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米上院で中国からの輸入品に一律27・5%の報復関税か。日本も米国と連帯して中国の元切り上げを要求すべきだ
http://www.asyura2.com/0505/hasan40/msg/137.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 4 月 23 日 14:20:03: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu93.htm
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米上院で中国からの輸入品に一律27・5%の報復関税か
日本も米国と連帯して中国の元切り上げを要求すべきだ

2005年4月23日 土曜日

◆米の対中強硬論日本は戸惑い 4月17日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050417/mng_____kakushin000.shtml

米ワシントンで閉幕した先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、参加を見送った中国が「陰の主役」となった。対中赤字の拡大で国内的な不満が頂点に達し、中国に硬直的な為替制度の変更を求めようとする議長国・米国。一方、これを二国間問題ととらえ、反日運動が高まっている中国をこれ以上刺激したくない日本。G7は共同声明で中国を直接名指しすることは避けたが、舞台裏では熾烈(しれつ)な駆け引きが展開された。 (ワシントン・川上義則、久留信一)
 ▼風 圧

 G7開幕前、スノー米財務長官は米テレビに出演し、中国に痛烈なメッセージを送っていた。

 「中国は為替柔軟化に向けた改革措置を進めてきた。今こそ柔軟な為替制度に向けて動く時だ」

 「変動相場制は、自由で公正な通商関係につながる」。前日には、ブッシュ大統領自身も中国に変動相場制への移行を促す異例の直言。政権首脳の一連の発言の背景には米議会や産業界の強い政治圧力がある。

 中国は一九九〇年代半ばから、人民元の為替相場を、為替介入などを通じて一ドル=八・二八元に事実上固定してきた。米国の産業界の一部では、相対的な元安を背景に拡大する中国からの輸入に「不当な輸出補助金にあたる」という不満が渦巻いている。

 こうした声を受けて議会も動いた。今月六日には、上院で中国からの輸入品に一律27・5%の報復関税を課す対中制裁条項を、二〇〇六年度国務省支出権限法案に盛り込むことが決まった。

 ブッシュ政権内ではいまひとつ存在感が薄く、常に勇退論がくすぶるスノー財務長官にとって、議会内の険しい空気を無視することは難しい。財政相・人民銀行総裁ともにワシントン行きを断ってきた中国への風圧を強めざるをえない状況に追い込まれた。

 米国の強硬姿勢で、共同声明作成をめぐる各国間の調整は難航。「まるで欠席裁判」との声も上がる中、閣僚会合が再開された十六日朝までぎりぎりの折衝作業が続けられた。

▼温度差

 「中国政府がいろいろ考えていると思うので、良い方向で解決してほしい」。G7会議前にスノー長官と会談した谷垣禎一財務相の発言には、中国を敵対視する米国との微妙な温度差がにじむ。

 日本が米国と一線を画する背景には「米国の対中赤字拡大は二国間問題」との認識がある。政治大国としての自負心が強い中国に、G7が足並みをそろえて圧力を加える形になれば「かえって逆効果」(外交筋)との計算も働いている。

 米国の姿勢に日本が同調すれば、中国で盛り上がる反日運動を一段と激化させる恐れもある。反日運動によって日系製品の不買運動など経済面での悪影響も拡大している。日本政府の排他的経済水域(EEZ)でのガス田開発で緊張関係にある日中関係を、一段と悪化させることは、日本にとって得策とはいえない。

 日本と中国との貿易収支は現在ほぼ拮抗(きっこう)。米国と異なり、人民元の変動相場制への移行で得られる直接的な利点も多いとはいえない。

 外交関係は冷え込む一方で、経済面では中国との関係は年々深まっている。鉄鋼など旺盛な原材料需要をのみ込む中国との相互補完関係の強化は、日本にとって最大の課題であるデフレ脱却の大きなよりどころでもある。最大の同盟国である米国と中国の決定的な対立は、最も避けたいシナリオだ。

