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Re: ニッポン破産!!『2008年IMF占領』(光文社刊)著者エコノミスト森本亮
http://www.asyura2.com/0505/hasan40/msg/291.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 5 月 03 日 21:04:57: YdRawkln5F9XQ
 

(回答先: ニッポン破産!!『2008年IMF占領』(光文社刊)著者エコノミスト森本亮 投稿者 木村愛二 日時 2005 年 5 月 03 日 12:12:11)

http://blog.goo.ne.jp/noboru11_001/e/c0bd75d6ebeccbfdd6bc235490470a2d

光文社ペーパーバックスは結構売れているらしい。以前、新聞で「−結構売れてますね−」「−ターゲットとしては・・」なんていうペーパーバックスシリーズを企画した方へのインタビュー記事が掲載されていたのを読んだことがある。『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』なんて結構売れたようで一時期書店での平積み量多かった印象がある。確かターゲットとしては「30代のデキルビジネスマン」みたいなことを言っていたと記憶している。今までの既刊リストを見てもビジネスマン向けのモノが殆どだ。
特徴は
 
 1.ジャケットと帯がないこと
 2.可能な限り再生紙
 3.本文は全て横書き
 4.文中に英語が混じる
 
 一番の特徴は「4」だと思うが、この試みは読者にどう映っているのだろうか。私は最初「読みづらいなぁ」と思ったものの慣れてしまった。というか多分読んでいる最中は英単語の認識率が日本語より低いと思う。ただ、この日本語は英語ではこういうのかと思ったときに英単語に目が止まる、という程度だろうか。別にこのペーパーバックスシリーズで英語の勉強をしようと考える人はまずいないだろう・・・(笑)。
 
 前置きが長くなったが勝手な書評。

■『2008年IMF占領−財政史から見た『日本破産』−』(税込1,000円)
著者:森本 亮(あきら)氏
 1935年、東京生まれ。1958年早稲田大学卒業後、三菱信託銀行に入行、調査部に勤務のさい、故・高橋亀吉博士に師事。1978年同行を退職して、経済評論家として独立。一貫して日本の国家財政に警告を発するかたわら、経済の未来予測を的中させてきた。「経済工学研究所」を主宰し、白鴎大学で教鞭をとる(客員教授) [以上裏カバーの著者紹介文章をそのまま転記]

 はじめに
 第1章 私は20年以上前から警告してきた
 第2章 国債暴落待ったなし
 第3章 日本銀行破産
 第4章 よみがえる「40年論争」
 第5章 この道はいつか来た道
 第6章 小泉首相は偽改革者
 第7章 2008年IMF占領
 第8章 国家破産は「破滅」ではない
 おわりに (以上238ページ)
 巻末資料

 「はじめに」で著者は、最近の「日本国破産」「預金封鎖」などに関する本は読者に危機感を植え付けることに終始し、自らの商売の種としていることを指摘した上で「あなただけ損をしない方法を教える」という志の低さを嘆き、自ら20年前から訴えてきた「財政の危機的状況」を示す論の集大成の本としてそういった類いの本とは一線を画していると自負を述べられている。
 20年前から財政危機を訴えてこらただけあってその論拠は財務省のデータなどを駆使して高橋亀吉博士に師事した「財政史家」の立場から歴史的叙述も加えて論理展開されている。かつて大蔵省事務次官を務め大蔵省のドンとも言われた ”長岡實氏”(猪瀬直樹さんの「ペルソナ」の冒頭に出てくる)からのメッセージも紹介されていたり、主催する「経済工学研究所」の定期懇話会に小泉首相(当時は普通の代議士)、武藤敏郎大蔵省事務次官(現、日銀副総裁)などが来ていた等の記述などもあり、真摯に研究してこられた姿勢が窺える。

