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職場から :春爛漫 陽気はよくても気分は不愉快 (SENKI)
http://www.asyura2.com/0505/hasan40/msg/204.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 4 月 30 日 16:16:25: ogcGl0q1DMbpk
 

職場から

春爛漫 陽気はよくても気分は不愉快

http://www.bund.org/culture/20050505-1.htm

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金持ち優遇の任意継続保険を知ってるか

低所得者、高齢者の保険負担が増えていく

谷山進一

 わたしは首都圏の健康保険組合に勤務している。曲がりなりにも公平な公共の福祉を旨としてきた健康保険だが、今や財源不足から保険料負担の割合が大きく変わろうとしている。  

 その一つとして、4月6日、経済同友会は75歳以上を対象にした高齢者医療制度を新設し、患者の自己負担を1割から3割に引き上げることなどを柱とした医療改革制度の提言を発表した。改革は2006年の通常国会で審議予定だというが、今後高齢者の医療負担が高まっていくのは必至だろう。  

 こうしたなかで、保険料負担の中に高所得者になるほど保険料が割安になる制度があることがあまり知られていない。退職後に適用可能になる任意継続保険のことだ。

任意継続保険のマジック

 では任意継続保険とはどういうものか? これは在職=被保険者であった期間が2ヶ月以上(共済組合は1年以上)あった被保険者が退職=資格喪失した後、20日以内にそれまでの保険者で手続きすれば最長2年にわたって任意に被保険者の資格を継続できるというものだ。ただし保険料は全額自己負担になるため、在職時の保険料の2倍になる。そのためすべての人が任意継続保険を選択するわけではないのだが、じつはここで「マジック」が登場する。  

 なんと任意継続保険の場合、保険料負担に上限が設けられているのだ。これは退職時の標準報酬月額(給与を金額ごとにクラス分けしたもの)が、その保険者の平均標準報酬月額を上回る場合はその平均を上限とするというものだ。  

 たとえば政府管掌保険の場合、平均標準報酬月額が28万円なのでそれ以上に給与をもらっている人は、退職時にどんな高額の給与であっても28万円の保険料が適用される。逆に退職前の給与が平均以下の場合は、退職前の保険料の単純2倍(全額自己負担のため)になる。  

 なぜこんな「マジック」が用意されているか? 名目は「退職後に保険料が急激に上がることへの救済措置」となっているが、実際に任意継続の手続きに来る人のほとんどは、毎月の給与が50万、60万の人たちだ。つまりもともと比較的生活に余裕のあるような人たちが保険料を少しでも安くしようと手続きにくるのである。  

 「いやー、保険料が安くて助かります」。手続きの事務をしながらこんな声を何度聞いたことか。社会保険庁の統計を見ると、この10年で任意継続保険を手続きする人は2倍以上に増えている。先行き不安のなかで、少しでも出費を減らそうとする人が増えているのだろう。  

 だが考えても見てほしい。もともと給与がそれほど高くない人が「保険料を全額負担すれば保険が続けられます」といわれても、その負担は決して小さくはない。すぐに次の仕事に移れればともかく、望まずに退職せざるを得ない場合も多々あるだろうから、余計な負担を少しでも減らしたいと思うのが人情だろう。むしろ国保にすんなり移ったほうが安く済むかもしれない。  

 優遇措置をいうのであれば、低所得層に配慮するのがスジってものだ。それなのに実際は、国保にいくと保険料が高くなる比較的高所得な人たちに対して優遇措置がとられているのだ。  

 ちなみにわたしが知る限り、国会や組合団体などで任意継続保険が「金持ち優遇」として問題にされたことは一度もない。将来自分たちが任意継続保険に入るために制度を温存しておきたいという、高所得層の権益確保ではないかと疑っている。           

(法人職員)


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校庭の桜、発生する毛虫をマラソン乳剤で退治?

