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主要企業本紙アンケート 米中経済の減速「不安」
産経新聞が百二十一社を対象に実施した企業アンケートで、景気の現状認識では「拡大」と「横ばい」が拮抗(きっこう)するなど、景気の後退懸念は払拭(ふっしょく)されたが、先行きに対する見方は依然として分かれている実態が浮かび上がった。とくに米国や中国経済の減速など海外市場を不安視する企業が多く、外的要因に日本経済が左右される体質は変わっていないようだ。一方、企業買収をめぐる防衛策には迷いもみられるなど、企業経営者はその手腕が一段と問われることになりそうだ。
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≪景気≫
現状認識では「後退」と回答した企業はなかった。今後の不安材料としては「米国経済」「原油価格」「中国経済」が上位となり、「その他」として円高の進行や構造改革の停滞を指摘する意見もあった。
日本に影響の大きい米国経済の不安要因については、原油高騰が74・4%とトップ。個人消費や住宅投資に対する不安がこれに続いた。
日本経済を悩ませてきたデフレについては、「今後一年程度で終息する」とみる企業が45・5%で首位になり、デフレ脱却を間近に展望している様子がうかがえる。ただ、価格下落に悩む電機業界では「二−三年」が最多となった。
≪M&A≫
■買収防衛策に高い関心
ライブドアによるニッポン放送株取得で議論が高まっているM&A(企業の合併・買収)問題。敵対的な買収に対する防衛策については、二社が「年内に具体策を導入する」と回答したが、導入時期を明言したのはこの二社だけだった。
ただ、時期を問わずに「導入する」、「検討中」と回答した企業は41・3%。無回答や「その他」を除く有効回答の中では80・6%にのぼり、関心の高さが表れた。「検討していない」は十二社にとどまった。
具体的な買収防衛策は無回答が多いが、日用品関連メーカーや食品関連メーカー、住宅・ゼネコンなど七社が「増配」を選択。また、議決権などを制限する「種類株」も造船・重機業界、素材メーカーなど五社、「役員改選期の分散」が四社、自社株式を買い占めた相手の保有比率を低下させる「毒薬条項(ポイズンピル)」は三社がそれぞれ検討対象に選んだ。
一方、企業買収を経営戦略に活用すると回答したのは50・4%。「ブランド、技術の迅速な獲得」などの理由を情報関連産業や日用品関連メーカーなどが指摘した。
また、「友好的な買収であれば、企業価値向上に役立つ」などと「友好的」を強調した回答も目立った。72・7%は「今後、日本で企業買収が活発化すると思う」と回答しており、外資ファンドなどだけでなく、日本企業同士による買収も増えるとみているようだ。
≪反日デモ≫
■対中戦略見直しも
中国の反日デモに関連し、反日活動の拡大に対する不安の有無を問う設問では、四社が「大いに不安」と回答。「やや不安」も合わせると、不安視する企業は66・9%にのぼった。
中国のカントリーリスクについても「危険視する方向に見直した」「今後見直す」が20・7%あった。
対応策については回答を保留する企業が七割にのぼるなど、中国側に配慮する姿勢が目立つ。経営への影響は、「今のところ経営や事業に影響がない」が79・3%と大半だが、一社は「大いに影響がある」とし、14・9%が「やや影響あり」と回答した。
≪首相支持率≫
毎回調査している首相支持率は38・8%。昨年末の36・1%からやや上昇した。「不支持」は二社にとどまったが、「どちらともいえない」の中では「改革の姿勢は評価するが、スピードが遅い」(電機メーカーなど三社)とする不満が多かった。
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【アンケートの質問項目】
(1)国内景気の現状をどう認識していますか
(2)前問で「拡大」と回答した場合、拡大はいつまで続くと予想しますか
(3)前々問で「横ばい」など、「拡大」以外の回答をした場合、いつ拡大に転じると予想しますか
(4)日本経済に不安材料があるとしたらどんな点ですか(2つまで複数回答可)
(5)今年度上期の企業業績見通しについて
(6)今年度下期の企業業績見通しについて
(7)平成18年3月末の日経平均株価はどの程度と予測しますか
(8)米国の景気拡大はいつまで続くと予想しますか
(9)米国経済の不安材料は(2つまで複数回答可)
(10)デフレの終息時期は
(11)原油、素材価格や海運費用の高騰にどう対応しますか
(12)企業防衛策について、具体的な対策を導入する予定がありますか
(13)導入予定の企業防衛策について(複数回答可)
(14)企業防衛策を経営戦略として活用する考えはありますか
(15)日本で企業買収は活発化すると思いますか
(16)中国での反日デモなどについて、反日活動の拡大不安はありますか
(17)反日デモは経営や業務に影響がありますか
(18)反日デモで、中国のカントリーリスクを見直しましたか
(19)前問でリスクを高い方向に見直すと回答した場合、どう対応しますか(複数回答可)
(20)小泉純一郎首相を支持しますか
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【回答企業121社】
旭化成、旭硝子、アサヒビール、味の素、イオン、石川島播磨重工業、出光興産、伊藤忠商事、イトーヨーカ堂、NEC、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTT東日本、エーザイ、王子製紙、大阪ガス、花王、鹿島、川崎重工業、関西電力、キッコーマン、キヤノン、九州電力、京セラ、キリンビール、近畿日本鉄道、KDDI、コーセー、神戸製鋼所、コスモ石油、コマツ、サッポロビール、三共、三洋電機、JR東海、JR東日本、JFEホールディングス、JTB、四国電力、資生堂、清水建設、シャープ、商船三井、新日本製鉄、新日本石油、住友化学、住友金属工業、住友商事、積水ハウス、セブン−イレブン・ジャパン、全日本空輸、ソニー、損害保険ジャパン、第一生命、大成建設、大日本印刷、大和証券グループ本社、大和ハウス工業、高島屋、武田薬品工業、中国電力、中部電力、帝人、東京ガス、東京海上日動火災保険、東京急行電鉄、東京電力、東京三菱銀行、東芝、東北電力、東レ、凸版印刷、トヨタ自動車、日興コーディアルグループ、日産自動車、日本IBM、日本航空、日本水産、日本製紙、日本生命、日本ハム、日本マクドナルドホールディングス、日本郵船、野村証券、博報堂DYホールディングス、長谷工コーポレーション、日立製作所、ファーストリテイリング、ファミリーマート、富士写真フイルム、富士重工業、富士通、ブリヂストン、北陸電力、北海道電力、ホンダ、松下電器産業、マツダ、丸紅、みずほフィナンシャルグループ、三井化学、三井住友海上火災保険、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産、三井不動産、三越、三菱化学、三菱地所、三菱自動車工業、三菱重工業、三菱商事、三菱電機、三菱マテリアル、UCC上島珈琲、UFJホールディングス、ユニ・チャーム、ライオン、リクルート、リコー、ローソン、ワコール(五十音順)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/05kei001.htm