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(回答先: 日本版「イートンスクール」が大人気 【中央日報】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 15 日 01:59:28)
トヨタ 露で工場起工式 欧州戦略の強化
■日露政府に「貸し」/人材の確保
日本メーカーとしてトヨタ自動車がロシアに一番乗りすることに、自動車業界からはいぶかる声が強い。慎重にも慎重を重ね「石橋をたたいてもわたらない」といわれるトヨタが、「商慣習が不透明で治安も確かでない」(日系メーカー各社)ロシアで、なぜ現地生産を急ぐのか。国際化を急ぐトヨタの“深謀遠慮”を探ってみた。(鵜沢利高)
◆外務省後押し
ロシア市場では「中間所得層の拡大で、上級車への購買意欲が高い」(日系メーカー各社)ことから、海外メーカー車は二−三年後には百万台の大台も確実視されている。欧米、中国、韓国メーカーの進出に先駆けるのが進出の最大の狙いであることは間違いない。
だが、トヨタの昨年の販売は約四万六千台。欧州では年間十二万台超を売るドイツ、イタリアなど、ロシアよりも大きい市場がいくらでもある。「需要のあるところで作る」とトヨタ首脳の言葉は、実は今のロシアには当てはまらない。
にもかかわらずトヨタがロシアに進出を決めたのは、今回の進出がプーチン大統領のおひざ元への進出で、ロシアの国家プロジェクトにも匹敵する内容と位置づけられているからだ。しかも、プーチン大統領来日に合わせ、日本側からの“手土産”として日本の外務省を中心に「相当後押しされていた」(トヨタ幹部)計画でもあった。
「商慣習以上に、ロシアマフィアの存在など不透明な部分が多く、早計な進出決断はできない」(日系メーカー)といわれるが、国家プロジェクトとしてのお墨付きで、単独進出を急いでも日露政府の支援で将来的なメリットが期待できるというもくろみ、つまりは日露政府に「貸し」を作ることができる。
◆拠点が急拡大
トヨタにとって国際化は中核戦略だ。しかしその推進には人材の確保、育成が不可欠。奥田碩会長は常々、世界に拡散した拠点を「伸びきった兵站(へいたん)線」と表現する。とくにここ十年で急拡大した欧州拠点をコントロールするには早晩「人材不足」に行き当たる。
欧州の英、仏拠点はそれぞれ順調に立ち上がっているが、問題となるのは「将来、国家の枠を飛び越えてトヨタの欧州戦略を描くことができる人材をどう育成するか」(トヨタ幹部)。
そこで鍵を握るのが拡大欧州を想定した人材育成。十年、二十年の時間軸で考えると、「ロシアの存在は外せない」(同)。とりわけ欧州の製造拠点がコストの安い東欧、ロシアへと移っていく中で、トヨタ流モノ作りの精神を浸透させるためにも早急にロシアでの人材確保と育成が課題となってくる。
「トヨタはロシア政府の支援で優秀な人材も確保できる」(日系メーカー幹部)と、欧州の人材の国際化の加速を指摘する声もある。
◆危機感の醸成
トヨタにとって欧州戦略の今後の鍵は、実はロシアよりも西欧の拠点拡大や南アフリカも含めた戦略の再構築。しかし欧州メーカーの伸び悩みで北米以上に摩擦懸念も大きい。とくに伸び悩むドイツメーカーとの軋轢(あつれき)は避けたいところ。雇用を増やすためには仏工場の拡大や、政治的な配慮からドイツへの進出も検討課題となるほどだ。
ただ、ロシアでの部品調達や品質の確保、西欧拠点からの応援部隊の派遣問題などは「喫緊の課題の少ない欧州戦略の新テーマ」(トヨタ幹部)になる。故に、「規模は小さいが、ロシア進出はトヨタ流の危機感の醸成」(日系メーカー首脳)という見方もある。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/15kei002.htm