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半数近くが疑問残し答申
米国産牛肉の輸入解禁で
北米産牛肉の安全性をめぐり、内閣府の独立機関である食品安全委員会・プリオン専門調査会の十二人の専門委員のうち、半数近くが諮問の仕方や米国での輸入条件順守の実効性について、疑問や不安を抱いたまま、輸入再開を容認する結論を出していたことが共同通信社の聞き取り調査で7日、分かった。
「生後二十カ月以下で危険部位を除けば日本とリスクが同等か」という限定された諮問内容に対し「都合よく結論ありきの議論をさせられている」(品川森一委員=動物衛生研究所プリオン病研究センター長)との批判もあった。
安全性を左右する危険部位の除去など、諮問の対象外である米国の安全対策への不安が専門委員の間にも強いことが浮かび上がった形で、禁輸解除に踏み出す政府は米国の安全対策の監視という「重い責任」を負うことになる。
食品安全委は八日に答申を提出、政府は十二日にも輸入解禁を決める。
調査会の委員の多くがこだわったのは、米国が輸入条件を順守するという前提の実効性。座長の吉川泰弘東大教授は「米国が輸入条件を守ってくれるか心配だ」と指摘。また座長代理の金子清俊・東京医科大教授は「安全かと言われても、順守状況が分からなければ、分からない」と話し、安全性確保の核心部分が米国側の手に委ねられていることに懸念を示した。
山内一也委員(東大名誉教授)も「前提が守られれば評価結果に責任を持つが、前提が守られるか私たちには分からない」と話した。
輸入条件の順守を前提とした政府の諮問方法にも批判の声が強く、山内委員は「諮問の仕方がおかしい」と指摘した。
調査会は十月末、特定危険部位の除去や生後二十カ月以下などの輸入条件が順守された場合、牛海綿状脳症(BSE)に対する北米産牛肉と国産牛肉の「リスクの差は非常に小さい」とする答申案をまとめている。
http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20051208/mng_____kei_____000.shtml
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