◆China's Choice / Stephen Roach 02.14.2005 Morgan Stanley.
http://www.msdw.co.jp/securities/jef/wib/050214/doc01.html

円と人民元が上昇しない場合、さらなるドル安を支持する議論は重大な疑問に直面し得る。

中国の為替政策は今や国際金融市場の関心の的となっている。ペッグを維持するか否か、ならびにペッグの対象通貨や時期に関する問題は、中国だけが選択できるものであり、またそうすべきである。しかし、世界経済の中で中国がますます重要な役割を担っている点を踏まえると、同国の選択は世界にとって重要な結果をもたらすと考えられる。

その結果が、国際金融市場や自由貿易政策、ひいては不安定な世界経済のリバランシングに重要な影響を与える可能性は十分にある。1970年代前半にジョン・コナリー元米財務長官がドル相場について述べた有名な発言を引用して言葉を言い換えるならば、「人民元は中国の通貨であるかもしれないが、我々の問題である」。

中国人民銀行総裁であり中国の代表的なマクロ経済思想家の1人である周小川氏は、通貨の問題を当面静観する姿勢を示した。2月5日のロンドンG7会合の前に行われた会見で、周総裁はより柔軟な為替制度の採用計画に関する質問を受け「今はその時期ではない」と述べた。通貨に関する中国の決断は、海外諸国に対する中国経済の相対価値を決めることを根本的に意味しており、我々にとって重大な意味合いを含んでいる。

上述の議論は、いわゆる「ドル相場の調整」に特に当てはまる。ドルの調整がグローバル・リバランシングの重要な構成要素であると考える向きは、私自身を含めて数多い。問題は、調整の負担が均等に分散していないことである。ユーロは調整の矢面に立ったが、アジア圏の為替相場はほとんど変化しなかった。問題は次のドル安局面において生じるであろう。米国の経常赤字がさらなるドル安を促すとの前提に立つと、調整の負担を変えることが必要になる。欧州諸国が国際相対価格構造のさらなる変化を促す上で非常に大きな役割を果たすことはもはや考えにくい。アジア通貨が調整しない限り次なるドル安は引き起こされない、と考えることが妥当であろう。

したがって、円と人民元相場の上昇抜きでは、さらなるドル安を支持する議論は重大な疑問に直面し得る。これは、最近の周総裁発言を受けてドル相場が上昇した重要な原因である。目先、このドル相場上昇は米国のインフレ抑制に貢献し、米国の長期金利に好影響を及ぼすであろう。また、欧州諸国と日本の輸出主導の経済成長を支える効果も期待できる。しかしながら中長期的には、ドル安を伴わない国際相対価格の構造調整は頓挫するであろう。その場合、世界経済は、米国の過剰消費とその他諸国の外需主導型経済成長を牽引役とする不安定な成長を維持することになろう。私の見解では、これはグローバル・リバランシングへの大きな回り道を意味する。

上述の緊張状態は、為替に関する中国の決断に絡む最も重要な事態、すなわち貿易摩擦や保護主義のリスクを象徴すると考えられる。リスクが最も顕著に表れている国は米国である。米国では、人民元切り上げが実施されない場合に、米国で販売されるすべての中国製品に27.5%を課税する措置を盛り込んだ超党派の法案が上院に提出された。米中貿易関係の政治問題化の例はこれだけにとどまらない。昨年下期には繊維貿易に関する議論が高まり、また最近では、中国への制裁措置を求める幾つかの法案が米議会に提出された。

これらの主張は根拠の薄いものだが、問題視されていない。米国の政治家は、財政赤字とそれに伴う国民貯蓄圧迫が経常赤字・貿易赤字の主因になっていることを認めようとしない。また、中国が米国との二国間貿易収支ではなく、ほぼ収支均衡の状態にある多国間貿易を基準として為替相場を判断している点についても、米国の政治家は注意を払っていないように見受けられる。さらに、中国がペッグ制を実施した結果、ドルに対する競争力が過去10年間で変化しなかった点は評価されていない。しかし、それがワシントンというものである。

