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「為替」 グリーンスパン発言での米低金利の継続観測でドル弱含み、ドル・円106.50円／ニューヨーク外国為替市場概況
「グリーンスパン発言での米低金利の継続観測でドル弱含み、ドル・円106.50円」
ニューヨーク外国為替市場概況 2005年6月8日（水曜日）−株式会社フィスコ 平
松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:44JST 「グリーンスパン発言での米低金利の継続観測でドル弱含み、ドル・円106.50円」
【ロンドン市場概況】
7日のロンドン外為市場では、一時ポジション調整とみられるドル売りが全般的に
優勢になり、ユーロ・ドルは1.2315ドルまで上昇し、ポンド・ドルも1.8328レベル
まで上昇、ドル・スイスは1.2430フランまで下落し、ドル・円も106円54銭まで下落
した。豪ドル・ドルも0.7693レベルまで上昇した。ドイツの4月鉱工業生産の上昇を
受けてユーロ買いがやや強まったが、ユーロ・ドルは1.2315ドルを超えられず、そ
の後1.2294ドルに反落した。ポンド・ドルも1.8306ドルに反落、ドル・スイスは
1.2445フランに反発、ドル・円も106円65銭に反発した。ユーロ・円は131円10銭〜
131円30銭で取引された。
【経済指標】
独・4月鉱工業生産：前月比+1.1％（予想+0.5％、3月-0.3％）
【要人発言】
デップラーIMF欧州局長
「現在のユーロ圏金利水準は適切だが、第3四半期に経済成長が加速しないようなら
利下げが必要になるだろう」
「ユーロは1.20-1.30ドルが適切とのIMFが長期に維持している見方はほぼ正しい」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：106円71銭、ユーロ・ドル：1.2287ドル、ユーロ・円：131円13銭、ポン
ド・ドル：1.8305ドル、ドル・スイス：1.2457フラン
【ニューヨーク市場概況】
7日のニューヨーク外為市場では、昨日グリーンスパン米FRB議長が「低い金利水準
が継続する」との見解を示したことから長期債を中心に債券利回りが低下し、ドル
は上値の重い値動きを続けた。ドル・円はファンド筋の売りに押されて106円82銭か
ら106円50銭まで下落し、短期投機筋の利食いやアジア中銀の買いが下支えし安値圏
106円60銭前後で引けた。ユーロ・ドルはシュレーダー独首相の辞任の噂や強いユー
ロ・円の売りを受けて1.2290ドルから1.2259ドルまで下げたものの、1.2260ドル前
後でのアジア中銀の買い観測などで下げ渋り、結局1.2285ドル前後まで戻して引け
た。
ユーロ・円はユーロ債利回り低下に伴う日欧金利差の縮小を受けた本邦投資家筋の
ヘッジ売り意欲が強く131円17銭から130円74銭まで下落し130円95銭前後で引けた。
ポンド・ドルは1.8274ドルから1.8354ドルまで上昇した。ドル・スイスは1.2448フ
ランから1.2488フランまで上昇した後、1.2452-54フランまで弱含んだ。
【原油市場】
7日のNY原油相場は明日発表予定の週次在庫統計で堅調な在庫増がみられるとの観測
から軟調に推移した。ガソリン在庫は米国が行楽シーズンに突入しているものの、
製油所が稼働率を引き上げていることから堅調な積み上がりが続き、そして原油在
庫もOPECが生産枠を上回る水準で生産を続けていることから大幅な減少は考え難い
との見方が多いようだ。
NYMEXの原油先物（7月限）価格は安寄り後も弱い値動きを続け、結局53.76ドル（前
日比-1.3％）で取引を終えた。
明日発表予定の週次の米原油在庫統計（〜6/3）の事前予想（NY6/7時点）
原油在庫：前週比+25万バレル、前回+149万バレル
ガソリン在庫：同比+110万バレル、前回+130万バレル
蒸留油在庫：同比+128万バレル、前回+78万バレル
【オプション動向】
ドル・円スポット市場では円上昇傾向が続いている事からオプション短期変動率が
引き続き上昇している。1ヶ月物は7.95％から8.05％に上昇し、3ヶ月物は8.175％、
6ヶ月物は8.275％とそれぞれ昨日と同水準で取引されている。
