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From: rsch@nier.co.jp
Subject: 更新のお知らせ(2005/4/27) 中前国際経済研究所
Date: Wed, 27 Apr 2005 13:44:03 +0900
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# 4/27に出されたメールが何故5/24まで届かないのだろうか???
米国発不況の構造
http://www.nier.co.jp/kijikanri/news/news-00533.shtml
(2005年4月26日 日本経済新聞(夕刊)「十字路」掲載)
株高志向の経営は生産投資を抑制する。投資よりも、増配や自社株買いを優先する資金配分を選択するからである。投資の抑制は、供給能力の拡大と生産性の上昇を妨げ、内需の増大に対ししては、輸入と貿易赤字の拡大で対応するしかなくなってしまう。
ITバブル崩壊後の米国の非金融企業部門では、設備投資は償却に見合うだけしか行われなくなっている。資本ストック(供給能力)が増えてこないのである。一方、純利益のほとんど全てが配当に回され、加えて巨額の自社株買いが資金を借り入れて行われている。株主主権が行き過ぎて、利用可能なあらゆる資金が株高のために投入されているのである。
原油価格の高騰によって顕在化した石油産業の過少投資も、キャッシュフローは収益見通しの不確かな長期投資よりも増配や自社株買いに向けるべきだ、という株主の要求が強すぎた結果である。
マクロ経済の視点からすると、消費を中心に内需を増やしても、供給力に制約があるため、輸入に頼らざるをえない。逆にいえば、ドル安でも輸出が増えないのである。経常赤字の縮小には、不況によって輸入を減らす以外に方法がない。それも相当厳しい不況が必要だ。
巨額の経常赤字を解消する過程での不況を緩和するには、国内で設備投資を増やし、供給力を拡大し、輸入を代替していくことが不可欠である。法人税が低く、賃金の安い海外に投資して、その生産物を輸入する、という多国籍企業の戦略を国内投資重視に転換させる税制や企業統治の抜本的な改革が必要である。
これが成功するか、失敗するかを問わず、アジア危機以降、対米輸出依存度の極端に高まったアジア経済への衝撃は、極めて大きいものになることを覚悟しておくべきだろう。