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成長の限界の21世紀、カタストロフィー回避の道
荒 岱介
http://www.bund.org/opinion/20050605-1.htm
工場・作業場から知を発信しよう
そこから言っても、同様のエシックス・モラルは、工場現場の「知の担い手」たる技術者・労働者にも問われています。先日、浜岡原発の耐震設計を担当した原発技術者の一人が、当時の耐震設計のデタラメを告発しました。そうした勇気ある行動が、現実的な知の担い手である工場現場の労働者・技術者の一人一人に問われているということです。
そして、こうした現場的な「知の実践」と接点を持たなければ、21世紀の新たな社会運動は社会的なアクチュアリティを持ち得ません。宗教であれイデオロギーであれ、形而上学的な真理を信奉する時代は終わったのです。歴史のくず箱に捨てられたと言っていいでしょう。私に言わせれば、かくしてマルクス主義も新左翼も歴史のくず箱に捨てられたのです。
山本義隆さんは東大全共闘のリーダーだったころ「大学解体!」と言っていました。山本さんは当時、東大の大学院にいて、「将来はノーベル賞をとるのでは」といわれた非常に優秀な若手研究者でした。今は予備校の講師になっていますが、山本さんがすごいと思うのは、大学を辞めてからもずっと研究をすすめ、『磁力と重力の発見』では「知は大学にあるのではない。産業革命以前の時代から現場にあった」ということを例証したことです。そうした生き様というのはカッコイイですね。
本当の知は大学ではなく工場・職場にこそある。だから現場労働者が自分がやっていることの社会的技術的な意味を研究する、自分がやっていることの社会的有用性を問題にする、それが現代の知のトレンドだということはわかったでしょう。どんな仕事・職業にも貴賤などないのだから、自分がやっている仕事にプライドを持って職場で研究してください。変な「自由学芸」みたいなものに憧れるのはやめた方がいいんですよ。形而上学的な哲学とかからではなくて、今自分が実際現場でやっていること、職業上問題になっていることから論を立てていく、そういう発想で考えていくのが正しいのです。
http://www.bund.org/opinion/20050605-1.htm