★阿修羅♪ > 国家破産40 > 678.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
【総合面】2005年06月12日(日曜日)付
多摩ニュータウン、借金総額3200億円 税金で穴埋めへ
空き地のままになった都の売れ残り地
多摩ニュータウンの位置
多摩ニュータウン事業の都債の残高と造成地の販売額の推移
造成地の販売不振が続く東京都の「多摩ニュータウン」で、事業を担ってきた都と都市再生機構(旧住宅・都市整備公団)の借金残高が合わせて約3200億円に上る。このうち、都単独では最終的な赤字額が1千億円になるとみられ、都は一般会計による穴埋めを検討していることが分かった。同事業への都の貸付額も約670億円に膨らむ見通しで、国内最大のニュータウン事業で生じた約1670億円のツケは、税金投入の形で都民に回される恐れが出てきた。(岩田清隆)
多摩ニュータウンは、1965年に都市計画決定された。多摩市など周辺4市の約2900ヘクタールを、都と都住宅供給公社、都市再生機構の3者が開発。このうち都が約1370ヘクタール、都市再生機構が約1440ヘクタールにかかわった。
現時点で売れ残っているのは都が104ヘクタール、機構が140ヘクタール。返済すべき金額の残りは、都が約1400億円、機構は約1800億円という。
この事業で都は特別会計を設け、都債発行で民間金融機関などから計4839億円を借り入れた。借金は造成地を売った収入で返済する計画だったが、長引く不況による販売不振や、地価の下落で「都心回帰」の傾向が強まるなどして、販売収入だけでは返済が難しくなってきた。
都によると、返済期限の11年度までに残る借金は元金と利子を合わせ1396億円。造成地の販売見通しを検討の結果、今年度から7年間で返済できるのは約400億円にとどまり、最終的に約1千億円の資金不足に陥る可能性があるという。
04年度は18・4ヘクタールの土地を売却、約120億円の収入で計画通りに返済した。今年度は約70億円、来年度は約330億円を返す計画だが、「来年度中には資金不足になる可能性が高い」(財政当局)。税金投入以外に代替案は見あたらないという。
一方、都は住宅用地だけでなく商業地も開発するため、ニュータウン内の一部で土地区画整理事業を展開。これに伴い85〜98年度の14年間に一般会計から計351億円を特別会計に貸し付けた。貸付金は11年度段階で利子を加え674億円になる見通しだが、返済のめどは立っていない。
販売状況が好転せず、約1670億円を一般会計でまかなう場合、都民1人あたり約1万3千円の税金がつぎ込まれる計算になる。都の財政担当者は「当初は税金投入の予定はなかったが、このままでは一般会計で負担せざるを得ない。見通しが甘かったと言われても仕方ない。今後、都民の理解を得られるようにしたい」と話している。一方、都市再生機構の担当者は「とにかく売っていくしかない」としている。
◇ ◇
◆キーワード
<多摩ニュータウン> 国の新住宅市街地開発(新住)事業のひとつ。東京都の多摩、八王子、町田、稲城の4市にまたがる約2900ヘクタールを開発し、居住人口約30万人を目指したが、現在は約20万人。
http://www.asahi.com/paper/front.html