車が動かなくなったときには大変な出費となる。私が調べた範囲では、JAFもJRSもその他のロードサービスもダメだ。
お奨めが2つある。一つはJAの「カーサポート24」というやつで、これは年間会費が1800円程度でとても安いことと、メンバーズカードが同時にクレジットカードにもなっているので、現金をもっていなくても安心だ。もっとも、このサービスも10キロ以上は有料だから、例えば、東京の人間が伊豆半島に遊びに行ったときにエンストしたりすると何十万ものレッカー代金がかかることになる。それにクレジットカードを常時持ち歩くというのは危険でもある。
私が調べて、一番お得だと思ったのはJAWSというロードサービスだ。ここは年会費は4000円だが、レッカー移動に関しては30キロまでがタダ。そしてそれを超えた場合は、JAWSが提携している修理工場に運んでくれて、修理が終わったら自宅まで運んでくれる。修理代は別途かかるが、移動代金、車の搬送代金はタダである。そこで私はこの会社と契約した。
が、この会社は少し怪しい。というのは、この会社のHPにメールで申し込んだが、「紹介者がいないと会員になれない」というのだ。そこで、今度は本社に電話をして申し込むと、同じ答えである。私は「せっかく入りたいというお客さんがいるのに面白い会社ですね」と皮肉をいったら、相手が「どうしても入りたいなら、会社案内会を開いているのでそれに出席してください」といって、ファックスで案内会のスケジュール表を送ってきた。それを読むと、「今こそ儲けるビジネスチャンス」とか書いてある。どうやら、アムウェイとかハーバライフのような会員制のシステム(悪く言えばネズミ講)を採用しているようだ。会社の概要や沿革も読んでみたが、慈善事業など積極的にやっているが、どこか宗教臭さが匂う。
私の場合、会社案内会に出席しないでいたら、JAWSの親会社(エキスパートアライアントという保険会社)と提携しているらしい別の保険会社から「入会申込書」が届いたので会員になれたが、なにか怪しさが漂う。
私はレッカー移動料金の高さを身にしみて知ったのでこのロードサービスを選んだが、この会社には裏事情がありそうである。情報をお持ちの方はぜひ知らせてください。
というわけで、憧れのプリウスもとんでもない車だと知り、またいざという時に加入したロードサービスもとんでもない業者だと知った散々の石和旅行だった。
唯一救われたのが、石和温泉のコンパニオンが良かったこと。スーパーコンパニオンでもないのに、妙に密着サービスをしてくれて、久々に大酒を飲みました。
なお、私の知らないロードサービスでいいところがあればぜひお知らせ下さい。情報交換しましょう。