円先高観が強まることからリスクリバーサルでの円コール買いも堅調であり、25デ
ルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+0.6％で変わらず、3ヶ月物は+0.95％から
+1.0％に、6ヶ月物は+1.125％から+1.175％にそれぞれ拡大している。
【株式市場】
NY株式相場はまちまち。グリーンスパンFRB議長の昨晩の講演で、現在の低い長期金
利が今後も続くとの見方を示したことが好感され、朝方は大幅上昇して始まった。
しかし、その後アトランタ連銀のグイン総裁が「中立の金融政策で意見が一致して
いる訳ではない」と発言をしたことで、引けにかけて上げ幅を縮小する展開となっ
た。セクター別では、自動車・自動車部品や不動産が上昇する一方で、半導体・半
導体製造装置やエネルギーが軟調。シアーズ・ホールディングス（SHLD）の決算で
は、Kマートの既存店売上高の低下が嫌気されて8.7％安。インターネット関連の
CMGI（CMGI）も予想を下回る決算を発表して下落した。一方でRBCキャピタルマーケ
ットが目標株価を330ドルへと引き上げたことで、グーグル（GOOG）が上昇。ダウ構
成銘柄では、ゼネラルモータースは（GM）が株主総会で25000人の人員削減を柱とす
るリストラ策を発表して小幅上昇。マクドナルド（MCD）は欧州地区責任者が辞任し
たことで小幅安となった。結局ダウは16.04ドル高の10483.07、ナスダックは8.60ポ
イント高の2067.16で取引を終了した。グリーンスパンFRB議長は長期金利低下の要
因は不明としながらも、長期金利が短期金利を下回ったとしても、経済の景気鈍化
を示唆するとは限らないとの考えを示した。
【経済指標】
米・4月の消費者信用残高：13億ドル（3月69億ドル←55億ドル、予想70〜75億ド
ル）
【要人発言】
ブラウン英財務相
「欧州経済の速やかな成長を望んでいる。現在よりも早いペースでの欧州経済成長
は我々全員に恩恵を与える。」
バイス米FRB理事
「低い長期債イールドは引き続き“謎”である」
「低い長期債イールドにはプラス、マイナスの両局面がある」
「低いイールドはインフレが抑制されている証拠であり、一方で投資家が景気先行
きが停滞すると予想している事を示す」
アルムニア欧州委員
「ドイツに対して2005年度の赤字を欧州連合がユーロ加盟国に義務付ける赤字規
定、財政赤字をGDPの3％以下に抑えるように促した。またすでにこの上限を今夏に
上回りそうなイタリアにも警告」
グイン米アトランタ連銀総裁（議決権無）
「インフレの方向は上方である」
「長期金利が低い水準を継続している理由はわからず」
「雇用コストはある分野で上昇している」
「現状レベルの住宅市場投機は心地よくない」
ウェーバードイツ連銀総裁
「欧州金利は適度な水準にある」
「アジア通貨には更なる柔軟性が必要」
【ロンドン市場始値〜ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 106.79 106.82 106.50 106.61
ユーロ・ドル 1.2280 1.2315 1.2259 1.2285
ユーロ・円 131.14 131.31 130.74 130.98
ドル・スイス 1.2464 1.2488 1.2430 1.2453
ポンド・ドル 1.8289 1.8354 1.8274 1.8351
株式市場：
NYダウ 10466.00 10578.84 10465.92 10483.07
ナスダック 2079.06 2095.96 2067.14 2067.16
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.242 4.192
米国債10年物 3.952 3.905
先物市場：
NY金先物 428.5 428.5 426.2 426.7
NY原油先物 54.20 54.75 53.58 53.76
シカゴ日経平均先物 11240 11300 11200 11225
（フィスコ） - 6月8日6時46分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050608-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。