農薬撒くリスクのほうが高い

喜多岳史

 新学期の季節がやってきた。小学校の用務員であるわたしは、桜が校庭で咲き誇るのをみて大きな不安にかられている。  

 というのも、昨年のゴールデンウィークの直後、桜の害虫駆除と称して大量の農薬が散布されたからだ。この数年間、シックスクール原因物質を可能な限り排除しようとしてきただけに残念だった。今年も同じことが繰りかえされてしまうのか。

 オビカレハの幼虫は害がない  春の桜に発生する毛虫は「オビカレハ」という蛾の幼虫である。毒もなく、人を刺すこともない。葉を食害するが、全部食べてしまうわけではない。毛虫の嫌いな人が不快感を覚えるだけのことである。  

 毎年この季節になると、子どもたちに「これは『オビカレハ』という名前の毛虫だよ。毒がなくて人を刺したりしないから大丈夫」「でも、毛虫にもいろいろあって、イラガの幼虫は刺されるとものすごく痛いから触ってはいけないよ」と教えている。低学年の子どもほど興味を持ち、オビカレハを手に乗せたりして遊んでいる。  

 まあ、そうはいっても毛虫は刺すものだと思い込んでいる人が保護者や教員にまだまだ多いため、昨年は人力で300匹ほど捕獲して処分した。ずいぶん目立たなくなってきたなあ、と思っていた頃の農薬散布だった。  

 散布された農薬はマラソン乳剤500mLだ。スミチオンとならんで、毎年大量に生産・散布される有機リン系殺虫剤である。発がん性、変異原性、催奇形性、生殖毒性、免疫毒性が動物実験でみとめられている。  

 化学薬品業界は毒性試験、残留性試験を経て登録された農薬は、正しく使えば人間に対して安全であるという。慢性毒性では動物実験から求められたADI(1日摂取許容量)値を超えなければ安全であるとされている。  

 だからといって、まったく「無害」ということではない。業界の人間自ら、自分のHPでそのあたりのことを論じている。「残留農薬よりタバコや肥満のリスクのほうが数千倍も高い」「残留農薬より食物にもともと含まれる有害天然成分の方がはるかに多い」。要は「リスクベネフィット」だと。  

 原発容認論と同様の論理を展開しているので笑ってしまったが、確かに私たちの生活から化学物質を完全になくすことは不可能である。それではどうしたらいいのか。最新の知見と予防原則からグレーゾーンにある農薬は規制する、必要最低限しか使わないなど、うまくつきあうしかないだろう。  

 先述したHP開設者も「日本の食品の20〜30%は食べ残されているようです。それを無くすだけでも、同じ割合で農薬の使用量が減ることにつながるのです。大して問題にもならない衛生害虫に殺虫剤をまく、意味なく抗菌グッズを使う……無駄です。手の届くところからコツコツと始めることが肝心ではないでしょうか?」と述べている。もっともな意見だ。  

 これからいっても、わが校の農薬散布はあまりにも科学的根拠を欠いた無駄かつ無分別な行為である。散布の理由とされた「児童に被害」などというのは、毛虫の性質を調べれば出てくるはずがない。単なる偏見と思い込みでしかないのだ。  

 害虫駆除の依頼書には校長、教頭、教務主任、校務主任、事務職員の押印があった。彼らにとって、学校で日常的に使われているワックスや校庭の樹木への農薬散布などが原因で健康被害を受けるシックスクールよりも、児童が毛虫に刺される可能性のほうが問題なのだ。子どもが刺されれば、保護者から学校の管理責任を問われるからである。学校現場や公務員伝統の事なかれ主義のなせる技だ。  

 わたしは今年こそ散布を止めようと、「オビカレハの毛虫は刺さない。農薬を撒くほうがリスクが高い」としつこく訴えているのだが、なかなか聞き入れてもらえない。すでに農薬購入の予算がたてられ、5月始めに散布が予定されている。  

 こうなりゃ、次は教室のワックス選定だ。少しでも有機化合物の少ないシックスクール対応品を買わせよう。前例踏襲、事なかれ主義とのフリクションが発生するだろうが、ここは少しがんばってみるつもりである。      

(小学校用務員)


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春の交通安全週間、原付でスピード違反!