この議論は、因果関係に関するものではない。それは国民の不安であり、その不安に乗じて中国の為替問題を持ち出そうとする臨機応変な政治家の意志である。彼らの提出した法案が議会を通過する可能性は低いものの、中国のペッグ制維持が長期化すればするほど、米中貿易関係に関する議論は白熱して注目を集めるであろう。外需に依存する中国経済にとって、貿易摩擦は最も避けたい問題である。しかし中国は、為替制度の維持に伴ってそうした事態に直面せざるを得なくなる可能性がある。

新たな改革を経た経済の柔軟性に合わせて、中国が政策構造の柔軟性を再調整する日はいつか到来するであろう。新しい為替制度はその移行プロセスの重要な部分になるとみられ、実質的に、改革への道程で起きる重要な出来事の正当性をまた1つ立証することに等しい。中国は弱さと圧力の中で決断を促されるよりも、上記のような建設的な考えに基づいて実行することを望むであろう。

5,000年に及ぶ内向的な伝統に傾斜した中国は、自己が担う広範な国際的役割を理解することに常に苦しんできた。急速に変化するグローバル化のペースは、この潜在的な落とし穴を強調している。中国は、人民元ペッグを維持することで不安定な世界経済に重要なメッセージを伝えている。すなわち、高まるグローバル・リスクへの懸念よりも、国内情勢の安定が重要であるというメッセージである。確かに、為替制度変更のタイミングは完全に中国側の判断に委ねられている。しかし、そうであるからこそ、選択の結果として生じるグローバルな現象に、中国と世界が真摯に向き合うことは非常に重要である。


(私のコメント)
アメリカがようやく重たい腰を上げて中国の人民元の切り上げ要求をしてきました。これに対してモルガンスタンレーのレポートでは、中国が決めるべきことであり、人民元が貿易赤字の原因ではないと指摘している。これらはどこから問題を見ているかによって結論は違ってくる。谷垣財務大臣もアメリカに同調しなかった点もここにある。

確かにモルガンスタンレーやトヨタや松下といったグロ−バル企業から見れば、中国の安い通貨は利益の源泉であり、人民元が引き上げられれば、中国に多額の投資をして工場を移転させた企業にとっては多大な損害を被る。だからモルガンや日本の大企業筋は人民元の切り上げには反対するのだ。

しかしアメリカの議会などでは、地元企業が安い中国製品に悲鳴を上げて突き上げられているのも確かであり、貿易赤字の増大も中国からの輸入が大きな割合を占めているのだから、人民元が水準以上に安いことが理由であることも確かなことだ。常識で考えれば中国にドルの外貨が溜まれば人民元が上がらなくてはアンバランスになる。私は2年前の株式日記で次のように書きました。

◆なぜ人民元の引き上げが必要なのか 日本のためでなく中国自身のためである 2003年6月18日 株式日記
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/635.html

《 改革開放以来、人民元は低下傾向を辿ってきた。これは、輸出の拡大による交易条件の悪化(いわゆる「豊作貧乏」)を反映しており、産業の国際競争力の向上は、人民元切り上げの前提条件となる。最近の外貨準備の急増に示されるように、この条件はすでに整いつつある。人民元の緩やかな上昇は、競争力を始めとする中国経済のファンダメンタルズの改善を反映するものであり、切り上げによって国際社会の要望に応えることもできる。これを無理して先に延ばそうとすると、資源の配分の低効率化や、バブル経済の膨張、対外貿易摩擦の激化といった弊害が生じるであろう。 》


(私のコメント)
このように中国のドルにリンクした元安でグローバル企業は大儲けしているのに、中国人民や日米の国民の賃金は低く抑えられ、日本の消費は低迷し、アメリカの消費は伸びているが借金もそれに伴って増えている。本来ならば大企業の業績が良くなれば賃金もあがって消費が伸びて景気が大衆まで広がってゆくのですが、日本もアメリカも中国も賃金は低いままだ。

