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「しんぶん赤旗」潮流(10-31 1面)
新劇の草分けのひとつ芸術座を率いた作家、島村抱月。彼が亡<なったのは、一九一八年の十一月五日未明でした。
▼前日、住み込みの男性の助けを借りて階下の便所へいったものの、階段をのぼる力は残っていませんでした。かかえられて床へ戻りましたが、肺炎が悪化。かけつけた医者も、手の施しようがありませんでした。
▼ともに暮らしていた俳優、松井須磨子のスペインかぜが感染していたのです。治っていた彼女はけいこに通い、抱月の死後も舞台に立ちました。しかしニカ月後、あとを追つてみずから命を絶ちます。
▼スペインかぜは、世界中で二千五百万とも五千万ともいわれる人の生命を奪いました。島村抱月の死の六日後に終わった第一次大戦での死者、約二千万人を上回ります。そのスペインかぜが、いままた注目を集めています。
▼アメリカの研究者が、シベリアの凍土に埋められていたスペインかぜ犠牲者の遺伝子を調べました。ウイルスが、近年アジアで流行した鳥インフルエンザウイルス(N5N1型)にも似ていた、といいます。N5N1型。ことし、鳥の渡りや貿易によってヨーロッパにも広がりました。
▼アジアでも欧州でも、いまのところは、鳥から鳥、鳥から人への感染しか確かめられていません。人から人へ感染すると、もっと大ごとです。ひどい場合、世界中で七百万
人以上が死ぬおそれがある、といわれます。渡る鳥に国境はありません。人の世界も、国境や貧富の格差を越えて協カし、備えるしかありません。
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