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●あなたも無認可共済にご加入していませんか?大丈夫ですか?
トラブル急増「無認可共済」法規制へ
◆保障に“弱点” 契約者守れ
保険と似た金融商品を販売しながら法的根拠がなく、苦情やトラブルが急増している「無認可共済」に、法規制の網がかかる見通しとなった。保険会社並みに10万人以上の契約者を抱える大規模業者がありながら、共済金の支払いに備える責任準備金が不足している共済も多く、契約者保護を図る必要があるからだ。金融庁は1月開会する通常国会に保険業法改正案を提出し、無認可共済の規制に乗り出す。(東 直人)
◆責任準備金不足 商品審査もなし マルチまがいも
■無認可共済とは
共済は、職場や地域などの「特定の人」がお金を出し合い、集まった資金の中から、医療費や葬祭費などを支出して助け合う互助会的な組織だ。このうち、法的規制の枠外にあるものを、無認可共済という。
現行の保険業法は、保険会社の定義として「不特定の者」を対象とする、と規定している。大半の共済は、特定の会員組織を作り、加入者を会員にしているため、生命保険や損害保険などの保険に似た金融商品を取り扱いながらも、保険業法の適用対象から外れ、無認可共済となっているのが実態だ。
無認可共済が扱う商品は多種多様で、「安い掛け金」をうたい文句に、多くの加入者を集めている。例えば、ペットの医療費や賃貸アパート経営者の家賃収入、美容整形外科医が手術ミスで請求される賠償費なども保障している。死亡保障や入院保障、自動車事故での加害・被害補償など、保険会社と変わらぬ商品を扱う場合は、大手保険会社より3割程度安い掛け金を売り物にしているケースが多い。
例外的に、農業協同組合法に基づくJA共済など一部の共済は「認可共済」といい、特定の根拠法による規制を受けている。
■相談件数急増
無認可共済は本来、特定会員が対象だが、実際には互助会組織を逸脱し、入会金さえ払えば誰でも入ることができるケースが少なくない。法律の規制外なため、免許や商品審査などの制約がなく、保険会社に義務づけられている最低10億円の資本金を用意する必要もない。
共済金支払いに備える責任準備金が不十分な団体も多い。こうした業者が破たんすれば、共済金(保険金)が支払われず、契約通りの保障を受けられない恐れがある。マルチまがいの募集など契約者とのトラブルも絶えず、社会問題化している。
総務省が昨年実施した無認可共済の調査によると、団体名や商品に共済を使用している団体は全国で684に上った。このうち、回答があった370団体の共済への加入者数は延べ2000万人を超えていた。調査に協力した共済は、全体のごく一部で、業界の実態は依然不透明なままだ。
国民生活センターに寄せられる共済に関する相談件数も1998年度の363件から2003年度は986件に増加。このうちマルチ・マルチまがい販売に関する相談は4件から139件に急増した。
■参入促進と評価も
無認可共済の規制のあり方を議論してきた金融審議会(首相の諮問機関)は昨年末、無認可共済を原則、免許制の保険会社として扱うべきだ、とする報告をまとめた。金融庁も金融審の報告に沿った保険業法改正案の作成を急いでいる。
改正法案では、保険と共済の定義を隔てていた「特定」「不特定」の垣根を撤廃する。無認可共済も2―3年の移行期間に、既存の保険会社と同様に株式会社か相互会社に転換し、責任準備金も積み立てて、〈1〉保険業免許を取得する〈2〉特例として新設される「少額短期保障事業者」になる――のいずれかを選ばなければならなくなる。ただ、認可共済と企業内共済などは引き続き規制対象外だ。
このうち、少額短期保障事業者は「ミニ保険会社」とも言えるものだ。見舞金や葬儀費用など、1000万円以下の少額の保障で、1年程度の短期保障の共済を念頭に置き、参入しやすい登録制とする。
責任準備金の積み立ては義務づけるが、最低資本金ラインを保険会社の10億円よりも大幅に下げ、国の商品審査も必要最小限に抑える考えだ。
こうした法規制の方向性について、保険業界は「事業が不安定な共済が放置されていると、保険全体に対する消費者の信頼が失われる」(加藤貞男・日本生命常務)などとおおむね歓迎している。今回の規制改革が、特定分野に特化したミニ保険会社の参入促進につながると評価する声もある