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米産牛肉、輸入再開強まる 「年内」へ本格調整―「毎日新聞」
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/389.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 10 月 08 日 23:06:33: 2nLReFHhGZ7P6
 

(回答先: 注意深く、「米産牛肉(BSE汚染可能性あり)」の輸入を国民に扇動し、「国民の声」として輸入再開を図ろうとしているか。 投稿者 新世紀人 日時 2005 年 10 月 08 日 18:22:46)

クローズアップ2005:米産牛肉、輸入再開強まる 「年内」へ本格調整
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/closeup/news/20051008ddm002020117000c.html

 米国産とカナダ産牛肉の安全性を審議している食品安全委員会のプリオン専門調査会(吉川泰弘座長)が、条件付きながら「BSE(牛海綿状脳症)の汚染リスクは小さい」とする報告書草案をまとめたことで、年内にも輸入再開との見方が強まっている。同調査会の結論を待って、輸入再開を決める政府には、米国で強まるばかりの対日圧力をかわしたいという思惑ものぞく。一方、消費者団体などからは「本当に安全は確保されるのか」との声も起きている。【高木昭午、位川一郎、平田崇浩】

 ◆急ぐ審議

 今年5月に厚生労働、農林水産の両省から「米国・カナダ産牛肉と日本産牛肉の危険度の同等性」について諮問を受けたプリオン専門調査会は6日の8回目の審議で、「輸出プログラムが守られれば、BSEのプリオンによる汚染の可能性は非常に低い」とする報告書草案をまとめた。輸入再開を支持する多くの委員は、これで結論に近付いたと判断した。

 このため、事務局はさらに審議の迅速化を委員側に打診。複数の関係者は「事務局は10月中に、あと3回の審議を計画している」と証言する。今月中に報告書をまとめさせたいような姿勢がうかがえる。報告書がまとまれば、食品安全委は4週かけて一般からの意見を募集、その後に厚労、農水省に答申する。両省の思惑通り進めば、年内にも再開決定になりそうだ。

 ◆準備着々

 両省はすでに米国、カナダ産牛肉の輸入をいつでも再開できる準備を整えている。食品安全委が両国産の輸入牛肉を日本並みに安全だとする答申を出せば、省令改正などの手続きはその後ほとんど必要ないため、2週間程度で輸入再開が決まる見込み。

 輸入されるのは、脳など特定危険部位が除去され、生後20カ月以下であることを証明された牛肉に限られる。しかし、米国側が実際にこの条件を守れるかどうかは疑問だとする見方がある。このため、輸入が再開されれば、日本側は専門家を米国に派遣して処理施設や農場などを査察することにしている。実効性のある査察ができるかどうかも課題の一つになる。

 ◆対米配慮し安堵

 「国民の食の安全」と「米国からの圧力」の板挟みに苦しんできた政府内には、輸入再開へ向けた「明るい展望」(細田博之官房長官)が出てきたことに安堵(あんど)の空気が広がっている。ただ、米側は輸入再開時期の明示を求めており、11月中旬に予定されているブッシュ大統領の来日までに食品安全委が明確な方向性を示さなければ、首脳会談で厳しく注文を付けられる可能性もある。

 加藤良三駐米大使は5日の記者会見で「米国は(輸入再開の動きを)好感している。ただ、上下両院では制裁も視野に雰囲気が騒然としてきている」と述べた。米下院歳入委員会が先週開いた公聴会で対日制裁論が出るなど、不満が高まっていることは、在米大使館から外務省に「警告」として伝えられている。

 ◇食品安全委、「同等性」巡り紛糾も

 プリオン専門調査会の検証では米国の問題点も次々と浮かんだ。

 調査会の推定では、米国には、英国などから日本の数倍の頭数のBSE牛が侵入した。今も牛の脳などを飼料に使っており、BSE牛が増えている恐れがある。また食肉処理前の牛の健康チェックが日本より甘く、全頭検査もない。20カ月以下の牛だけ輸出する、というが実際には21カ月以上の牛も1〜2%交じる恐れがある。

 厚労省と農水省は安全委に、米国・カナダと日本の牛肉の「同等性」の判断を求めている。農水省は「単に危険が小さいというだけでは、輸入再開の是非は判断できない。日本との比較が必要だ」と説明する。

 米国産牛肉でも日本産でも、数字で示せるような厳密な安全性の分析はない。委員の一部には「日米とも危険が小さいのだから、同等といえるだろう」と、輸入再開には問題ないとの声もある。しかし、吉川座長が「同等という言葉の意味が難しい。行政から明確な説明はない」と判断基準のあいまいさを指摘し「同等性の有無を答えられるかどうか」と悩むなど、今後、この点を巡って紛糾する可能性も残る。

 ◇外食産業、再開準備を本格化

 米国産牛肉の輸入再開を巡っては、牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーが7日、再開決定から1カ月半後をめどに、牛丼の販売を再開させると発表するなど、外食産業で準備が本格化している。吉野家は、今回の再開条件では全店で提供する必要量の20%程度の牛肉しか確保できないとみて、販売方法を検討中だ。安部修仁社長は「親が行くなと言っても、食べに行くのが吉野家の牛丼。(安全イメージが薄くても)あまり影響しないのではないか」と自信を見せる。一方、スーパーなど小売業界は、「納得して買ってもらえるか分からない」と慎重な構え。

 また、専門調査会を傍聴し続けている市民団体「BSE市民ネットワーク」(事務局・大津市)の戸谷真理子さんは「米国牛の安全管理は飼料管理、全頭検査、月齢確認、特定危険部位の除去、とすべてで劣る。日本並みに安全との結論は出せないはずだ」と話している。

………………………………………………………………………………………………………

 ◇米国産牛肉の輸入再開をめぐる主な経緯と今後の日程◇

03年 5月 BSEが発生したカナダ産牛肉の輸入停止

   12月 米国でBSE発生。米国産牛肉の輸入を禁止

04年 9月 食品安全委報告書「生後20カ月以下のBSE感染確認は困難」

       日米首脳会談で「早期の輸入再開へ努力」と合意

   10月 食品安全委に国内BSE検査基準緩和(全頭検査放棄)諮問

       日米局長級協議で「20カ月以下に限定」の輸入再開方針で合意

05年 2月 政府「色など肉質に基づく牛の月齢判別法」採用受け入れ方針

    3月 日米首脳電話協議でブッシュ大統領が早期輸入再開を要求

       食品安全委が国内検査基準の緩和方針を決定

    4月 米政府が食品安全委に「30カ月以下の輸入」求める意見書

    5月 食品安全委が国内検査基準の緩和容認を答申

       米国・カナダ産牛肉の輸入再開の是非を食品安全委に諮問

    8月 BSE国内検査基準の緩和実施

   11月?食品安全委プリオン専門調査会が答申案

       食品安全委が答申案承認、意見募集(4週間)

   12月?食品安全委が答申、輸入再開

毎日新聞 2005年10月8日 東京朝刊

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