制限速度で走るほうが危ない

篠田陽子

 免許を取って7年目にして、初めて道路交通法違反で捕まってしまった。原動機付自転車によるスピード違反が原因だ。その日は、仕事上どうしても図書館に調べものをしに行かなければならなかった。電車で行こうかと思ったが、20度を越す春うららの好天気。愛用のバイクで出かけることにした。  

 桜の開花宣言から8日目。春の日差しを受け、ヘルメットの中で鼻歌を歌いながらご機嫌でバイクを走らせていた。そのとき、突然ピィーッと耳をつんざくような笛の音が響いて、高架の柱の影から黒い人影が飛び出してきた。最初何のことだかわからなかったが、警官が真っ赤なチェッカーフラッグを振り回している。脇の細道に入るよう誘導してきたので、ああこれがあのねずみ取りか! と気づいた。  

 その時にはもう遅すぎた。春の交通安全運動で一斉取締りを行っていたのだ。まんまとひっかかってしまったというわけだ。年配の警察官と新米の警察官が数人ずついて、いろいろと質問してきた。

 「自分で何キロぐらい出てたかわかってるんですか?」 「さあ?」 「50キロ以上出ていたんですよ」 「え、ウソ」  証拠の紙に書かれた数字を見せられた。最終的には20キロオーバーだということで2点減点された上、1万円の罰金だという。  

 青キップを渡されたあと、年配の婦警が「原動機付き自転車の場合は制限速度が30キロですから。それ以上は出さないように気をつけて下さい」と言った。どうしても腑に落ちない。原付きの場合30キロを維持して走るのはかなり危険だ。後ろから来た車に追突されそうで怖いし、第1まわりの車の迷惑になる。交通の流れを妨げないためにも、少なくても40キロから50キロは出さないと逆に危険を感じる。  

 そもそも原付の速度制限が30キロというのは何を根拠にしたものなのか。法定速度が決められた当時の原付は、自転車に後輪をベルトで駆動させる装置をつけたものが主流で、まさに原動機付き自転車≠ニいう名前が表すとおりのものだった。確かにこの当時のものはタイヤも細く安定が悪いので、30キロの速度制限というのはかなり妥当な線だったと思う。  

 しかし現在では30キロを維持して走ると、逆にフラついてしまう。安定を保つためにも40キロから50キロぐらいがちょうどいい。独楽が回る原理と同じことで、タイヤが早く回転することによって安定が保たれる。  

 なぜいつまでも30キロ制限のままなのか。道交法は過去にも改正を繰り返しており、最近でも自動二輪車の高速道路二人乗りが解禁になった。原付にだって規制緩和があってよいではないか。  

 時代遅れの法定速度は、違反者を取り締まるための格好の材料なのだ。今の心境ではどうしてもそう思ってしまう。警察は手っ取り早く自分たちの仕事の成績をあげるために、原付の速度を遅いままにしているのだ。  

 これじゃあ春の交通安全週間≠カゃなくて春の警察得点稼ぎ週間≠セ! そう思うと警察が嫌いになってきた。しかもよく観察してみたら、どうやら新人研修を兼ねての取り締まりだった。新人の手際の悪さを先輩がいろいろ指導したり、時にはものすごい剣幕で怒鳴り散らしたりしていた。  

 つまり私は、新人に仕事を覚えてもらうためのかっこうのネタにもされたというワケか。そう考えたら余計に腹が立ってきた。サクラ散る。       

(編集業)


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(2005年5月5日発行 『SENKI』 1177号5面から)


http://www.bund.org/culture/20050505-1.htm

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