 そうした自らの立場の一貫性を示した上で、「財政の爆発指数」という指標を使い、2005年度(平成17年度)予算で既に257、すなわち税収44兆円に対して借金の返済額(利息分+借換債)だけで113.1兆円に対し、2.57倍もの金額に達することを異常視し、国の公会計制度が単式簿記(家計簿のように現金の収支、商品の増減などだけを記入する簿記)である点に政府全体の決算ができない(資産・負債がいくらあるのか分からないためバランスシートが作れない)原因があるとして憲法改正(第7章の財政)による複式簿記の導入を提言している(かつて早稲田の創始者・大隈重信が複式簿記を導入していたが山縣有朋が単式簿記に戻してしまった歴史的史実に言及している)。
 次に、国の一般会計予算(平成17年度で約82兆円)が国会の承認を必要とするのに特別会計(一般会計との重複分を差し引いた額)歳出額が231.9兆円にも達するにも関わらず、国会の承認を必要とせず、国が勝手に使える点を問題視して郵政民営化の表面的な改革だけで終わらせそうな小泉改革を「偽改革者」と皮肉っている。確かに就任前は国債発行額を30兆円に抑えるとしていた公約を反故にしておきながら「大した問題じゃない」と言い放っていたのを覚えているし、著者も痛烈に批判している。
 そして何故「2008年」かという問いに対しては財政爆発指数が2008年に300を超えるから、すなわち前述した税収に対する利息の支払いと借金を返済するために再度借金をする借換債の合計額が3倍!(利息+借金の借り換えだけでですよ!)を超えてしまうことに加え、98年の小渕首相時代に景気対策のために発行した10年物国債の償還期限が2008年に期日を迎え、そのために1会計年度の税収に匹敵する約40兆円の借換債を発行せざるを得ないことの2点をその答えとしている。
 
 さらに、その後の想定されるシミュレートとして2つの破産処理を示してる。

 1つ目は財産税や預金封鎖
 2つ目はIMFによる日本占領政策

 残念ながら著者は後者のシナリオを予測し、アメリカの51番目の州のごとく完全属国化、1945年に続き2度目の敗戦を迎えざるを得ないと結論づける。

 では、日本が自ら財政危機を克服できずに韓国やアルゼンチンのようにIMFの管理体制に入ってしまった場合にはどのような政策が実行されるのだろうか。いわゆる『ネバダ・レポート』で示されている政策の要点が示されているのだが、ここら辺は本書を手にとって実際に読んで欲しい。

 原油価格は最高値を示し、ナフサなどの石油関連製品も値上げすることが報道され、鉄鋼価格も上昇しており、モノの価格が高くなってきている(私はインフレの予兆と見ている)。加えて、長期金利が上昇したら国債が暴落(誰も買わない)し年率数十%のハイパーインフレの可能性があることは本書に限らず数年前から専門家が指摘していることだ。

 おそらく、現実にハイパーインフレが私達の日々の生活を襲った時には「政治家が悪い」「官僚が悪い」とマスコミはスケープゴート探しに躍起になることが予想されるが、確かにそういった面もあると思うが「国よ何とかしてくれ」「公共事業をたくさんやってくれ」と税金に寄生する甘えた日本人が実は非常に多くいる(だから借金をして無駄な事業をせざるを得ない)ことや税金や郵便貯金がどのように使われているか国民の側にあまり関心がないことが原因ではないだろうか。郵便貯金は財政投融資資金として国債や特殊法人に流れ、そのうちの7〜8割は不良債権化していると言われており、預金者全員が引き出しに行った場合には論理的には戻ってこないことは周知の事実だ。もちろん、新聞を見ていれば財政の危機的状況を示す報道はいくらでもあり、私自身もそこまで詳しくないが、せめてこういった本くらいは読んで現状認識くらいは最低限しておく必要があるだろう。結局、現状認識ができている人が少ないから対策を打つ必要性の論調が盛り上がらないのだから(いや、もうダメだと思っている人が多いからからもしれないが・・・(笑))。

 最後に2004年3月末の日本国の債務残高は著者の計算によれば703兆円に達するという(まあ、90年代にアメリカに借金をしろと迫られたってのもあるけどね・・・)。

 まあ、読んでみて損はないと思う。


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