★阿修羅♪ > 国家破産40 > 629.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: GM不振、いすゞ・スズキ・富士重に飛び火 資本関係見直し論議も (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 09 日 05:17:17)
巨艦GM かじ重く
株主総会ルポ
深刻な販売不振で、経営が急激に悪化している米・自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の株主総会が七日、米デラウェア州のウィルミントンのホテルで開かれた。米国製造業の象徴ともいえるGMの経営の行方は株式市場にも大きな影響を与えかねないほか、日米摩擦再燃の火種にもなりかねない。経営改善の予兆は見えたのか。GMの「長い一日」をルポした。 (米デラウェア州ウィルミントンで、池尾伸一)
■怒り
「これがいまのGMだ」。質問に立った株主のJ・ローブさん(64)が、氷山に衝突しようとしているタイタニック号のイラストを描いたクリップボードを掲げて声を荒らげた。
GM車のセールスマンをしているJ・ドリンジャーさん(42)も「この会社は病気。(会長の)ワゴナー氏にタオルを投げる時期だ」。批判は“身内”からも飛び出した。
株主らが怒るのも無理はない。販売台数は五月まで四カ月連続の前年割れ。一九八〇年代後半に35%あった国内市場占有率(シェア)は25%にまで下がり、ことし一−三月期は大幅な赤字に転落。主要格付け機関は同社の社債を相次いで、投資不適格債に格下げし、三年前に六十ドルを突破していた株価はいまや三十ドル前後と半値以下だ。
■誤算
議長台に立ったワゴナー会長は批判をかわすのに懸命。工場の追加閉鎖で米国内の従業員の二割強にあたる二万五千人を減らす追加リストラ策を公表し、「緊急事態ということは十分に分かっている。もう少し辛抱を」と理解を求めた。
しかし、GMの経営不振の根本は、中国の経済発展などによる原油価格の上昇や、環境問題に対する消費者の意識の高まりというトレンドを読み誤り、燃費の悪い大型のSUV(スポーツ用多目的車)に固執した結果、売れる車がなくなったことだ。にもかかわらず、デザイン担当役員のラッツ氏は「日本人がまねできない六〇年代のノスタルジックな車を造る」と相変わらずの“大型路線”を強調した。
株主からは「ノスタルジアもいいが、もっとシンプルな車を考えたらどうか」との疑問が飛び出した。
もう一つの焦点は年間五十六億ドルにも達し、経営の重荷になっている「レガシーコスト」と呼ばれる退職者や従業員への医療・年金費負担を軽減できるかだ。ワゴナー氏は「UAW(全米自動車労働組合)と真剣に話し合っており、やり遂げる」と表明。だが、シューメーカーUAW副会長は「GMの問題は商品だ。われわれは従業員の生活を守る」とのコメントを即座に発表し、全面対決姿勢を鮮明にした。
■警告
GMの総会はトヨタ自動車、ホンダなど日本メーカーも息を凝らして見守っていた。GMのちょう落に対して、燃費のよい日本のメーカーのシェアは上昇しており、かつてのような経済摩擦が再燃する懸念がないとはいえないためだ。だが、さまざまな不透明要因を残したままの展開に「予断を許さない状況が続く」(米国駐在大手メーカー幹部)と神経をとがらせる。
「本当に経営陣はわれわれ株主の声を聞いているのか」。三時間近くに及んだ総会終了後、株主のR・マクウィリアムさん(70)が疑問を投げかけた。
巨艦・GMが、氷山への衝突を避けられるかは、株主や消費者の「警告」を真剣に受け止められるかにかかっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050609/mng_____kakushin000.shtml