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米、日本の消費者見誤る 牛肉輸入解禁
2005年12月13日
米国産牛肉の対日輸出再開が決まるまでには、早期再開を求める米国の政府や議会と、慎重な対応を求める日本の消費者の間で、ずれが目立った。米国側は80年代以降、構造問題協議などで「日本の消費者の利益」を掲げて、日本政府に生活関連の公共投資拡大や市場開放を迫った。だが今回は日本の消費者には「不当な外圧」と映り、消費者を敵に回す形となった。米国にとっては、いくつかの誤算や認識の違いが重なったようだ。
朝日新聞社の10月下旬の全国世論調査では、米国産牛肉の輸入再開に反対が67%、賛成が21%。賛否の差は1年前の調査よりさらに拡大した。
ところが米国は日本の消費者の意向を見誤った節がある。
◆牛丼中止騒動
香港を訪問中のジョハンズ米農務長官は12日、再開決定を歓迎した。「米国の生産者と日本の消費者にとって朗報だ」
米上院に対日制裁法案を提出した議員らも10月下旬、「日本国民の間には米国産牛肉に対する需要があるのに、日本政府が消費者の権利を否定している」と強調した。
「日本の消費者は輸入再開を望んでいる」と米側が考える理由はあった。例えば、輸入禁止後まもない04年初めの「牛丼販売中止騒動」。04年3月、当時のゼーリック通商代表(現国務副長官)は議会で「日本では牛肉が不足し、彼らの好物の牛丼をつくる肉もなくなった」と証言した。
ただ、安全性について説得力のある対策を示すことはなかった。牛海綿状脳症(BSE)の発生まで、検査対象の牛は年間に処理されるうち0.1%にも満たない2万頭だけ。政府も業界も、日本並みの検査を実施する用意はなかった。
◆高くない関心
米国内の牛肉消費量はBSE発生後も落ちなかったことも温度差を生んだ。消費者団体コンシューマーズユニオンは「一般的に米国では食の安全に対する関心が日本ほど高くなく、安全性は日本ほど重要な問題にはならなかった」と指摘する。
米国から見れば、日本の輸入再開手続きは遅すぎると映った。昨年10月の政府間合意では、対日輸出を可能とした米国内の手続きを「05年7月をめどに検証する」とされていた。全米肉牛生産者協会(NCBA)のツルーイット副会長は「合意に『検証する』とある以上、それ以前に輸出が再開されるはずだと受け止めた」と話す。
ところが今年に入って「7月再開」が難しくなって、業界のいら立ちが高まり、議会では対日制裁決議案などが相次いで提出された。
決議案を提出したモラン下院議員は「日本の消費者の信頼を取り戻すには、しばらく時間がかかるだろう」と認める。
◆「食べぬ」67%
10月の世論調査では、米国産牛肉を輸入再開後も食べたくない人が67%に達した。だが、NCBAのツルーイット副会長は「米国産の安全性を信頼している3割の人を対象に売り込みを図る」と話す。
輸入禁止前、米国産牛肉の日本市場シェアは約3割だった。今回の輸出再開は生後20カ月以下の牛だけで、NCBAは回復できるシェアを1割程度と見込む。米国産に拒否反応を示さない人が3割程度いれば、当面は十分というわけだ。
モラン議員は「日本のレストランやスーパーに米国産牛肉が並び、消費者に決めてもらうことが重要だ」と話す。
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200512130091.html
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