経済がグローバル化すれば日米のようにグローバル企業は国内の工場をたたんで、賃金の安い中国に工場を引っ越してしまう。中国は欧米や日本からの投資と技術移転を一手に引き受けて高度成長が続いている。これだけ経済成長が続き外貨も溜まれば人民元を引き上げて交易条件を良くするのが合理的な政策だ。しかし中国はそれをしない。

中国は人民元が切り上がれば海外からの投資が減りバブルが崩壊することを恐れているのだろう。つまり中国の経済発展は自立的なものではなく資本も技術も海外からの投資で成り立っているから、日本やドイツと違って通貨を切り上げられる強さを持っていない。だからこそ人民元を適正水準以上に安くドルにリンクさせている。

日本の長期に渡るデフレ経済は中国の元安や発展途上国の通貨安に引っ張られたものだ。だから人民元が切り上がっても工場などがインドなどの新たなところへ移るだけで、工場が日本やアメリカに戻って来ることはない。だからモルガンスタンレーなどは元の切り上げが貿易赤字の解決にはならないと警告しているのですが、日本に関して言えばこれ以上の経済の空洞化は防げるだろう。経済コラムマガジンでも次のように書いている。

◆鎖国主義への誘惑(その1)05/4/18(386号) 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/

ところが今日、あたかも自由貿易が行われているという幻想と誤解が満ちている。筆者は、今日行われている貿易が公正なのかどうか点検し、不公正な国との交易を全面的に見直す必要があると主張する。場合によっては、特定の国との貿易の停止もあり得ると考える。たとえば中国の行っている不公正な為替政策が問題である。しかし中国の為替政策に対して、WTOは全く無力である。ようやく中国の為替政策に世界的な関心が集まってきたが、中国に対する要求は話にならないくらい甘い。

本誌は4年前もから01/5/28(第209号)「中国との通商問題」01/6/4(第210号)「中国の為替政策」などで、中国の不当な為替政策を痛烈に非難してきた。ところが日本政府は、逆に、不公正な為替政策を行う中国の低賃金を活用することを目論んだ。これは「戦略的パートナシップ」と呼ばれており、01/7/16(第216号)「戦略的パートナシップ」の後半で取上げた。経済産業省の一部もこれを推進する立場であった。この頃から日本企業の中国への生産拠点の移転が加速された。これによって日本に空洞化が起った。

内需拡大策が採られない今日、日本経済を支えているものが、直接輸出とこの「戦略的パートナシップ」による中国経由の輸出、さらにこれに関連する設備投資である。日経新聞を始め、ニュークラシカルのエコノミストは、この「戦略的パートナシップ」路線を熱心に推進した。しかしこの政策は完全に間違っていると筆者は指摘したい。そしてこの間違った政策の結果、中国には1万7千社もの日本企業が進出するはめになった。もう中国との関係では、既に抜き差しならぬ所まできている。


(私のコメント)
谷垣財務大臣の曖昧な態度も「戦略的パートナーシップ」が原因だろう。しかしそのパートナーシップも今回の反日暴動で赤信号が点ってしまった。「株式日記」においても「経済コラムマガジン」でも企業の中国進出には警鐘を鳴らしてきた。賃金コストから言えば東南アジアの方が安くなっている。目に見えない関税や突然の税制の変更などで最終的コストが高くなってしまっている。

中国には17000社もの企業が進出している。だから人民元が切り上げになれば投資がパーになる企業も出てくる。しかし政治的リスクや経済的リスクは何年も前から指摘されてきたことであり、そこをあえて国内工場を切り捨てて進出したのだから「自己責任」だろう。さらに大前研一氏などは「チャイナインパクト」で中国進出を煽りまくった。彼のようなモルガンスタンレーの手先ようなグローバリストに騙されてはならない。

◆大前研一氏の中国論のチグハグさ 国際派時事コラム
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/china2002.htm

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